| Project/Area Number |
24K01703
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古屋 茂樹 九州大学, 農学研究院, 教授 (00222274)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 桃子 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (40717336)
高堂 裕平 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 主幹研究員 (60593564)
甲田 優太 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90759325)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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| Keywords | セリン合成不全 / 認知症モデル / ナノ粒子 / 脳機能イメージング / アミノ酸合成不全疾患 / セリン |
| Outline of Research at the Start |
本研究では、アミノ酸L-セリンが脳内代謝恒常性制御の中核分子として認知機能の維持に必須の代謝物であることの検証と関与機序を解明する。さらにその機能性を高度に活用する新規なL-セリン誘導体の脳変性疾患への保護作用の評価から、認知症への脆弱性を予防可能な食品素材創成への科学的根拠の確立を目的としている。その目的達成に向け、脳内L-セリン合成能変異を導入した2種の認知症モデルの行動、脳機能イメージング、分子発現解析、ならびにそれらモデルへのナノ粒子化L-セリンの保護作用の検証から、脳内L-セリン維持による認知症リスク低減を実証し、関与分子機構を階層横断的な手法により、統合的に解明することを目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2024年度は以下の成果を得た。 1)L-セリン合成不全疾患モデルである脳特異的Phgdh KO(BKO)マウス脳の遺伝子発現解析から、若齢で統合ストレス経路(ISR)の活性化が惹起され、その後加齢に伴いエネルギー代謝の減弱および神経炎症が顕著に誘発されていることを見いだした。類似の変化が、Phgdh-KOマウス胚性線維芽細胞においてもL-セリン欠乏により誘発され、特に解糖系の活性低下が顕著であることを見いだした。その分子機序解析から、ISRを媒介する転写因子が解糖系制御因子の発現抑制に寄与し、BKOマウスの大脳皮質や海馬でも類似機序が関与する可能性が強く推定された。 2) MR spectroscopy (MRS) は生きている個体の脳部位における微量の代謝物質を測定可能な技術である。BKO マウスについてMRS測定の条件設定と予備的な測定を開始し、生後3ヶ月でL-セリン代謝に連結する含硫アミノ酸含量が顕著に変化していることを見いだした。 3)本課題では、L-セリンを重合させナノ粒子化した誘導体による、安定的な体内供給による中枢機能への効果を検証するが、申請前に開発した合成条件ではナノ粒子の結晶が不安定であり回収量が低かった。そのため合成法を再検討し、酪酸化を介して安定してポリマーを得ることが可能となり、大量合成に適した合成法を完成させた。 4)生物情報学的手法を用い、BKOマウス脳の遺伝子発現異常を正常化させる新規治療標的タンパク質をin silicoで予測し、候補分子を同定した。その候補分子はケモカイン受容体であり、炎症反応を媒介する。これまでに複数の神経変性疾患において発現変化が報告されていることから、脳内L-セリン欠乏は神経変性疾患に類似した神経炎症反応を惹起することが明らかとなった。本成果は日本薬学会第145年会で優秀口頭発表賞を受賞した(吉本ら)。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳特異的Phgdh KO(BKO)マウスを自家交配で作製しているため、解析に必要な種々の週齢のBKOおよび同腹対照群マウスの作出に時間を要した。さらに本計画では、Phgdh遺伝子欠損をAPP-KIマウスに導入し、新規遺伝子改変マウスを作製する予定であるが、そのためのAPP-KIマウスの自家交配によるコロニー形成が遅延している。また、L-セリンナノ粒子の合成について、申請時の当初合成法に問題があることが判明し、その最適化に時間を要した。
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| Strategy for Future Research Activity |
2025年度以降の実施項目として、以下を予定している。 1)BKOマウスの加齢に伴う脳内代謝物動態および脳構造形態変化を、MRS、MRI、超偏極MRI/MRSを用いて明らかにする。2)L-セリンナノ粒子のBKOマウスへのin vivo慢性投与条件を設定し、その効果について、脳内アミノ酸、遺伝子発現、行動レベルで解析を行う。必要に応じてMRS、MRI、超偏極MRI/MRSも用いる。3)Phgdh欠損変異を導入したAPP-KIマウス(Gfap-Cre/Phgdh flox/flox:APP-KI)を作製し、APP-KI変異に加えて脳内L-セリンが欠乏することで、高次行動障害の発生、および分子発現が、変化するかを解析する。4)APP- KIおよびGfap-Cre/Phgdh flox/flox:APP-KIマウスへL-セリンナノ粒子をin vivo慢性投与し、高次行動障害生、および分子発現変化へ改善効果を示すか、検討を行う。5)BKOマウス、APP- KIおよびGfap-Cre/Phgdh flox/flox:APP-KIマウスへのL-セリンナノ粒子投与による脳高次機能への作用に係る分子機序について、生物情報学的手法から関与するシグナルネットワークと鍵分子の同定を試みる。 上記5項目に加え、2024年度に得られた研究成果を原著論文に取りまとめる。
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