| Project/Area Number |
24K01498
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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| Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴木 孝義 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (80249953)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 了爾 金沢大学, GS教育系, 准教授 (60756667)
砂月 幸成 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 准教授 (80362987)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2027: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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| Keywords | 自然分晶 / 三脚状配位子 / ランタノイド錯体 / キラル対称性の創出 / 単分子磁石 |
| Outline of Research at the Start |
光学活性物質の起源や自然界におけるホモキラリティの発現は、現代科学の重要な未解決問題のひとつである。これまでに、不斉要素を持たない有機配位子と遷移金属およびランタノイド塩の組み合わせにより生成するキラルな金属錯体が結晶化する際、単一のエナンチオ結晶のみを選択的に生成する極めて珍しい絶対自然分晶を発見した。この現象はキラル対称性の創出とも言える現象である。本研究では、この特異な結晶化挙動の発現要因を実験的に解明するとともに、絶対自然分晶により得られたエナンチオ結晶を起源とするキラリティ伝播を用いて、キラル磁性や円偏光発光特性などの有用キラル物性を有する化合物群の創生を目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、不斉要素を持たない有機配位子と遷移金属およびランタノイド塩の組み合わせにより生成するキラルな金属錯体が、結晶化する際に単一のエナンチオ結晶のみを選択的に生成する極めて稀な現象である絶対自然分晶を実験的に確立し、その発現機構を解明するとともに、得られたエナンチオ結晶を不斉源とするキラリティ伝播を用いて、キラル磁性体や円偏光発光材料などの新たな高機能性キラル物質の創成を目的としている。 本年度の研究では、種々の遷移金属イオンおよびランタノイドイオンを用い、絶対自然分晶発現の検証を行うとともに、単分子磁石挙動が予想されるCoTbCo錯体のエナンチオ選択的な結晶化法の検討を試みた。特に、これまで扱っていなかったランタノイドイオンであるツリウム(III)を用い、ZnTmZn錯体における絶対自然分晶の発現を調査した。ここでは、これまで絶対自然分晶発現の条件と想定していた4f電子数の偶奇性を覆す結果が示されており、確定的な結論を得るにはもう少し検証を重ねる必要がある。一方、キラルな単分子磁石のエナンチオ選択的生成が可能と予想されるCoTbCo錯体について、これまでと同様の再結晶法やZnTbZn錯体を種結晶として用いる優先晶出法では、期待した析出結晶のエナンチオ選択性が得られないことがわかった。その要因はCoTbCo錯体の溶解度がZnTbZn錯体よりも低いことが原因であるためと結論でき、故にこの錯体については新たな再結晶法の開拓が必要となった。 さらに、新たに絶対自然分晶を示す候補化合物の探索として、シクロヘキサン環を骨格にもつ三脚状配位子を用い、その遷移金属単核錯体およびランタノイドイオンとの三核錯体の合成を試みた。このうち、新たに合成したコバルト(II)単核錯体では、目的とする単分子磁石挙動が発現していることを交流磁化率の測定から確認することができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の補助事業期間では、絶対自然分晶の発現機構の解明に向けた実験研究を継続するとともに、結晶表面でのキラル伝播を活用して、絶対自然分晶を利用したキラル単分子磁石の立体選択的な合成や、円偏光発光特性など有用なキラル物性を有する物質の開拓を順次行うこととしている。また、絶対自然分晶を示す新たな物質群を探索するため、様々な三脚状有機配位子と遷移金属およびランタノイドイオンから生成する単核および多核錯体について、その結晶化挙動と諸物性を詳細に調査するとしている。 事業初年度は、絶対自然分晶の発現機構の解明に向けた実験として、新たにツリウム(III)イオンを含むZnTmZn錯体を合成し結晶化挙動の詳細な調査をしている。最終的な結論を得るには更に実験を重ねる必要があるが、これまでの仮説を覆す可能性のある結果を得ており、研究としては大きな進捗があったと言える。 一方、キラルな単分子磁石の創成を目指すCoTbCo錯体結晶の立体選択的な析出については、結晶化の方法を検討したり、ZnTbZn錯体の種結晶を用いるなど種々検討したが、いずれの方法も目的の結晶を選択的に得るには至っていない。しかし、その原因は明らかにできたため、今後は結晶化溶媒や対イオンの選択変更などにより、類似物質を用いた可能性の探索を試みることとしている。 また、新たな物質群の開拓に関しては、シクロヘキサン環骨格をもつ類似の三脚状配位子を用いることにより、単分子磁石挙動を示す新たなコバルト(II)単核錯体の合成に成功した。さらに、このシクロヘキサン誘導体を用いて、新たなキラル単分子磁石の候補として有力と考えられるZnTbZn三核錯体の合成にも挑戦している。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究も当初の計画通り、絶対自然分晶の発現機構の解明、キラル単分子磁石の立体選択的な合成、有用なキラル物性を有する物質の開拓を中心に進める。 絶対自然分晶の発現機構の解明に関しては、様々な遷移金属イオンとランタノイドイオンの組合せについて丁寧に検証を重ねる。特に、これまで詳しい研究に着手していない鉄(II)イオンについて、一連のランタノイドイオンを含むFeLnFe三核錯体を合成し、その結晶化挙動を詳細に調査する。また、新たな物性の発現、特に有効な円偏光発光材料の創出を期待して、遷移金属(II)イオンの代わりにアルカリ土類金属イオンを用いた三核錯体の合成を試みる。 キラル単分子磁石の選択的合成に関しては、新たに開発したシクロヘキサン誘導体の配位子を用いて、絶対自然分晶の可能性を探索する。単分子挙動を示したコバルト(II)単核錯体は、キラリティを示さない三角柱型配位構造であった。しかし、この単核錯体とランタノイドイオンから組み上がる三核錯体の場合、ランタノイドイオンまわりにキラリティが発現すると予想される。この仮説をもとに、生成する錯体およびその結晶の絶対構造を確認し、キラル単分子磁石の立体選択的な創出を目指す。 さらに、新たな有用キラル物質の開拓を進めるにあたり、遷移金属イオンまわりにより大きなねじれを生じる配位子、例えばトリエチルアミンやトリエチルホスフィンオキシドを骨格部位にもつ三脚状シッフ塩基を用いて、類似の三核錯体を合成し、その物性と結晶化挙動の調査を継続して行う。 これらの研究データを蓄積することにより、絶対自然分晶が発現するための条件を確立できるよう研究を継続する。
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