| Project/Area Number |
24H00153
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
| Allocation Type | Single-year Grants |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Medium-sized Section 8:Sociology and related fields
|
| Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
小井土 彰宏 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (60250396)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 祥美 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 准教授 (10449473)
惠羅 さとみ 法政大学, 社会学部, 准教授 (10535165)
宮川 陽名 岡山大学, 共通教育・グローバル領域, 准教授 (10790610)
園部 裕子 香川大学, 経済学部, 教授 (20452667)
工藤 晴子 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20910037)
小川 玲子 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (30432884)
堀井 里子 国際教養大学, 国際教養学部, 准教授 (30725859)
定松 文 静岡大学, 未来創成本部, 教授 (40282892)
是川 夕 国立社会保障・人口問題研究所, 国際関係部, 部長 (40603626)
平野 恵子 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (50615135)
飯尾 真貴子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 講師 (50906899)
竹中 歩 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (60564680)
上野 貴彦 都留文科大学, 文学部, 講師 (70964899)
鈴木 江理子 国士舘大学, 文学部, 教授 (80534429)
加藤 丈太郎 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (80897596)
|
| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2025)
|
| Budget Amount *help |
¥39,910,000 (Direct Cost: ¥30,700,000、Indirect Cost: ¥9,210,000)
Fiscal Year 2025: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,570,000 (Direct Cost: ¥8,900,000、Indirect Cost: ¥2,670,000)
|
| Keywords | 移民政策 / 外国人労働者 / エスニシティ / 多文化共生 / 在留資格 / 国際移動 / 労働市場 / 技能 / 特定技能 / 技能実習生 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、移民政策を拘束する「短期移民」対「長期移民」という既成の二分法的枠組みを問い直し、世界的に広がりつつある移民受け入れにおける多段階的な「滞在身分」の移行の制度化に着目し、特にそこでの過渡的身分の形成とそのもつ現実の移住者への影響について国際比較の中で考察することにある。その際、研究の具体的焦点として日本における:I.「技能実習生」から「特定技能」への制度転換が生み出す身分の移行、Ⅱ.高学歴層の多様な身分間の移行、Ⅲ.母国の危機的状況の下で強制移住に至った人々の暫定身分からの移行、の3点に焦点を当て、留学生や当事者を積極的に活用したチームを含んだ調査を実施し、多様な実情を解明する。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
