| Project/Area Number |
24H00105
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
| Allocation Type | Single-year Grants |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Medium-sized Section 3:History, archaeology, museology, and related fields
|
| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大野 正夫 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (00251413)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 裕二 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (00452699)
足立 達朗 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (00582652)
加藤 千恵 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (00828478)
田尻 義了 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (50457420)
畠山 唯達 岡山理科大学, フロンティア理工学研究所, 教授 (80368612)
桑原 義博 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (90281196)
山形 眞理子 立教大学, 文学部, 特任教授 (90409582)
吉村 由多加 九州大学, 比較社会文化研究院, 特別研究員(学振) (90911496)
|
| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2025)
|
| Budget Amount *help |
¥46,280,000 (Direct Cost: ¥35,600,000、Indirect Cost: ¥10,680,000)
Fiscal Year 2025: ¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
Fiscal Year 2024: ¥12,090,000 (Direct Cost: ¥9,300,000、Indirect Cost: ¥2,790,000)
|
| Keywords | 考古地磁気 / 地磁気強度 / 年代推定 / 地磁気永年変化 |
| Outline of Research at the Start |
本研究では、地磁気の強さの「永年変化」を用いた考古地磁気強度年代推定法を、これまで同推定法が適用されてこなかった「フロンティア」である台湾とベトナムをフィールドに展開する。ある程度しっかりした土器編年が構築されているベトナムと、まだ確固たる土器編年の無い台湾という異なる二つのフィールドで、土器を資料として考古地磁気年代推定法の新たな可能性を示すことで、アジアの遺物・遺跡に広く考古地磁気強度年代推定法が適用可能であることを実証し、アジア各国の考古学的年代観を結んで俯瞰することが可能になると期待される。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
地磁気を利用した考古地磁気年代推定法は、地磁気の方位と強度が長い年月の間にゆっくりと時間変化する性質を利用する。本研究は、これまで同推定法が適用されてこなかった「フロンティア」である台湾とベトナムをフィールドに「特徴的な地磁気強度変化を「指紋」として利用する考古地磁気年代法の適用による新しい年代観の提唱」という問いを目的とする。ベトナムでは測定した地磁気強度を標準曲線の「指紋」と比較して、従来の考古学的な年代を検証する。また年代に不確定な要素が多い台湾では、従来の年代を参照しつつ、測定した地磁気強度を「指紋」と比較して、矛盾の無い客観的な編年を構築する。これらの研究を通してアジアの遺物・遺跡に広く考古地磁気年代推定法が適用可能であることを実証し、アジア各国の考古学的年代観を結んで俯瞰することが可能になると期待される。 令和6年度は、まずベトナムと台湾に赴き、研究打ち合わせや試料採取を行った。ベトナムでは、ミーソン文化遺産管理委員会をはじめ、数多くの博物館や行政機関等を訪問しセミナーを行うなど研究打ち合わせを行い、また資料のサンプリングを行った。台湾出張では、精華大学と国立自然科学博物館を訪問し、研究打ち合わせを行うとともに、台中周辺の遺跡の資料のサンプリングを行った。 また本研費で購入した高分解能の顕微鏡とこれに連動するレーザー元素分析装置を立ち上げ、分析を開始した。顕微鏡による表面観察とレーザー元素分析ヘッドによる化学組成分析を組み合わせることで資料の被熱温度の推定などの研究に進展を見込んでいる。これらの分析を含め、ベトナム、台湾で採取した試料は、事前に採取していた資料を含め岩石磁気・古地磁気測定など様々な分析を開始した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベトナムでは、ミーソン文化遺産管理委員会、サーフィン-チャンパ文化博物館、クアンナム省博物館、考古学院、ベトナム国家大学ハノイ人文社会科学大学、など、数多くの博物館や行政機関等を訪問しセミナーを行うなど研究打ち合わせを行った。このうちサーフィン-チャンパ文化博物館とクアンナム省博物館では、本研究の主たる対象であるサーフィン文化の資料採取を行った。先サーフィン文化およびサーフィン文化には4段階のカテゴリーが存在するとの考古学的認識があるが、その土器の型式編年等のさらなる議論を行うとともに、各段階のサーフィン土器を採取した。台湾では、精華大学と国立自然科学博物館を訪問し研究打ち合わせを行うとともに、台中周辺の複数の遺跡の土器片のパイロットサンプルの採取を行った。 また本研究では、考古地磁気強度測定に適した土器資料を選定するため、様々な選定法の開発を行っているが、今年度は、高分解能の顕微鏡とこれに連動するレーザー元素分析装置を導入し立ち上げた。顕微鏡による表面観察とレーザー元素分析ヘッドによる化学組成分析を組み合わせることで資料の被熱温度の推定などの研究に進展を見込んでいる。 ベトナム、台湾で採取した試料は、事前に採取していた資料を含め各種の岩石磁気・古地磁気測定やレーザー元素分析ヘッド付き顕微鏡による表面観察と化学組成分析、等々、様々な分析を開始した。
|
| Strategy for Future Research Activity |
ベトナムおよび台湾の資料について、採取済みの考古試料を整理し、強度測定に用いる資料を準備するとともに、さらに現地に赴き、現地の協力者とともに、新規の資料の確保にも努める。 引き続き採取済資料の岩石磁気・古地磁気測定や表面観察、化学組成分析等々を行い、ベトナム、台湾の各遺跡について最適な考古地磁気強度実験の実験手法の検討を進める。それとともに、並行して古地磁気強度の測定実験を進めて、実験手法の検討に適宜フィードバックする。磁気測定としては、カッパブリッジを用いた磁気異方性の測定及び交番磁場勾配磁力計を用いた磁気ヒステリシスの分析を行う。電子線マイクロアナライザーを用いた岩石・鉱物の元素分析を行って磁性鉱物の産状を正確に把握し、磁性鉱物の物性や磁化の安定性を吟味する。X線回折装置を用いて資料の鉱物構成を測定し、資料の被熱温度を推定する。今年度導入した高精度のデジタルマイクロスコープを用い、被熱による資料表面の変化を観察する。変質によって二次的に生じた磁性鉱物を除去するための還元化学消磁に適切な溶液や溶解時間について検討する。これらの吟味を経て厳選された資料に対する考古地磁気強度測定実験は、交流消磁実験を基本として低温消磁を組み合わせた「綱川-ショー法」を適用する。このため九州大学、岡山理科大学、高知大学の保有する6台の全自動段階交流消磁装置付き岩石磁気磁力計(D-SPIN)を使用する。 ベトナムでは得られた考古地磁気強度のデータを標準曲線の「指紋」と比較して、従来の考古学的な年代を検証する。また年代に不確定な要素が多い台湾では、従来の年代を参照しつつ、測定した地磁気強度を「指紋」と比較して、矛盾の無い客観的な編年の構築に寄与する。
|