| Project/Area Number |
24H00098
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
| Allocation Type | Single-year Grants |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Medium-sized Section 3:History, archaeology, museology, and related fields
|
| Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
足立 拓朗 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 教授 (90276006)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 陽平 金沢大学, 薬学系, 教授 (10366833)
北野 博司 東北芸術工科大学, 文化財保存修復研究センター, 教授 (20326755)
西内 巧 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 准教授 (20334790)
柴田 大輔 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40553293)
小林 正史 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員教授 (50225538)
西山 伸一 中部大学, 人間力創成教育院, 教授 (50392551)
紺谷 亮一 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (50441473)
四角 隆二 岡山大学, 文明動態学研究所, 客員研究員 (50974375)
津村 眞輝子 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 館長 (60238128)
有松 唯 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (60732112)
宮田 佳樹 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (70413896)
覚張 隆史 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 准教授 (70749530)
板橋 悠 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (80782672)
春田 晴郎 東海大学, 文化社会学部, 教授 (90266354)
|
| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2025)
|
| Budget Amount *help |
¥33,540,000 (Direct Cost: ¥25,800,000、Indirect Cost: ¥7,740,000)
Fiscal Year 2026: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2025: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
Fiscal Year 2024: ¥12,480,000 (Direct Cost: ¥9,600,000、Indirect Cost: ¥2,880,000)
|
| Keywords | 西アジア考古学 / 古代文明 / エフェドリン / グリチルリチン / 麻黄 / 甘草 / 西アジア / 薬草 |
| Outline of Research at the Start |
本研究では西アジア古代文明における薬草利用の解明するために出土土器に付着あるいは吸着した炭化物から甘草や麻黄の薬効成分を検出して、薬草利用の証拠を提示する。甘草や麻黄には多くの種類が存在し、効用もそれぞれ異なる。本研究には薬学の専門家が参加しているので、グリチルリチンやエフェドリンの種類により、甘草・麻黄の種を同定し、それらの実質的な効用を検討することが可能である。そして、実際にどのような薬学的処方が実施されていたのかを復元することが、本研究課題の核心となる学術的な問いとなる。その成果を2026年の国際近東考古学会などで発表する。また、国内でシンポジウムを開催し、その成果を英文紀要で発表する。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
実験考古学的手法を用いて、生薬「麻黄」または「甘草」を土器中で煎じた場合の含有成分の変化を調査した。その結果、煎じ後の溶液からも、それぞれ元の原料の成分として「麻黄」は Ephedrine および Pseudoephedrine を、「甘草」は Glycyrrhizin を検出した。すなわちこれらの成分は加熱後も分解せずに残存することを確認し、今後の指標成分として使用可能であることを確認した。また、土器内定部に形成された付着炭化物を分析し、Ephedrineなどの成分を検出できた。 トルコのカイセリ地域の住民に対して、薬用植物についての聞き取りをおこなった所、民間医療として、当該植物に類似した草を痛み止め(モルヒネ効果?)、向精神薬として使用している事例を収集できた。特に老齢者にとって非常に伝統的なものであるという。乾燥させた当該植物をお湯に入れて飲んだり、直に口で噛み砕いて使用するようである。トルコの発掘調査では土器が大量に出土しており、現在、日本への持ち込みを申請中である。 また、ハンセン病患者の隔離集落とする伝承のあるトルコのコブクルカヤ遺跡出土人骨で同位体分析を行い、個人の食習慣を比較した。その結果、コブクルカヤ出土人骨は食習慣を共有する少数の世帯で構成されており、伝承にある伝染病の罹患者が周辺から集められた「隔離村」という仮説は支持されなかった。 古代メソポタミアに由来する楔形文字文書の中には、医学・薬学に関する著作の粘土板写本、治療に関する記録も多数含まれ、そこにはさまざまな薬草も言及される。本研究課題の一環として、分担者はこれらの楔形文字文書の研究に取り組んだ。特に、内服薬と塗布薬の処方箋に関する文書を収集し、薬草利用の状況について調査した。 イランのガラス製品には薬用品を入れていたと考えらるものがあり、この研究にも着手している。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
20点の麻黄、甘草の煮沸実験を行い、薬液と付着炭化物の分析を実施しており、予定通りに進捗している。イラクから土器片を年度末に日本に持ち帰っているが、まだ分析にはとりかかれていない。トルコでは土器片の日本への持ち出しを申請中である。今年度中には分析に入る予定である。トルコ、イラクでは原生の植生についての聞き取りが進んでいる。また、楔形文字による文献調査も順調に進んでいる。いずれも今年度中には学術誌に投稿が可能になると思われる。
|
| Strategy for Future Research Activity |
トルコにおいて原生植物の聞き取りが進めれなれており、2025年度はどの種類の麻黄であるのか、またその植生分布を調査する予定である。また、当該植物を使用した民間治療、民間伝承にはどのようなものかについて調査を行いたい。考古学的見地から見ると、4000年前の交易年であったキュルテペ(カニシュ)では多様な物品が取引されていたことが、これまでの調査で判明しており、出土土器内か何らかの植物遺存体発見につなげたい。 イラクの出土土器を日本に持ち帰っており、この土器の付着炭化物の分析が重要な研究になる。
|