第1回研究会で、是川は技能実習生から特定技能制度への移行と、加えて技能実習制度が廃止された後の制度をめぐる議論の中で「育成就労」と呼ばれる新制度形成への意思決定プロセスを分析し、メンバ-全員に制度化過程に作用する利害関係についての構図の理解を進めた。その上で、夏以降は下記のような調査やその準備を進めた。小井土は、バイデン政権による難民受入れ政策の実態を米墨国境のティファナ市及びLA市において調査することで、メキシコ南部国境から多段階的な受け入れ構造の実態を明らかにした。飯尾は25年3月に、メキシコシティ、北東部のモンテレイ市でフィールド調査を実施し、各地域の移民シェルターを訪問し、ホンジュラス出身の移民・難民などを中心に聞き取り調査を行い、特に第2期トランプ政権期における支援活動の状況や移民・難民の社会編入をめぐる状況について聞き取りを行った。小川は、アフガニスタン難民に関しての質問用紙調査を準備する一方、ソウル大学においての在日アフガン難民の調査報告を行い、さらに日韓のこの難民への政策対応の比較のシンポジウムを早稲田大学にて11月に開催した。また、3月には台湾で介護労働の定住化についての報告を実施した。工藤は、トロントのヨーク大学においてカナダの難民政策における民間スポンサーシップの位置づけと役割を中心に調査を実施した。鈴木は、永住権の取り消しという新入管法での規定に関して法律の諸関係者に聞き取りを行うと同時に、浜松市・今治市を誘致・定住支援策について聞き取りのために訪問した。恵羅は国内において、業界組織(2)、仲介組織(2)、企業(3)・外国人労働者(約10)、労働組合/支援組織(3)など多様な対象に聞き取り調査を実施した。小井土は、在岡山の宮川と共同し、岡山県の美作市等で定住性のある労働者受け入れについて自治体、支援団体、企業の聞き取りを実施した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北米における移民身分の多段階的移行については、小井土・飯尾によりバイデン・トランプ第2次政権にかけて、メキシコから米国への移動の多地点での調査を達成し、メキシコが中継国としての性格のみならず、自ら難民受入国や中長期滞在国としての性格を強めることで、米国への一段階という意味と定住地としての位置の両義性を帯びてきていることが解明でき、大きな成果を上げた。一方カナダに関しては、研究休暇年を工藤が利用し、カナダの難民・第三国定住政策を詳細に調査し、特にその中での民間スポンサーの役割に注目し、このルートでの他の身分への移行について考察する手掛かりを得た。また、アフガン難民研究は、当事者の一部を調査者として巻き込みながら、その生活実態の基本的概要を把握することができ、また韓国やイギリスでもその成果が報告されることで比較研究上の関係構築に大きく前進した。国内の技能実習制度から特定技能への転換については、政策担当当局とその専門委員会をめぐる諸関係機関・議員のやり取りを内部観察した政策決定過程の詳細で分析的な情報を共有することが初期にでき、その上で国内移民政策担当者は、建設など重要産業セクターでの異なる滞在身分の移民労働者を調査することで、実際の地域での特定技能Iが急激な増大をする一方、特定技能IIの場合は拡大しつつも一層の要望があるにも関わらず、制度的な整備(資格試験)の遅延によりその拡大が未だに限定されていることが観察され、制度化プロセスの問題点が浮き彫りにできた。各地での共生政策の聞き取りからは、自治体間の格差と一線職員の役割の重要性が明確となった。このような大きな成果を上げたものの、教育部門での定住化対応についてはいまだに調査が緒に就いておらず遅れており、両面をみると全体としてはおおむね順調な進展と評価することが妥当と考える。
|
| Strategy for Future Research Activity |
まず、国際的な移民研究の権威であるC.Joppke教授(ベルン大学)を社会保障・人口問題研究所と共同招聘し、一橋大学で同教授の新自由主義と新しいナショナリズムが連動するという分析枠組みに基づく基調講演を受け、第1年度の研究成果に基づいて日本の移民政策の転換の持つ国際比較の中での意義について発表することで、メンバーとともにこれまでの事実発見の理論的・国際的視点での意義を再考察すると同時に国際発信の機会とする。ここでの討議を踏まえて夏からの実証分析の構想を7月に相互検討する。小井土は第2次トランプ政権の生み出した多様な衝撃的な移民管理・排除策の影響について8月下旬より渡米し2週間程度現地の関連団体と当事者への聞き取りを行う。飯尾は、メキシコでの難民身分の過渡段階としての機能を調査する。堀井は、EUで調和された庇護制度(条約難民、補完的保護、一時的保護)と各加盟国ベース非調和的な庇護制度の全体像を把握し、夏以降、EUの補完的保護と一時的保護の現状を調べる。定松は、インドネシアを中心に介護労働者の特定技能への対応の実情を調査する。小川は、日本のアフガニスタン難民に関して英国研究者との国際比較研究で関東と名古屋でのフィールドワークを実施する。鈴木は、23年の自治体アンケート結果と自治体属性データ等を用いて、どういった要因が自治体の外国人施策に影響を与えるかを分析する。他方、内閣府の地方創生支援制度を活用した自治体の取組みや総務省の地域おこし協力隊の活用状況についての調査を実施する。惠羅は、建設分野を中心に、特定技能外国人の送り出し/受け入れをめぐる多様な主体への国内外における聞き取り調査を実施し、ベトナムなどの送り出し地域の現地調査の実施と検討を行う。加藤と上野は連携しながら、浜松市の調査を出発点に静岡県内における共生のためのマルチレベル・ガバナンスの実態を把握することを目指す。
|