| Project/Area Number |
24K00182
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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| Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
長沼 さやか 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (80535568)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤川 美代子 南山大学, 人文学部, 准教授 (10749550)
稲澤 努 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (30632228)
川瀬 由高 江戸川大学, 社会学部, 准教授 (60845543)
西村 一之 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (70328889)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥14,040,000 (Direct Cost: ¥10,800,000、Indirect Cost: ¥3,240,000)
Fiscal Year 2027: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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| Keywords | 台湾東海岸 / 海洋文化資源 / 食 / 観光 / 離島 / 海村 / 地域おこし / グローバリゼーション / 日本 / 想像力 |
| Outline of Research at the Start |
本研究では、琉球諸島と黒潮流域の海洋環境を共有する台湾東海岸において、海を糧に生きる人びとの営みの諸相を人類学的なフィールドワークを通して明らかにする。そして、これらの営みを通して台湾東海岸の人々が、海洋国家としての台湾と日本のつながりをどのように想像しているのか、その想像力が台湾の人々が抱く多元的日本像の形成にいかなる影響を及ぼしているのかについて考察する。これにより、変わりゆく現代の台湾と日本の関係を海の視点から描き出す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
4年計画である本科研プロジェクトの初年度である2024年度は、フィールドワークを通して台湾東海岸における海洋文化資源の利用と消費に関するデータを収集した。 長沼は、サクラエビの水揚げがある宜蘭県の大渓漁港、および宜蘭市のサクラエビ加工工場を訪問し、漁業従事者や加工業者へインタビュー調査を実施した。藤川は、台湾東海岸で海藻の採集、一次加工、流通、寒天製造の歴史に関する調査を実施した。川瀬は、台湾宜蘭県の離島・亀山島を主題とする観光業の状況と地域文化の掘り起こし運動に関する調査を実施した。稲澤は宜蘭県の離島・亀山島から台湾本島への移住した人々が暮らす社区で、廟の祭の参与観察を行ったほか、現地における食文化、とくに魚の生食の状況について調査した。西村は、東海岸を象徴する漁獲物であるカジキの観光領域および信仰領域における住民の認識について調査した。 また、2025年2月28日(金)には宜蘭県立蘭陽博物館において、NPO法人「龜山島社區發展協會」および地域創生に携わる団体「海波浪 seabelongings海村洄站」との共催で、「重新閲讀《龜山島》―― 五十年後,跟著王崧興一起穿越(『亀山島』を読み直す――50年後のいま、あの頃を王崧興とともに振り返る)」と題したシンポジウムを開催した。『亀山島』は1967年に王崧興が著した民族誌で、これを本科研メンバーが日本語に翻訳・解題して2024年5月に『王崧興『亀山島』と漢人社会研究』(風響社)として刊行した。シンポジウムでは、この本の共編訳者である長沼、藤川、川瀬、稲澤、および呉松旆(研究協力者・国立アイヌ民族博物館)が発表し、現代に『亀山島』を読む意義について議論するとともに、離島や海村など海洋文化資源を利用した地域おこしについても有識者らと意見交換した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の初年度にあたる2024年度は、主にフィールドワークを通してデータを収集することを予定していた。研究分担者はいずれも【研究実績の概要】で記した通り、現地調査を実施し、順調に資料収集を進めている。また、研究協力者として本プロジェクトに参加している呉松旆(国立アイヌ民族博物館)も、台湾・花蓮県のクヴァラン族の村落を訪問し、近年における「海祭」の復活と日本との関わりに関する調査データを収集してきた。 さらに、宜蘭県の離島・亀山島を舞台とした民族誌の日本語翻訳・出版をきっかけに、2025年2月28日に蘭陽博物館において開催することとなったシンポジウムでは、現地で漁業や離島などを利用して地域おこしを企画する団体や有識者などに向けて本科研プロジェクトへの協力を呼び掛けることができた。また、これまでも亀山島は宜蘭の人々の故郷のシンボルであったが、日本で文化人類学を研究する私たちが注目したことを通して、その地域資源としての意味付けや重要性が変わりつつあること、そのプロセスに私たち文化人類学者も当事者として関わっていることを再認識するきっかけとなった。さらに、このシンポジウムを通して、東海岸の離島や海村を地域おこしの資源として活用してゆくことについても情報交換する機会となり、本研究プロジェクトを進めてゆく上で非常に有意義な機会となった。以上の経過から、本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる。
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| Strategy for Future Research Activity |
長沼は、サクラエビ漁がおこなわれる宜蘭県の大渓漁港において、サクラエビ漁、資源管理、加工業、流通について現地調査をおこなう。藤川は、台湾東海岸における羊羹・ゼリー製造の歴史と海藻の流通の関係について現地調査を実施する。川瀬は、観光資源・文化資源という観点から宜蘭県の離島・亀山島をめぐる現地の人々の諸実践を調査する。稲澤は、宜蘭県の離島・亀山島から台湾本島への移住した人々が暮らす社区で、廟の祭の参与観察を行いつつ、とくに魚の生食の状況について周囲の社区との差異も視野に入れながら現地調査する。西村は、日本統治期から地域を代表する漁獲物となったカジキ類の利用実態について、主に台東県において臨地調査を行う。また、研究協力者の呉は花蓮県に暮らすクヴァラン族の海洋文化資源の利用について調査する。 また、台湾の漁業や海村を利用した地域おこしに関わる有識者、漁業や海村の生活、漁業史や地域史の研究者と交流をはかり、2027年度に本科研の成果をもとに台湾で開催したいと考える研究会またはワークショップに備える。
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