| Project/Area Number |
24K00707
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 17020:Atmospheric and hydrospheric sciences-related
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
望月 崇 九州大学, 理学研究院, 准教授 (00450776)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今田 由紀子 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (50582855)
宮川 知己 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80584979)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2027: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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| Keywords | 顕著気象現象 / 熱帯気候 / 中長期変調 / 北太平洋高気圧 / インド洋海盆昇温 / 地球温暖化 / 気候予測 |
| Outline of Research at the Start |
日本付近の天候、とりわけ梅雨期から夏季の九州地方の顕著現象(例えば、豪雨)には、その特性(頻度や強度)に数年から十年規模の中長期変調がみられる。エルニーニョ現象やしばしばそれに続くインド洋の昇温傾向といった熱帯の気候状態に加えて、それに伴う大気中の波動伝播や水蒸気輸送といったリモートな影響経路、いわば顕著現象と熱帯の卓越気候変動の結びつきに注目しながら、数値モデルを活用してその変調要因を解き明かす。
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| Outline of Annual Research Achievements |
日本付近の天候、とりわけ梅雨期から夏季の九州地方の顕著現象(例えば、豪雨)には、その特性(頻度や強度)に数年から十年規模の中長期変調がみられる。本研究課題では、エルニーニョ現象やしばしばそれに続くインド洋の昇温傾向といった熱帯の気候状態に加えて、それに伴う大気中の波動伝播や水蒸気輸送といったリモートな影響経路、いわば顕著現象と熱帯の卓越気候変動の結びつきに注目しながら、数値モデルを活用してその変調要因を解き明かすことを目指している。 今年度は、高解像度大気モデルによる大規模アンサンブルデータを用いて、夏季九州の豪雨統計量の年々変動と大規模気候変動場との関係性について詳細な解析をおこなった。豪雨統計量として夏季九州の日降水量のtop1%値とtop10%値を定義して、これら極端降水量ポテンシャルの年々変動はそれぞれ異なるグローバル気候変動と繋がっていることを示した。top10%値には北西太平洋の亜熱帯高気圧変動に伴う大規模な水蒸気輸送変動が密接に関係していた。これはエルニーニョ現象に続くインド洋海盆昇温とともに生じることが多いことが指摘されてきたが、特にその季節進行や付随する太平洋水温変動パターンに顕著な十年規模変調がみられた。一方でtop1%変動には熱帯低気圧活動が重要な役割を果たしていた。熱帯低気圧の強度や存在密度の変化は主に熱帯太平洋の海面水温に起因しており、エルニーニョの多様性とともに変調傾向を示した。これらの成果は国際学会で公表するとともに、査読付き投稿論文として公表した。特に、top10%値にまつわる成果は本研究課題の主題に深く関わるものであり、季節進行や付随する太平洋水温変動に特徴づけられる変調メカニズムに迫ることは今後の研究におけるひとつのポイントとしてとらえることができる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、大規模な気候変動と日本付近の顕著現象の変調傾向の関係性について、とりわけ結びつきにおける中長期変調メカニズムを解明するために、顕著現象のより精緻な変調傾向を捉え、背景となる多様な大規模気候場との関係から変調プロセスを明らかにすることを目指している。 まずは、日本付近の顕著現象(特に夏季九州における顕著な降水)について、観測・再解析データにおける変調、および発生・強度の確率分布における変調傾向をとらえ、関係する大規模な気候変動との対応関係について的確に把握した。成果は国際学会で発表するとともに、査読付き投稿論文として公表した。大規模な気候変動は観測データ・再解析データを活用して、顕著現象の統計的性質や確率密度分布の同定には大規模アンサンブルデータセットを活用して、観測される水温分布に対応する顕著現象の変調傾向をより精緻に捉えた。エルニーニョ現象にしばしば続くインド洋昇温傾向の出現によって夏季九州での豪雨変動が制御されているという点においては、これまでの研究成果と整合的であった。それに加えて、十年規模の変調傾向を特徴づけるものとして、季節進行と付随する熱帯太平洋の水温変動という点を見出し、今後の研究の方向性を定めた。 これと並行して、地球温暖化予測シミュレーション結果を境界条件にする領域気象モデルのアンサンブルシミュレーションについて、各種実験設定の試行錯誤をおこない一連の数値シミュレーション実施に着手した。次年度以降におこなうシミュレーションデータ整備や解析の準備が整った。
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| Strategy for Future Research Activity |
引き続き、エルニーニョ現象にしばしば続くインド洋昇温傾向の出現によって概ね制御されている夏季九州での豪雨変動に注目して、その十年規模の変調メカニズムに対して、季節進行と付随する熱帯太平洋の水温変動という視点からアプローチする。 まずは、背景場となる気候状態として、近年は長期的な地球温暖化傾向と気候システムの内部変動としての十年規模変動が混在しているため、水温偏差分布などの観点からそれら要因の切り分けを試みる。さらに、これまでのデータ解析とともに、地球温暖化予測シミュレーション結果を境界条件にする領域気象モデルのアンサンブルシミュレーションの実施、データの整備と解析をおこなう。気候システムとして整合性のある様々な揺らぎのなかで、熱帯の卓越気候変動から日本付近の顕著現象への影響、特に揺らぎを背景場として両者の結びつきの変調要因を明らかにする。モデル出力に対する統計解析により、ここでも変調に対する地球温暖化傾向と気候システムに内在する変動の寄与を切り分けて、顕著現象の変調の物理プロセスを解き明かす。 観測データよりもサンプルの豊富さを活かしたシミュレーションデータ解析による要因分析とともに、その前提となる地球温暖化予測シミュレーションのアンサンブルにおけるインド洋ー太平洋の大規模気候変動と北西太平洋気候場に対しての検証解析も継続する。成果は、国内外の学会や研究集会などで発表するとともに、投稿論文としてまとめる。
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