| Project/Area Number |
24K00837
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 卓見 九州大学, 工学研究院, 教授 (40274485)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 博輝 九州大学, 工学研究院, 准教授 (50451737)
劉 孝宏 大分大学, 理工学部, 教授 (60230877)
中江 貴志 大分大学, 理工学部, 准教授 (80579730)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,700,000 (Direct Cost: ¥9,000,000、Indirect Cost: ¥2,700,000)
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| Keywords | 自動同調 / 共振 / 振動発電 / 受動型制御 / 非線形振動 |
| Outline of Research at the Start |
自然界に不可避的に発生する振動を利用した振動発電には,加振振動数が振動子の固有振動数から離れると急激に振動振幅が減少し発電効率が低下する問題がある.申請者らは,完全受動型で振動特性が変化し加振振動数に自動的に共振が同調する機構を提案することで,高効率の振動発電を実現する足掛かりを築いた.ただし,現状では自動共振同調が安定して再現されない問題がある.本研究は,実験,解析を通じ,様々な条件に対して安定した自動共振同調を実現する設計法を確立し,当該技術を用いた振動発電装置の実現を目指す.
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| Outline of Annual Research Achievements |
自然界に不可避的に発生する振動を利用した振動発電は,機械装置やインフラ設備のモニタリングなどスマートシステムの個別電源としての利用が多い.一方で,加振振動数が振動子の固有振動数から離れると急激に振動振幅が減少し発電効率が低下する.本研究は,申請者が提案した完全受動型で振動特性が変化し加振振動数に自動的に共振が同調する機構について,実験,理論解析,数値解析を通じ,様々な条件に対して安定した自動共振同調を実現する設計法を確立するとともに,当該技術を振動発電装置へ応用することを目的としている. 本研究で提案している装置の主要要素は,曲げとねじり振動が生じる板状振動体であり,振動体が振動方向に対して垂直にも動いて板の長さが変化し,加振振動数に追従するように固有振動数が変化する特徴を持つ.鉛直方向振動のオーダーは水平方向運動よりかなり大きいため,数値計算ではまず鉛直方向振動を計算し,これにより生じる水平方向への非線形連成項から得られる慣性力を加振力として,その後水平方向の運動を別計算する簡便な数値計算を実現した.この数値計算により当初の装置については自動共振同調現象を再現できたが,設計変更した装置に対しては再現できない問題が生じた.様々な検討の結果,原因は鉛直,水平方向の同期(連成)が不十分であることが明らかになった.そこで,剛性行列内に非線形連成項が生じる形の運動方程式を新たに導出し,鉛直方向振動と水平方向運動を同時に計算する方法に変更した.数値計算による検証によって鉛直方向振動,水平方向運動が同期して強く連成する様子を確認した.詳細な計算は今後の研究で実施する.より現実に近い現象が再現され,同調の原理と設計法の確立に貢献すると考える.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で提案している自動共振同調装置の主要要素である板状振動体は,鉛直方向の振動に加え,それに対して垂直な水平方向にも動いて板の長さが変化し,加振振動数に追従するように固有振動数が変化する.鉛直方向振動のオーダーは水平方向運動よりかなり大きいため,これまでの解析はまず鉛直方向振動を計算し,これにより生じる水平方向への非線形連成項から生じる慣性力を加振力として水平方向振動を別計算していた.鉛直方向と水平方向の運動の連成度が大きくない方法であったが,当初の実験装置では現象を再現できていた.一方で,実験および計算から板状振動体の根元のクリアランスが装置の性能に大きく影響していることが判明し,このクリアランスを調整しやすい装置を新たに製作したところ数値計算による実験の再現度が低下した.この原因を探るため,新たに導入したモーションキャプチャーによる実験装置の動作解析と数値計算を比較した.その結果,数値計算では鉛直,水平方向の同期(連成)が実験と比較して不十分であることが明らかになった.そこで,モデル化を大きく見直し,鉛直方向振動に伴うねじれと水平方向運動の連成を新たに考慮した解析モデルを提案した.これにより,剛性行列内に鉛直方向振動と水平方向運動を直接連成させる非線形項が設定され,以前より強い連成が数値計算で実現できた.また,水平方向の運動方程式についても剛体回転の要素を明確に表現できるようパラメータを改良した.数値計算結果は,変更した実験装置に対するモーションキャプチャーの解析結果を定性的に再現しており,以前の計算方法より正確な数値解析が実現できることを確認した.この数値計算を通じて自動共振同調に影響を与えるパラメータを抽出し,最適設計法へつなげることができる.順調に推移していると評価する.
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| Strategy for Future Research Activity |
現状,自動共振同調を実現する装置作成は試行錯誤と経験に頼らざるを得ず,有効な設計指針が確立できていない.多くの試行を実験装置で実施することは不可能である.そこで,新たなモデル化により修正した数値計算を積極的に用いて自動共振同調装置作成のための効果的な設計指針を構築し,その後に振動発電への応用を図っていく. (1)設計指針の構築:これまでの研究から,板状振動体の根元のクリアランスが装置の性能に大きく影響していることが判明し,このクリアランスを調整しやすい装置を新たに製作した.昨年度の実験から,自動共振同調を安定的に実現する装置の寸法やセッティング方法が経験的にわかってきた.今年度は新たなモデル化に基づいた数値計算プログラムを用いて様々な数値計算を行い,自動共振同調現象の理論的本質を見出すとともに,重要な設計変数となる無次元変数等を定義できるよう測定データを積み上げていく. 一方,振動体の水平方向運動が共振状態を通過し共振を保持できないことがある.共振を確実かつ振幅が大きい共振鋒上部で保持できる設計指針を構築したい.これには振動体の水平右向きと水平左向きの運動に関する仕事量の収支がつり合う同期化理論の援用を考える.安定かつ大振幅の自動共振同調が実現できるように設計指針を発展させる. (2)振動発電への応用:装置の板状振動体を振動発電の振動子として強制振動に対する適用を図る.発電素子にはよく用いられる磁歪式や電磁誘導式を利用し発電効果を検証する.この類の発電素子には速度に比例した抵抗力が生じ減衰と同様の効果が現れる.現状では減衰が自動共振同調現象に与える影響を考慮できていないため,この影響も取り込んだ自動共振同調現象の理論を構築しつつ,安定な共振同調と高効率の振動発電両者の実現を目指す.
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