| Project/Area Number |
24K02320
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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| Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 好光 東京科学大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (80262187)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 周 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20609705)
田中 真二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30253420)
波多野 恵 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50867992)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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| Keywords | エピジェネティクス / ヒストン修飾 / 消化器癌 / 腫瘍免疫環境 / ヒストン / エピゲノム / 難治性がん / 腫瘍微小免疫環境 |
| Outline of Research at the Start |
ヒストン修飾はリジンメチル化・アルギニンメチル化およびアルギニンシトルリン化など多様であり、それぞれ特異的な修飾酵素が単離されている。これらエピゲノム因子は相互作用によりヒストン修飾のみならず様々な生命現象に関わり、隣り合うリジンとアルギニン残基の修飾にも密接な関係が示唆されている。ヒストン修飾機構の腫瘍免疫への役割が世界的に注目されている。難治性がんは治療が困難であり、その治療法の確立は喫緊の課題である。本研究はヒストンメチル化・シトルリン化修飾酵素に焦点を当てた包括的解析により、腫瘍微小免疫環境変化と免疫回避機構を明らかにすることで、難治性消化器がんの新規診断・治療法開発への発展を目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年、エピゲノム因子の異常とがん微小免疫環境との関連が注目されている。ヒストン修飾因子は複合体形成することや隣接するリジン・アルギニン残基修飾のクロストークなど多様な機能が報告されている。しかしながら、がんにおけるヒストン修飾因子複合体とその相互作用の分子機構やヒストン修飾の腫瘍免疫への役割など不明な点が多く残っている。本研究は様々な悪性腫瘍で異常が認められるヒストンリジンメチル化とアルギニンシトルリン化および新規ヒストン修飾として報告されたヒストンリジンラクチル化に焦点を当て、ゲノムワイドな観点から難治性癌におけるヒストン修飾因子の腫瘍微小免疫環境変化および免疫回避解除の分子機構を明らかにすることで、ヒストン修飾異常に基づく新規治療法の開発を目指す。 ヒストンリジンメチル化研究では、多くの癌種で発現亢進し、かつ内因性レトロウイルス(ERV)エレメント発現や腫瘍免疫と密接に関わることが報告されているSETDB1に着目した。SETDB1発現亢進は肝癌、胃癌ともに約45%で認められ、予後増悪に関与した。公共データベースを用いてSETDB1高発現肝癌で逆相関の発現を認めるヒトERV(HERV)を探索した。胃癌研究では質量分析によるSETDB1複合体の同定を進め、RNAメチル化関連因子との複合体形成を明らかにした。さらに肝癌と胃癌のH3K18ラクチル化(la)、H3K9laなど複数の部位のヒストンラクチル化レベルを組織内で解析し、その機能的役割の解析を進めている。また消化器癌におけるヒストンアルギニン残基のシトルリン化とその修飾酵素の1つであるPAD2の機能解析を進める。PAD2は約半数の膵癌組織で高発現し、PAD2の核内移行がシトルリン化修飾に重要であることがわかり、現在、その下流遺伝子探索と微小免疫環境変化の解明を行なっている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) SETDB1とHERVとの関与:公共データベース解析およびSETDB1の機能解析により、肝癌で特異的にSETDB1によって発現抑制される4つのHERVエレメントを同定した。ヒト肝癌細胞株でSETDB1をノックダウン(KD)すると、これら4つのHERVと複数のインターフェロン誘導遺伝子群の発現亢進が認められた。4つのHERVは肝癌の予後マーカーとなること、およびSETDB1発現抑制による抗腫瘍免疫反応活性化機構を明らかにし、論文発表した。 2) SETDB1複合体:胃癌細胞株でSETDB1を高発現させ、質量分析を行なった結果、RNAメチル化修飾酵素Xと複合体形成することが明らかになった。 3) ヒストンリジンラクチル化:ヒストンH3K18laレベルが高い胃癌患者の予後が悪いことを明らかにし、胃がんにおけるヒストンラクチル化上昇と解糖系亢進のフィードバック機構を解明した。またSIRT1がヒストン脱ラクチル化酵素として働き、胃癌ではその発現が低下していることを明らかにし、SIRT1発現低下、ラクチル化亢進により長鎖ノンコーディングRNA H19が発現亢進し胃癌の増殖や悪性度を増強していることを論文発表した。ヒストンラクチル化が亢進している肝癌患者でも予後が悪いことが明らかとなり、現在、機能解析を進めている。 4) ヒストンシトルリン化: PAD2 KDおよび高発現株を作成し、下流標的遺伝子としてPRUNE1を同定した。PAD2は核内に移行してPRUNE1プロモーター領域をヒストンシトルリン化修飾することでその遺伝子発現を正に制御していることが明らかになった。PRUNE1はM2マクロファージ分極化に関わることが報告されており、膵癌のPAD2-PRUNE1経路による微小免疫環境への関与を解析している。
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| Strategy for Future Research Activity |
SETDB1の複合体として同定したRNAメチル化酵素Xについて機能解析を進める。現在、SETDB1阻害剤の開発が遅れているが、我々が同定した複合体Xの阻害剤が複数市販されている。そこでその効果を調べることで、SETDB1高発現癌の治療開発への可能性を検討する。またSETDB1タンパク質はユビキチンプロテアソーム系で分解されることが報告されているが、癌での分解機構はまだはっきりしていない。今年度はSETDB1の分解機構について解析を進める。 肝癌におけるヒストンラクチル化亢進の分子機構とその治療開発を進める。これまでに肝癌のヒストンラクチル化亢進によって発現制御される複数の遺伝子群を同定したので、それらの機能解析を通してヒストンラクチル化の役割を解明する。もともとヒストンラクチル化はM2マクロファージにおいて様々な遺伝子群の発現制御に関わる新規エピゲノム修飾として報告されたものである。今後はヒストンラクチル化亢進と微小腫瘍免疫との関連性も検討する。 ヒストンシトルリン化研究では、膵癌を対象としてPAD2-PRUNE1によるM2マクロファージ浸潤との関係をヌードマウスおよび同系統マウス移植実験系で調べる。またPAD2阻害剤は複数存在するので、その効果を検証する。
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