Project/Area Number |
24920013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅲ(土木・建築工学系)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
濱 定史 東京理科大学, 工学部・第一部建築学科, 助教
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 板倉 / 木造構法 / 福島 |
Research Abstract |
多様な形式を持つ福島県会津地方における板倉を実測調査により整理し、既往研究を参照して板倉の建築構法の多様性を明らかにした。本研究によって、檜枝岐村の板倉の構法特性と立地特性か明らかとなった。 会津若松市や喜多方市など都市部の倉庫である土蔵やレンガ蔵は研究の蓄積も多く、地域資源としてまちづくりに活用されている。一方農村部では、多様な構法の板倉、土蔵が実際に利用されながら多数現存しているが、急速にその姿を消しつつあり、早急に記録を留めなければ永遠にその智恵と技術が失われてしまう恐れがある。 現在、檜枝岐村には95棟の板倉があり、その用途は、1階に穀物類を貯蔵し、2階には衣類・家財道具を置いている。これらの他に図面・写真の残っている消失物件8棟加えた103棟を、本研究の対象とし、その全ての実測調査並びに村民への聞き取り調査によって板倉の図面及び分布図を作成した。 構法特性として、各構法の建築年代、仕口や矧合せ、各部寸法を確認することかできた。これによって、井籠倉・落し板倉・貫板倉という板倉の変遷が判明した。これは製材技術の向上から変遷を辿ったと推測され、規模と使用木材量においても同様である。井籠倉は、他の2構法よりも容積が小さく、使用する木材量は多い。特に貫板倉は、井籠倉・落し板倉よりも少ない木材量で大きな容積を確保している。 立地特性として、檜枝岐村は板倉を集落の外周で集団管理していたことか分かった。聞き取り調査から、主屋が火災に遭っても板倉への延焼を防ぎ、板倉の食物を糧に被災後の生活を凌いでいくという考えが村全体にあり、今でもなお板倉の周りに家屋を建ててはならないという暗黙の了解かあるとのことである。 今後は周辺地域の民家・板倉と比較分析することで、会津地方における民家構法の地域特性を明らかにする必要がある。
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