アルツハイマー病モデルラットの記憶障害に対し社会的孤立が及ぼす影響
Project/Area Number |
24930002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
角 正美 茨城県立医療大学, 医科学センター, 助手
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / 参照記憶障害 / 社会的孤立 |
Research Abstract |
【目的】「社会的孤立」により認知症の症状が悪化したり、新たな認知症の発症が増加することがある。動物実験では、単独飼育されたラットは集団飼育されたものに比べ、他のストレッサーに対する脆弱性があると言われている。アルツハイマー病の障害の一つに場所見当識障害があるが、疾患モデル動物を用いてこの障害を調べたものはない。本研究で用いた居住型迷路課題は、海馬依存的学習課題であり、一度正しい道順を学習すると1ヶ月経ってもその記憶が保持され、場所見当識の解析に適した課題であるといえる。先行実験によって、アミロイドβ(Aβ)脳内持続注入ラットが、居住型迷路課題において新規学習障害は起こさないが、長期の参照記憶障害を引き起こすことを掴んでいた(第35回日本神経科学大会にて発表)。 この結果を踏まえ、本研究では単独飼育という居住環境がAβ投与により生じた参照記憶障害にどのような影響を及ぼすかを検討した。 【方法】単独飼育群は生後13週以降60日間単独飼育し、その後Aβ脳内持続注入を行った。注入から2週間後、居住型迷路の学習(30分、4日間)を行い、学習終了2週間後と5週間後に参照記憶テストを行った。 【結果】集団飼育Aβ投与群では学習最終日に比べ、学習終了2週間後、5週間後の課題遂行能力が低下し、単独飼育Aβ投与群でも学習終了5週間後の成績が低下する傾向があった。しかしながら、どの結果もばらつきが大きく、統計的に有意な差はみられなかった。 【考察】先行実験では迷路学習を2・3匹で同時に行っていたが、本実験は単独飼育状態を維持するため全ての被験体が1匹ずつ学習を行った。この手続きの変更が課題習得の程度にばらつきを生んだと考えられる。今後は、十分に課題習得できるまで学習を行った上で参照記憶テストを行うことで、アルツハイマー病の記憶障害に対する社会的孤立の影響を検討できるのではないかと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)