| Project/Area Number |
24K02288
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 49060:Virology-related
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| Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高松 由基 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (00750407)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 太 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (20253693)
鍋島 武 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30546859)
川崎 拓実 長崎大学, 高度感染症研究センター, 准教授 (60584414)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2026: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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| Keywords | PBMC / デング熱 / T細胞免疫応答 / 次世代シークエンス / トランスクリプトーム / シングルセルRNAシークエンス / 重症化機構 / NGS |
| Outline of Research at the Start |
デングウイルス(DENV)は4つの血清型があり、特定の血清型のDENVに感染し免疫を獲得しても、他の3つの血清型に感染する可能性がある。ワクチンの有効率は60%程度と不十分であり、DENV患者における免疫応答を理解し、重症化機構を解明することは国際公衆衛生上の喫緊の課題と言える。申請者が所属する長崎大学は、ベトナム国に研究拠点を有し、重症度が異なるデング熱患者の臨床検体の解析を迅速に行える環境が整っている。そこでベトナムで入手したPBMC検体にDENVを実験室感染させ、T細胞免疫応答の違いを解析する。本研究によりデング熱重症化と末梢血におけるT細胞免疫応答の相関を解明することを目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
蚊媒介性ウイルス疾患であるデング熱は世界人口の約半数である40億人に感染リスクがあり、特に熱帯・亜熱帯地域における非常に重要な公衆衛生課題である。デング熱の重症化にはウイルス因子及び、サイトカインストームを誘導するT細胞免疫応答が関与すると考えられるが、動物感染モデルが確立されておらず、そのメカニズムはよくわかっていない。 デングウイルス(DENV)は4つの血清型があり、特定の血清型のDENVに感染し免疫を獲得しても、他の3つの血清型に感染する可能性がある。ワクチンの有効率は60%程度と不十分であり、DENV患者における免疫応答を理解し、重症化機構を解明することは国際公衆衛生上の喫緊の課題と言える。申請者が所属する熱帯医学研究所は、ベトナム国に研究拠点を有し、東南アジア地域におけるデング熱の分子疫学研究を先導してきた。したがって、重症度が異なるデング熱患者の臨床検体(血清、末梢血単核細胞PBMCなど)の解析を迅速に行える環境が整っている。本研究では、ベトナムから得られた種々の患者PBMCにDENVを実験室感染させ、T細胞免疫応答の違いを解析する。本研究により末梢血におけるデング熱重症化とT細胞免疫応答の相関を解明し、効果的なワクチン戦略の構築に貢献することを目指す。 初年度である本年は、二つのプロジェクトをメインに進めた。一つは、実際に当研究室で既感染者のPBMCにDENVを感染させてシングルセルRNAシークエンスに供した。その結果、DENVに対する末梢血の免疫応答には、血清型の違いのほかに、個人間の差異が非常に大きい可能性が示唆された。現在、B細胞とT細胞に着目してその免疫応答の違いを解析中である。もう一つは、血管内皮細胞で血管透過性を亢進させる液性因子の同定を目的に、ウイルスおよび患者血清で血管内皮細胞を処理して、網羅的な遺伝子解析(トランスクリプトーム)を行なった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デング熱の特徴として、異なる4つの血清型により複数回の感染が成立すること、及び2回目以降の感染で重症化しやすい可能性があることが挙げられる。そこでデング熱患者のPBMC検体を用いてDENV感染実験を行うことで、末梢血における面英気応答(B細胞およびT細胞)と重症化との相関解析を進めている。本年度は、既感染者のPBMCを用いて実際にDENV感染実験を行い、前回の血清型と新規の血清型の感染により、どのような免疫応答の違いが出るか比較解析を進めた。予算の問題で検体数は限られているものの、大変興味深い知見が得られた。すなわち、同じ血清型に感染した患者間でも、既感染血清型および新規血清型において、免疫応答において大きな違いを認めた例があった。In vitroの実験系で既存抗体が今回の感染に与える効果はほぼ同等であったこと、パスウェイ解析によりT細胞が関わる経路の関与が示唆されたことから、この免疫応答の違いにはT細胞が深く関わっていると考えられる。この事象の原因となる宿主側因子の解析を進めるとともに、再現性の確認を進めている。 重症デング熱では、血管透過性が亢進し、ショックや多臓器不全を生じることで死につながることがわかっている。そこでヒト血管内皮細胞モデルを用いて、血管透過性を変化させる要因の解析を進めた。具体的には各種DENV、健常者血清、重症度が異なる患者血清を血管内皮に加えることで、血管透過性が変化することをin vitroの実験系で解析した。さらにトランスクリプトーム解析を行い、重症デング熱患者の血清処理時に特徴的に認める一群の遺伝子を同定した。その遺伝子はウイルス感染時には認めなかったものなので、患者血清に含まれる液性因子により誘導されたことが示唆された。現在、同定した宿主因子を制御することで、血管透過性がどのように変化するか解析を進めている。
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| Strategy for Future Research Activity |
末梢血におけるDENVに対する免疫応答メカニズムを解明するために、5つのプロセスで研究を進める。①ヒト細胞を用いた抗体依存性免疫応答評価系の構築、②ヒト血管内皮細胞で血管壁の透過性を制御する液性因子の同定、③ヒトPBMCを用いてDENV感染が免疫応答を惹起するメカニズムの解明、④ ウイルス側因子の解明:②で同定される因子の相関および、③で同定される重要因子がウイルスタンパク質とどう関連するのか、それぞれ解明を進める、⑤ ①~④を統合し、生体内反応を解明するためのin vivoモデルへの応用を目指す。 ①は、これまで用いられていたハムスター腎細胞から、ヒト培養細胞への応用を目指し、レンチウイルスを用いて遺伝子改変細胞を構築する方針である。FcgR2a, FcgR3aのそれぞれを携行タンパク標識または薬剤耐性遺伝子導入することで、それぞれセレクションを進める。②③はすでに複数回の実験を施行しており、その解析を進めるとともに、再現性の確認を進めている。さらに免疫状態が異なる患者(感染後早期と感染後長期間経過した例)間で、どのような免疫応答の違いが見られるか、ベトナムの連携病院でサンプリングを進める予定である。④を評価するためのウイルス様粒子の確立は完了しており(Balingit, et al. Under Review)、宿主側因子・経路が決まり次第、ウイルス側の組換えを進めて、原因となるウイルス因子を同定したい。⑤は共同研究者の川﨑先生と共同し、マウスモデルの構築を目指す。具体的にはヒト化マウスを用いる、部分的免疫不全マウスを用いることを検討している。
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