| Project/Area Number |
24K00701
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 17020:Atmospheric and hydrospheric sciences-related
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| Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
谷田貝 亜紀代 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (60353447)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤田 尚史 弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 教授 (10715478)
山口 悟 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 極端気象災害研究領域雪氷防災研究センター, 上席研究員 (70425510)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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| Keywords | 降水 / 水蒸気 / 山岳降水 / 雲 / エアロゾル / 雪 |
| Outline of Research at the Start |
山岳の雪氷水資源は大変重要であるが,観測が限られるため,その変動要因の解明が遅れている.海外では,大気汚染物質により山岳降水量比が15~25%抑制されるとの報告(Ro仮説)があり議論されているが,確実なことはわかっていない. 本研究は,アジアの越境大気汚染の影響を受ける日本海側の豪雪地帯を対象とし, 山岳降水へのRo抑制量を定量化することを目的とする.そのため,雨雪判別や日々の気流系を踏まえて降水量データを解析することに並行して,水蒸気輸送や降水に含まれる物質の分析を行う.これらにより気象学的変動要素と,大気汚染の効果をわけて評価することで, 山岳降水経年変動過程の理解と水資源予測に貢献する.
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、山岳域における水資源量の変動に影響を及ぼす大気汚染物質の寄与を明らかにし、その定量評価を行うことで、将来の水資源予測や山岳降水量の補正に資する基盤を構築することを目的としている。4年間の計画の初年度にあたる2024年度には、以下の研究を実施した。 まず、日本海側の降水量の定量的な把握と補正に関する解析結果を、雪氷研究大会などで発表した後、国際誌に投稿した。現在は査読コメントに基づく修正作業を進めており、初年度の主要成果のひとつとなっている。これに関連して、風向や気象場との関係を精査するために、領域再解析データ(RRJCONV)および長期再解析データ(ERA5)の整備を行った。これにより、降水量やRo比の長期変動評価に向けた解析基盤を構築した。 観測体制の整備としては、共同研究者とともに新潟県妙高にパーティクルカウンタを設置し、越境大気汚染物質の物理的特性を把握するためのデータ取得を開始した(2024年11月設置、2025年5月に回収予定)。さらに、青森県内では八甲田や深浦における設置準備を進めるとともに、弘前大学キャンパス内において2024年12月より毎週1回の降水サンプリングを開始した。これらの試料については、共同研究者による化学分析と、代表者による安定同位体比分析を実施している。 これらの取り組みにより、降水に含まれる粒子や成分の特性を把握するための観測体制が整いつつあり、今後のモデル検証やRo変化の定量化に向けた重要な基盤が構築された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は全体としておおむね順調に進展している。特に、降水量の定量評価に関する論文を初年度に国際誌に投稿できたことは大きな成果であり、加えてアジア域の水蒸気輸送に関する論文もcorresponding authorとして投稿することができた。これらは2025年度に成果論文として公表される予定である。また、妙高高原における大気エアロゾルサンプラーの設置が計画通り実施され、データ回収の体制も整っていることは、観測の基盤整備として順調な進捗を示している。 一方で、青森県の八甲田へのサンプラー設置については、今冬の大雪により観測点へのアクセスが困難であったこと、さらに環境省からの設置許可取得に時間を要したため、当初予定していた冬季内の設置には至らなかった。ただし、設置を予定するロープウェイ運営会社との調整は完了しており、次の冬には設置が可能となる見込みである。必要な機器はすでに購入済みであり、弘前大学構内において試験的な分析も実施済みである。 さらに、研究の国際的展開に向け、海外協力者の招聘についても2025年9月の来日が予定されており、次年度以降の共同研究体制が整いつつある。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、初年度に整備した観測・解析基盤を活用し、Ro比の長期変動やエアロゾルによる降水量への影響の定量評価を進める。妙高の観測結果の解析、八甲田での観測体制の構築を行い、降水成分・同位体・気象場の統合解析を強化する。領域再解析データを用いた水蒸気輸送経路の解析にも本格的に取り組み、気候場との関連性を探る予定である。 2025年初頭より、WCRPのlighthouse活動GPEXのWG2(降水データベース)のco-chairに任命され、国際会議で世界の第一人者たちと継続的に議論を行っている。この分野における世界的発信の好機と捉え、研究成果を国際誌で公表し、関連する国際会議での発表を通じてプレゼンスを高めたい。 深浦に関しては、2024年度内に弘前大学施設での調査と設置準備を実施したが、2025年3月に当該施設の閉鎖が決定されたため、同施設への設置は不可能となった。今後は、深浦周辺で代替の観測拠点を検討・選定し、継続的な観測体制の構築を目指す。 また、弘前で実施してきた降水・水蒸気の同位体分析を発展させ、日本海の蒸発と他の蒸発源を把握するための実験にも注力する。これについては、防災科学技術研究所および総合地球環境学研究所との共同研究が採択されており、2025年度はこの実験にも注力する。
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