| Project/Area Number |
24K01875
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 41040:Agricultural environmental engineering and agricultural information engineering-related
|
| Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
粉川 美踏 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (10732539)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 豊 筑波大学, 生命環境系, 教授 (20246672)
小林 幹佳 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (20400179)
前田 竜郎 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 教授 (50848265)
杉本 卓也 筑波大学, 生命環境系, 助教 (70899509)
|
| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
| Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2026: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
|
| Keywords | スパイス / 乳化 / 香気成分 / 湿式粉砕 / エマルジョン / 懸濁液 |
| Outline of Research at the Start |
食品中の香気成分の放出を制御する手段として、乳化をはじめとするカプセル化手法が効果的であることが知られている。申請者らはスパイスを水と共に湿式微粉砕する過程で、非常に安定的なペーストが形成されることを見出した。ペースト中では香気成分を含む疎水性成分が油滴として水相に分散することで、香気成分の放出を抑制していること、またスパイス由来の固形分がペーストの安定性に貢献していることが示唆されている。本研究では、このようなスパイスペーストの安定性を担う機構の解明、安定性を制御する条件の検討、さらにペーストの安定性と香気成分の放出挙動の関係を明らかにし、香気成分の保持・放出を制御する技術を開発する。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
食品中の香気成分の放出を制御する手段として、乳化をはじめとするカプセル化手法が効果的であることが知られている。スパイスを水と共に湿式微粉砕する過程で、非常に安定的なペースト(乳濁・懸濁液)が形成されることが見出されたことを受け、本研究では、このようなスパイスペーストの安定性を担う機構の解明、安定性を制御する条件の検討、さらにペーストの安定性と香気成分の放出挙動の関係を明らかにし、香気成分の保持・放出を制御する技術に資することを目的とした。
まず、スパイスペーストのような水-油-固形分 の混合分散系の安定性に関わる化学的要因を解明することを目的に、スパイスに含まれる多糖類・タンパク質等の乳化成分の単離を試みた。植物体に含まれる乳化成分は、多糖類とタンパク質に大別されるが、タンパク質の中でも種子貯蔵タンパク(Seed Storage Proteins, SSP)に乳化能をもつものが多いことが近年明らかになっており、スパイス種子の乳化にもこれらのタンパク質が関わっていることが考えられる。そこで、分画によりこれらのタンパクを単離し、乳化能を確かめた。タンパク質は脂質を取り除いた粉末からリン酸緩衝液を用いて抽出するか、ペーストから中性pHのHEPES緩衝液を用いて直接抽出した。
加えて、スパイスペーストや抽出液からの香気成分放出特性を調べるため、主に溶媒の影響について詳細に探索した。特にシナモンを対象とし、湿式粉砕を用いた抽出法によって得られる香気成分(主にシンナムアルデヒド)の放出を調べた。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
石臼によって起こる乳化作用が香気成分抽出量へ与える影響、および粉砕粒度が目的成分抽出に与える影響を検証するため、石臼によるスパイスの粉砕と抽出、従来法である浸軟法で抽出液を調製し、それぞれにおいてシナモンの特徴的な香気成分であるシンナムアルデヒド含有量をGC/MSによる定量分析で比較した。溶媒には純水、70%エタノールを用いた。なお、シナモンの特徴的な香りを成すシンナムアルデヒドをはじめとする香気成分の多くは疎水性であるが、石臼による粉砕では乳化が発生し、それにより香気成分が水中へと保持されることが期待されるため、抽出溶媒は純水も含めて検討した。結果は、粒度分布測定により浸軟法でのカッターミルによる粉砕におけるメジアン径は約100μmだったのに対し、SMEにおけるメジアン径は約50μmだった。一方で、抽出液の回収率の平均は浸軟法ではどちらの溶媒も75~80%程度だったのに対し、石臼粉砕では両溶媒ともに約60%であり、70%エタノールにおいては低いときで約50%であった。また、シンナムアルデヒド抽出量は石臼粉砕および浸軟法で大きな抽出量の差はみられなかった。したがって、粉砕方法における粒子径の大きさは抽出効率にはあまり影響を与えず、また純水を溶媒としたときに石臼粉砕で発生する乳化も、水中への香気成分の保持には寄与しないことが分かった。 次に溶媒のエタノール濃度を0%、30%、50%、70%、100%と設定し、それぞれにおける石臼粉砕での香気成分抽出量を比較した。GC/MSにより検出された化合物は、0~50%では主にシンナムアルデヒド、クマリン、o-メトキシシンナムアルデヒドの3成分だったが、70%および100%では9~12種類の化合物が検出された。
|
| Strategy for Future Research Activity |
次年度は、スパイスペーストの安定性に関わる物理的要因(固形分の比表面積、固体表面の帯電状態と塩濃度の関係、粘度)を明らかにする。スパイスペーストは、水相に油滴と固形分が分散している水-油-固形分 の混合分散系である。このようなスパイスペーストの安定化に対して、固形分は二通りの方法で寄与していると考えられる。固体粒子自体が、表面の帯電により水中に安定して分散しており、その固体粒子の移動性の乏しさにより油滴の凝集が抑制されている場合と、微粒子が水・油界面に吸着することで、ピッカリングエマルションとして安定性を保っている場合が考えられる。以上のメカニズムを明らかにするため、詳細な粒度分布計測(微粒子の存在の確認)を行うとともに、塩濃度やpHを変えることで粒子表面の帯電状態を変え、凝集分散を調べる。またその際にレオロジーとの関係を明らかにする。 スパイスペーストの安定性に関わる化学的・物理的要因を踏まえ、加熱や塩・酸の添加による安定性低下と香りの放出挙動の関係を明らかにする。加熱や塩・酸添加等の操作に伴い、スパイスペーストから放出される香気成分量をSPMEファイバ等で経時的に捕集後、ガスクロマトグラフィーを用いて定量する。食品の設計において、急速な香気成分放出が望ましい場合もあり、加熱や塩・酸の添加といったトリガーにより意図して引き起こすことができれば、より豊かな食経験につながる食品の設計が実現できると考えられる。
|