Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
微生物との共生は多くの動植物にみられ、生物進化の原動力となってきた。近年の研究から腸内共生細菌が宿主の行動や精神状態にも強く影響することが明らかとなってきた(脳-腸相関)。しかし、多くの動物の腸内細菌叢は数100種の細菌から成る複雑なものであり、腸内細菌が引き起こす行動変化の遺伝的基盤はほとんど解明されていない。本研究では、たった1種類の腸内共生細菌を持つホソヘリカメムシを対象に脳-腸相関の遺伝的基盤の解明に挑む。最近我々は、共生細菌が感染する前のホソヘリカメムシは落ち着きなく徘徊する一方、共生細菌が感染すると摂食に集中することを突きとめた。本研究では、この行動変化の遺伝的基盤を徹底解明する。