Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
糸状菌は多細胞生物であり、菌糸状に連なる細長い細胞どうしが、隔壁にあいた隔壁孔と呼ばれる小さな穴を介して細胞間連絡を行っている。この細胞間連絡は、動物や植物のような多細胞生物にも共通する性質であり、真核生物のなかでもっとも単純な構造で始原的な細胞間連絡である。本研究では、研究代表者らの大規模局在スクリーニングから発見した、糸状菌の細胞間連絡における23個もの多くの制御因子をもとに、これらが構成する分子ネットワークによる制御メカニズムの解明を目的とする。高等生物に匹敵しうる複雑精巧な糸状菌の細胞間連絡の制御メカニズムを明らかにし、多細胞微生物としての進化で獲得した高度な調節機能の理解を目指す。