| Project/Area Number |
24H00014
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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| Allocation Type | Single-year Grants |
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Broad Section A
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| Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
石川 城太 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (80240761)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 顕三 中央大学, 経済学部, 教授 (00175902)
大久保 敏弘 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (80510255)
小橋 文子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (30528922)
加藤 隼人 大阪大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (30837703)
木村 福成 慶應義塾大学, 大学共通, 教授 (90265918)
趙 来勲 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70261394)
古澤 泰治 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (80272095)
椋 寛 学習院大学, 経済学部, 教授 (90365065)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2025)
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| Budget Amount *help |
¥203,450,000 (Direct Cost: ¥156,500,000、Indirect Cost: ¥46,950,000)
Fiscal Year 2025: ¥39,780,000 (Direct Cost: ¥30,600,000、Indirect Cost: ¥9,180,000)
Fiscal Year 2024: ¥40,690,000 (Direct Cost: ¥31,300,000、Indirect Cost: ¥9,390,000)
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| Keywords | グローバル・バリュー・チェーン / 地政学的緊張 / デジタル化 / 脱炭素 |
| Outline of Research at the Start |
グローバル・バリュー・チェーン(GVC)は、世界経済の統合や経済成長をもたらしてきたが、現在、①地政学的緊張、②経済社会の急速なデジタル化、③気候変動から深刻な影響を受けている。世界経済の更なる成長のためには、これらに適応したGVCの変容が不可欠である。本研究では、上記3つの問題、及びそれらに対する経済学的対応策がGVCに及ぼす直接的・間接的影響を明らかにする。そして、そこで得られた経済学的知見に基づいて、新国際経済秩序の確立を探究する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の3つの研究課題の研究実績は以下の通りである。 Ⅰ.「地政学的緊張下のGVCの実証的把握と国際貿易秩序の検討」:ハイテク輸出管理強化は品目ベースで見ると直接的影響は限定的なものであることが分かったが、政策不確実性による民間企業の萎縮が懸念されることを指摘した。中国企業の調達国変更行動や、米中関税戦争下におけるGVC再編の分析を通じ、不確実性への適応メカニズムを明らかにした。さらに、半導体産業のGVC構造や地政学的リスクが日本企業の投資・資金行動に与える影響も分析し、政策決定に資する知見を提示した。アジア研究者との交流も通じて、GVCの構造変化と国際秩序への含意を継続的に検討している。 Ⅱ.「デジタルエコノミー下におけるGVCの変容と新たなルール構築」:グローバルミニマム課税が各国の法人税政策に与える影響を、GVC再編や生産の自動化、サービスのデジタル化との関連から分析した。また、就業者の視点から、デジタルツールが特にGVC上の事務職において労働を補完し、デジタル化がGVCの中での職務の在り方を変容させていることを実証的に示した。さらに、環境倫理に配慮した働き方(グリーンジョブ)の実態も明らかにし、持続可能なGVCの実現に向けた課題を提示した。 Ⅲ.「GVCの展開に伴う温室効果ガスの排出責任制度の検証」:EU排出量取引制度(EU-ETS)の国際輸送分野への拡大を踏まえ、GVCを通じた越境取引における排出責任のあり方や、各国の資源配分・経済利益への波及効果をモデル化し理論的に分析した。また、GVC上流企業が下流のサプライヤーに環境対応を求める動きに注目し、民間環境規格の国際的整合性の進展と課題を調査した。さらに、炭素税と国境調整措置の理論分析を通じて、GVCの複雑な構造が脱炭素政策の効果を左右し、制度設計次第で逆効果を招くリスクがあることを明らかにした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3つの研究課題からなるが、多角的なアプローチによって、全体として、新たな国際経済秩序に資する知見の蓄積を着実に進めている。全ての研究課題で、モデルの構築とそれに基づく理論分析、及び、データの収集とそれに基づく実証分析が核となっているが、各研究課題とも理論・実証分析のバランスがとれた形で研究が進行している。また、熊本県において半導体のGVC形成の実態調査も行った。さらに、デジタル化とGVCに関する共同研究は東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)との協力により複数進行中であり、今後の成果が期待される。 地政学的緊張がGVCに与える影響については、予定通り研究が進行している一方で、2025年に誕生した第2次トランプ政権による関税政策の変化とそれに伴う市場混乱を踏まえ、研究スコープの拡張が必要となっている。地政学的リスクと日本企業の行動に関する研究では、予備的な実証分析を終え、学術的なフィードバックも得られている。 理論モデルの構築においては、小国開放経済や2国経済を想定した環境政策の分析が進展しており、今後の応用的研究への足掛かりが築かれつつある。GVCに関連した一般均衡貿易モデルの構築やその検証も進んでおり、貿易弾力性と貿易コスト推計に向けた手法の開発が進行中である。また、デジタル経済下における労働市場や環境政策の研究、企業立地選択に関する空間経済モデルの構築と分析も進んでおり、国際学術誌への掲載など一定の成果が既に得られている。さらに、非関税措置と国際協調の理論的検討や、半導体産業における技術導入と生産移転のパターンの実証的発見も報告されている。 なお、2024年度に、学術雑誌への公刊は6本(うち査読付きは6本)、図書の刊行は3冊、学会などでの報告は37回(うち招待講演は17回)となっている。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後も多面的なアプローチを通じて、国際経済の急激な変化に対応するための包括的な知見の構築を目指す。特に、地政学的緊張やデジタル化の進展といった近年の構造的変化がGVCに与える影響はさらに強まっており、それらに関する理論的・実証的分析を深化させるとともに、学術的成果を政策現場にも積極的に発信していくことが重要であると考える。また、第2次トランプ政権による急激な関税政策や脱炭素政策の変更とそれに伴う市場混乱を踏まえ、研究スコープの拡張も進める。 経済モデルの観点からは、これまでに構築された基礎的な枠組みを拡張し、寡占構造や排出権取引制度の導入など、より現実的な設定に基づいた環境政策の効果分析を進めていく。また、実際の貿易データに基づいたモデルパラメターの推定を通じて、関税政策やGVCのレジリエンス、地球環境への影響といった現実的課題に対する反実仮想分析を展開していく。 グローバルミニマム課税や各国の産業政策に関する分析も継続し、今後予想される国際税制や通商政策の変化が国際分業や製造業構造に及ぼす影響を総合的に検討する。また、グリーンジョブやデジタル経済の進展といった新たな労働市場の変化にも注目し、就業者の行動や企業のデジタル技術導入に関する実証分析を通じて、経済制度の設計に資する知見を得る。 理論研究に加えて、企業レベルや工場レベルの詳細なデータを活用した研究も進展しており、環境規制や地政学的リスクがGVCの構造に及ぼす影響についての分析も本格化する。国際政策の不確実性が企業の技術革新に与える影響や、輸出規制がGVCに与える影響に関する新たな研究も始動しており、理論と実証の両面から政策立案における発言力を高めたい。 こうした複合的なアプローチを通じて、本研究は国際経済秩序の変容を捉えると同時に、将来の政策形成に資する実践的かつ理論的な貢献を継続的に行っていく。
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