Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
X線回折を用いて化学結合、電子分布、格子振動、欠陥構造を包括的に明らかにできる「量子結晶学」を、多結晶を含む熱電変換材料に適用し、高い電気伝導性と低い熱伝導性という矛盾する特性を両立する構造の詳細を解明する。本研究で得られる電子系と格子系の詳細な情報は、球対称の原子を用いた解析法により得られた従来の結晶構造や、欠陥構造が仮定された結晶構造に基づいて計算された電子構造や格子振動と比較して、実物質の本質を顕在化させる。こうして、得られた知見を物質合成にフィードバックして材料の高性能化を実現する。本研究成果は、機能性物質に対する量子結晶学を基盤とした研究のベンチマークとなり、構造研究を深化させる。