Project/Area Number |
24923009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物学Ⅰ(植物)
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 謙太 独立行政法人国立高等専門学校機構沖縄工業高等専門学校, 技術支援室, 技術職員 (50510111)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ボチョウジ属 / 性表現 / 琉球列島 |
Research Abstract |
1)沖縄島と西表島に生育するシラタマカズラ・ボチョウジ・ナガミボチョウジの花の性表現と送粉者の関係を明らかにするために、沖縄島3集団と西表島2集団にて、自然結果率の調査、雌雄性の調査、及び訪花昆虫の調査を行った。その結果、シラタマカズラには明るい場所を好むカリバチやハナバチ類、ハナアブ類が多く訪花したものの、ボチョウジ・ナガミボチョウジでは主にハエ、スズメバチやアシナガバチの仲間が訪花することが分かった。また、ボチョウジとナガミボチョウジが同所的に存在している集団においては、共通のポリネーターの存在から、自然雑種が生じている可能性が示唆された。 2)ナガミボチョウジの正確な性表現を明らかにするために、沖縄島の乙羽岳、嘉津宇岳、末吉公園の3集団から花を採集し、花形態の計測と形態からの雌雄性の推定を行った。今年度は、各集団20株、各株50花を採集することにより、雌雄同株のより正確な混在状況を明らかにすることができた。また、乙羽岳の10個体については、継続的に花の性表現の調査を行い、一部の株では開花期初期には雄であるが、後半になると雌に替わっていくというフェノロジーを確認することができた。 3)送粉昆虫の撮影において、新たにパソコンと連動したビデオカメラによる観察システムを導入した。現在試行段階であるが、訪花昆虫への影響を最小限にとどめる観察方法として、琉球列島のその他の植物の観察にも応用できるようさらなる改良を行う予定である。 4)台湾の蘭嶼島・緑島におけるナガミボチョウジの生育形態が、琉球列島のものと大きく異なっていたため、分類学的再検討の必要も踏まえ、性表現に加えて生育形態の調査も行った。さらに調査の過程において、これまで開花の詳しい記録が残されていなかった同属コウトウボチョウジの開花を観察することができ、新たな知見として学会誌に発表を準備中である。
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