Research Abstract |
[研究目的] 2011.3.11東日本大震災により,原子力エネルギーに対する信頼が失われ,自然エネルギーの普及に向けた研究・開発がさらに急がれている.このような現代の社会的ニーズの高い"環境分野"や"エネルギー分野"に対応できる素養と創造力を持った実践的技術者を育成するために環境エネルギー教育に関する教材が必要である,そこで本研究では,この素養と創造力を養うための教育教材を提案し,垂直軸クロスフロー水車をモデルとしたPBL(Program Based Learning)型の実験教材を開発した. [本実験装置の主な特徴] 1)水車本体は,水車上部に設置した羽根角度調整リングにより,羽根角度を一元的に調整できる構造とした.また,軸受部分にレールを配置することにより,水車の位置を自由に調整できる構造とした. 2)開水路の流水をコントロールする導水壁は,長さ5cmをベースとした3種類の小型コンクリートブロックを作製した.このコンクリートブロックを任意に組み合わせることにより,様々な導水壁の形状を再現し実験することが可能である. 3)測定データを集計・解析・表示・PCへ転送するための測定装置は,AVRマイコンを用いて自作した.この測定装置は,データが集計・解析される過程を原理的に理解することができ,また状況に応じて実験者が集計・解析の手法を容易に改良することが可能である. [本教材の成果] "水車の羽根角度","導水壁"及び"水車の位置"の3条件を可変構造とした実験装置を開発することに成功した.本教材は,これらの条件を試行錯誤しながら最適化する過程を通じて,実験者が自然エネルギーを回収するための技術や創造力を習得できる教材として期待される.さらに,導水壁設置に使用する小型コンクリートブロックに設計単価を与えることにより,コスト管理を意識させるこれまでにない実験教材を開発することに成功した.
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