Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
2型糖尿病は骨折遷延治癒の原因のひとつであるが、その病態は明らかとなっていない。そこで申請者は2型糖尿病マウスを用いて骨折遷延治癒の特徴について検討した。【方法】2型糖尿病モデルマウス(高脂肪食)の右脛骨を骨切り後、注射針にて髄内固定した。これらマウスの骨折治癒過程を組織学的、放射線学的に対照群と比較検討した。また骨癒合判定にはねじり試験機を用いて骨強度を測定した。【結果】2型糖尿病マウスでは、対照群と比べて仮骨形成(骨、軟骨)量が少なく、仮骨リモデリング障害を認め、骨折治癒過程は遅延していた。仮骨リモデリング障害の原因として2型糖尿病マウスでは、仮骨内の脂肪組織形成の活性化が示唆された。骨折後5週時点での生体力学試験においても、糖尿病マウスでは対照群と比較して骨強度が低く、骨癒合遷延状態が示された。【考察】2型糖尿病に伴う骨折遷延治癒の原因として、仮骨内脂肪組織過形成による仮骨リモデリング障害という新知見を得た。仮骨内脂肪組織形成の防止が、今後の治療戦略上のターゲットと成り得る。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。