劇症型A群レンサ球菌感染症マウスモデルを活用した新たな骨破壊機構解析
Project/Area Number |
24890226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中谷 百合子 北里大学, 付置研究所, 研究員 (50584695)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 感染 / 骨破壊 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
A群レンサ球菌(group A streptococci : GAS)は、宿主細胞表面タンパクCD46を受容体としてヒトに特異的に感染する。GASの臨床分離株をヒトCD46Tgマウスにfootpadを介して感染させると、感染局所である後肢の骨組織が急激に破壊される。本研究では、このGAS感染による急激な骨破壊の機序解明を目的とし、解析を行った。その結果、以下の点が明らかとなった。(1)感染局所の骨組織において破骨細胞数の増加が認められた。(2)破骨細胞の除去後にGAS感染させたところ、骨破壊が観察されなかった。(3)感染局所において、破骨細胞の分化・活性化因子であるRANKLおよびRANKL発現を誘導する炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6、1L-1β)のmRNA発現の上昇が認められた。(4)感染局所において、RANKLおよびTNF-α、IL-6、1L-1βの蛋白発現上昇が認められた。(5)腹腔内マクロファージを試験管内でGAS感染させたところ、TNF-α、IL-6、IL-1βの産生が認められた。これらの結果から、GAS感染による骨破壊は破骨細胞依存的であること、さらに破骨細胞の分化・活性化因子であるRANKLおよびRANKL発現を誘導する炎症性サイトカインが感染局所で産生されることが明らかとなった。また、炎症性サイトカインの産生細胞の候補として局所マクロファージが考えられたが、特に1L-1β産生に関しては、GAS死菌ではなく生菌刺激でのみ認められたため、GAS感染によるマクロファージのピロトーシス機構によって産生されると考察された。以上より、GAS感染時に観察される急激な骨破壊は、GASが感染局所でマクロファージといった免疫細胞を刺激して炎症性サイトカイン産生を誘導し、次いでRANKL発現が増強し、破骨細胞が分化・活性化することによって生じたと示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)