Project/Area Number |
24932002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
歯学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡田 美穂 広島大学, 大学病院, 歯科衛生士
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 歯科治療恐怖症 / 認知行動療法 / 唾液アミラーゼ活性 |
Research Abstract |
歯科治療恐怖症やパニック障害により通常の歯科治療が行えない患者は多く存在する。そういった患者に対して、全身麻酔や精神鎮静法を併用し歯科治療を行う方法があるが、これらは患者にとって回避行動や安全保障行動にしかなっていないうえに、術前の準備等が煩雑であり、急性疼痛時にすぐに治療が行えないなどの欠点もある。 また、多数歯のカリエスの存在は、疼痛や審美性の欠如、それに伴うQOLの低下などもあり、これらの改善は急務である。 本研究ではこういった患者を対象に、認知行動療法を用いて通常の意識下歯科治療への馴化を行い、心理テストや唾液アミラーゼ活性値を用いて評価した。 認知行動療法の実際は、はじめに歯科治療の知識教育と不安の心理教育を行った。心理教育としては、破局的思考などの認知の歪みが、恐怖を維持していることを説明し、自動思考に対する反証を紙上で練習することにより認知再構成を行った。次に歯科治療における恐怖を想起させる治療行為を100単位のスケールで順位付けさせ、不安階層表を作成した。また恐怖体験時のリラクゼーション方法として、漸進的筋弛緩法や腹式呼吸法の練習を行った。その上で、歯科治療の恐怖体験を不安階層の低い順位暴露体験させ、恐怖が持続するものではないことを実体験させた上で、認知の歪みの修正を積み重ねていった。 これらの認知行動療法を継続的にする前後に、質問紙のSTAIによる不安尺度評価とSF-36によるQOLの評価を行うと同時に、唾液アミラーゼ活性にて治療中のストレス度の評価を行った。当初はf-MRIでも不安尺度評価を考えていたが、多くの歯科治療恐怖症患者がMRI室の閉鎖空間でも恐怖心が惹起されるため、標準的な評価ができず断念した。 認知行動療法により歯科治療ができるようになる患者が認められ、質問紙などでも不安尺度の軽減が証明された。今後もより症例を集め、データ収集を継続したい。
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