| Project/Area Number |
24K03053
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 62030:Learning support system-related
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| Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
脇谷 伸 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (00728818)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 健人 山口大学, 教育学部, 准教授 (30880140)
木下 拓矢 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (80825323)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2028: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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| Keywords | 学習支援システム / 生成AI / バイタルセンサ / 制御工学 / 感性工学 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は,学習者の生体情報に基づく学習意欲の定量的推定と,その推定結果を活用した個別最適化学習支援システムの設計を目的とする。制御工学,感性工学,教育学の融合により,学習者の能力と意欲を最大限に引き出す新しい学習支援モデルの確立を目指す。この研究により,教育の質の向上と教員の負担軽減を実現し,個々の学習者が持つポテンシャルを最大化する学習環境の構築を目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,個別最適な学習支援システムの構築を通じて,学習者一人ひとりの能力や状態に応じた最適な教育環境の実現を目的としている. 従来の教育環境では,学習者個々のモチベーションや特性が十分に考慮されないまま,画一的な授業設計に基づく学習支援が行われてきた.しかし本研究では,制御工学的アプローチに基づき,学習者の学習意欲や集中度といった状態を定量的に捉え,それに応じた支援を自動的に最適化する枠組みを提案している. 研究代表者は,極値探索制御を応用した学習者モデルを設計し,その有効性を数値シミュレーションにより検証した.また,生成AIを活用した自然言語処理機構をMBD(Model-Based Development)に統合し,学習者との対話的なインタフェースと物理モデルとの融合を可能とするプラットフォームを構築し,学習支援システムの柔軟性と適応性を向上させた. 一方,分担者の一人は,学習意欲のソフトセンサ構築に取り組み,文献調査を通じて知的好奇心,達成感,努力などの心理的指標を抽出し,学習意欲の推定に有効な要因として位置付けた.その上で,非線形・時変系としての学習者モデルに対し,データベース駆動型アプローチを適用した数値シミュレーションを行い,推定精度の向上を確認している. さらに,もう一人の分担者は,探究的な学びを促進する授業を高校生および教員養成課程の学生を対象に開発・実践した.メディア情報リテラシー尺度および効果検証テストを用いて授業前後での学習意欲や情報評価能力の変化を分析した結果,統計的に有意な向上が見られ,教育的効果が実証された. 本研究は,理論モデルの開発と教育実践の双方から学習意欲の向上に資する知見を蓄積しており,今後の個別最適学習環境の実現に向けた基盤形成に大きく寄与するものである.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学習者のモチベーションと学習成果の最大化を目指す極値探索制御アルゴリズムを中心とする制御理論に基づき,状態空間モデルと組み合わせた適応学習支援システムの骨格を構築した.特に,学習者の記憶減衰に関する特性をパラメータとして導入することで,学習支援量の調整による効果をシミュレーション上で定量的に評価可能とした.シミュレーションでは,制御信号がリアルタイムに学習者の心理状態に適応し,最終的な学習到達度を向上させる結果が得られている. 並行して,自然言語を介した制御入力・出力の相互変換を実現するため,生成AIを利用したMBDプラットフォームを試作した.自然言語と数値信号の橋渡しとして設計した対話型モジュールは,学習者から得られる発話や応答をリアルタイムで評価・数値化し,制御系にフィードバックする構成となっている.変換器における性格パラメータの設定や感情表現のばらつきに対応した推定器の導入により,制御誤差を最小化する補正機構も実装した. さらに,学習意欲ソフトセンサの開発においては,文献レビューと実証的観察から抽出された心理的要素(知的好奇心,達成感,学習の楽しさなど)に基づき,感性指標の動的推定アルゴリズムを構築した.データベース駆動型モデルに補正量を加える手法により,学習意欲の推移を高い再現性で予測可能であることをシミュレーションにより確認している. 教育実践面では,探究的な学びを主軸とした授業モデルの開発と実施に取り組み,高校生に対してはファクトチェック型メディアリテラシー授業を実施し,授業前後の自己評価尺度による分析で有意な改善効果を確認した.また,教員養成課程の学生を対象にした情報評価指導力育成の授業でも,スキル向上が統計的に示され,これらの実践知見は,学習意欲メータの開発や導入フェーズの方向性を具体化するうえで有益な基礎情報を提供している.
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では,学習者のリアルタイム情報を活用したソフトセンサの高精度化と,その実装技術の確立に取り組む.学習意欲に影響を与える多様な心理的・生理的要素を定量的に扱うため,バイタルセンサやタブレット操作履歴等から得られるデータを組み合わせ,モダリティ融合によるマルチソース分析を進める.また,学習課題における知的好奇心の有無による意欲の違いを検出し,それに応じてリアルタイムで支援内容を調整する適応制御系の開発を進行中である. 自然言語処理との統合により,学習者の発言や表情などの非構造データも制御入力として活用し,多次元的に学習意欲をモデリングする新手法の導入も予定している.さらに,構築した学習意欲メータおよび推定器の精度を長期的に検証すべく,高校および大学での実地試験を実施し,教育的有効性と技術的安定性を確認する.これにより,個別最適化された学習環境の社会実装に向けた信頼性の高い基盤構築が可能となる. また,教育現場での持続的運用を見据え,教員が容易に活用可能なインタフェースの整備や,クラウドベースの評価システムへの展開など,現場適応性を高める工夫も検討中である.最終的には,本研究の成果が次世代教育の中核を成すことを目指し,個々の学習者が持つ潜在能力を最大限に引き出す支援システムの完成を視野に入れている.
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