| Project/Area Number |
24K02319
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
|
| Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
村上 善則 日本医科大学, 先端医学研究所, 特命教授 (30182108)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 優 日本医科大学, 先端医学研究所, プロジェクト助教 (20938930)
松原 大祐 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80415554)
|
| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
| Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
|
| Keywords | IgSF / 分子間結合 / 小細胞肺がん / 抗体・薬物複合体 / 免疫チェックポイント / NK細胞 / ゲノム網羅的多型解析 / 分子標的薬耐性 / 免疫グロブリンスーパーファミリータンパク質 / がん転移 |
| Outline of Research at the Start |
申請者らはIgSF細胞接着分子の構造、機能、接着に関わる細胞の多様性と特異性、増殖因子経路への干渉を示してきた。また、大量のヒト試料のゲノム網羅的関連解析や変異解析により、宿主の体質関連遺伝子の解明に携わった。そこで、がん生物学と体質のゲノム解析を統合し、がんの新規診断、治療、予防を目指し以下の課題を解明する。 1.小細胞肺がん新規血清診断マーカーの実装化と抗体治療候補薬開発 2.IgSF分子網羅的結合解析による新規免疫チェックポイント分子の同定と解析 3.がんの悪性化に関わる宿主遺伝因子の解明と、がん体質、悪性化リスクの対策 4.IgSF分子群の増殖因子シグナルへの介入による分子標的薬耐性腫瘍の克服
|
| Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず、がん転移を促進する新規IgSF分子の同定を目指して、マウス悪性黒色腫細胞B16の尾静脈肺転移系における高転移性株B16F10と、低転移性株である親株B16におけるIgSF325分子の発現量を独自に設計したプライマーを用いた定量的RT-PCR法にて比較し、B16F10細胞で有意に高発現するIgSF3を同定した。そこでB16F10細胞のIgsf3をノックダウンしたところ、C57BL/6マウスでの肺転移が抑制された。また、IgSF3は血管内皮細胞でも発現してトランスホモ結合を形成し、B16F10、血管内皮細胞のいずれか一方のIgSF3g発現をノックダウンすると、経内皮細胞遊走能、並びにマウスへの尾静脈注入後の肺での微小血管から組織への浸潤が抑制された。IGSF3の高発現はヒト悪性黒色腫でも認められて患者予後と相関した。以上から、IgSF3は血管内皮細胞のIgSF3との結合を介してB16F10の肺転移を促進することが示された。 また、がんの悪性化については、肝細胞がんで、PKR分子と、IgSFであるCADM1の細胞内結合分子である4.1Rとの結合が悪性化を促進すること、肝吸虫の慢性炎症により生じた胆道がんでは腫瘍内不均一性がエクソーム解析で認められ、悪性化の指標となることを共同研究により示した。 一方、がんと宿主体質については、テロメア維持に関わる遺伝子の多型が肺腺がんのリスクに関連することを示す共同研究、またPTEN遺伝子の胚細胞変異保因者における種々のがんのリスクを明らかにする共同研究に加わり、今後のがん悪性化と宿主の体質を解明する研究の足掛かりとした。 さらに、がんの分子標的薬耐性機構の研究では、肺腺がんのRET耐性機構に種々のバイパス経路の活性化が関わることを共同研究で示し、またEGFR耐性機構にIgSF分子群が関わることを示した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1.小細胞肺がんの新規診断、治療標的については、血清診断マーカーとしての検証を進めるとともに、抗体・薬物複合体 (ADC) の検証を企業と共同で進め、有望な結果を得た。血清診断マーカーとしては、SCLCに関する感度を上昇させる対策を確立した。ADC については当研究室にて in vitro の効果を確認し、マウス移植腫瘍の実験へと進みつつある。 2.新規免疫チェックポイント分子の同定については、主としてNK細胞で発現するVSIG4と、膵がん、胃がん、卵巣がん、神経膠腫、多発性骨髄腫で発現するSIGLEC7による免疫チェックポイント候補を見出し、VSIG4, SIGLEC7に対する抗体を得た。これに加えて、免疫細胞―がん細胞で発現する複数の新規IgSF分子間結合を網羅的ALPHA解析によって見出し、その機能を検討中である。VSIG4-SIGLEC7 については、VSIG4発現細胞がNK細胞で主に発現し、また新規IgSF結合分子の一部は主にマクロファージで発現することから、各々相当する効果評価系を構築中である。 3.がん転移に関わる宿主遺伝因子の解明については、ゲノム網羅的多型解析のデータのあるがん症例を抽出し、その臨床情報が利用可能な枠組を整備した。さらに、業績概要に記載したように、悪性黒色腫細胞で高発現し、宿主の肺血管内皮でも発現する IGSF3 が、トランスホモ結合によって、その悪性黒色腫の肺転移を促進することをマウスの実験系で見出し、ヒトでの意義を検討中である。 4.がん分子標的薬耐性に対するIgSFの役割については、CADM1を中心に検討を進め、有望な結果を得た。 以上の中で、2で新規IgSF分子対の同定、3で新規がん転移関連分子IGSF3を同定したことから、想定以上の進捗と考えられる。
|
| Strategy for Future Research Activity |
1.小細胞肺がんの新規診断、治療標的の研究については、血清マーカーの研究は順調に進捗し、治療標的に関する抗体・薬物複合体の企業との共同研究も順調に進んだが、当該企業の方針転換により、抗体・薬物複合体については、その検証を共同で推進する新規企業を探索することになった。 2.新規免疫チェックポイント分子の同定の研究については、まず、NK細胞で発現するVSIG4と、膵がん、胃がん、卵巣がん、神経膠腫、多発性骨髄腫で発現し、予後と相関するSIGLEC7との結合の意義を明らかにする目的で、抗VSIG4抗体、抗SIGLEC7抗体を用いた in vitro, in vivo の細胞毒性阻害実験などを実施する計画である。また、新規に同定した免疫チャックポイント候補分子となるIgSF分子群については、各々の発現細胞などをヒト腫瘍データベースで検討し、有望な候補については特異的抗体を作成して、その腫瘍抑制効果を、まず in vitro の系を用いて検証する予定である。 3.がん転移に関わる宿主遺伝因子の解明については、臨床症例の解析が重要な課題の一つとなることから、バイオバンク・ジャパン並びに、日本医科大学病院との共同研究を進める。 4.がん分子標的薬耐性に対するIgSFの役割については、CADM1を中心に、その発現による耐性獲得機構の詳細を、IgSF分子と増殖因子受容体との結合の見地から明らかにする予定である。
|