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近代彫刻と生政治:新古典主義以後の人種・階級・身体

Research Project

Project/Area Number 24K03484
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 01060:History of arts-related
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

金井 直  信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (10456494)

Project Period (FY) 2024-04-01 – 2027-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2024)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Keywords彫刻 / 近代彫刻 / 生政治 / 新古典主義
Outline of Research at the Start

多くの近代彫刻、特にモニュメントは、人種や階級、身体をめぐる諸観念をあらわしてきたが、それらは単なる表示手段ではなく、むしろその生産受容こそが諸観念を産み、強化してきた側面がある。つまり、彫刻それ自体、ひとつの生-権力の装置として、生、人体に介入してきたのではないか。
この観点/仮説から、本研究は表面の色彩、隷属の主題、そしてトルソ・断片に注目する。これらは従来の彫刻史では、それぞれ古典主義、ロマン主義、モダニズムの問題圏に分割されがちだったが、実際にはあい重なり、人種・階級・身体をめぐる生政治的なイメージと言説空間をつくりあげてきたのではないか。その可能性について、各国の事例に即して検討する。

Outline of Annual Research Achievements

本研究は(1)彫刻における色彩と人種概念の隣接性について検証し、また、(2)労働者・兵士など諸階級の表象の特徴を分析する。さらに、(3)近代彫刻におけるトルソ・断片モチーフの展開を、心身への介入として捉え直すものである。本年度は(1)に関して、シカゴのフィールド自然史博物館においてM・ホフマンのRace of Mankindを調査。その造形的特質および展示方法を確認・把握するとともに、関連文献を収集し、美術史学・人類学・博物館学の交差領域で研究を展開するための基礎資料を確保した。またワシントン、スミソニアン・アメリカ美術館においてはE・ルイスの実作調査を進め、その様式を確認すると同時に、ルイス作品の歴史-社会的文脈に関する研究を行った。(2)については、G・モンテヴェルデに関する文献調査を軸に、V・ヴェーラらに関する資料収集・調査を進め、次年度の実地調査の準備を行った。あわせて日本国内のモニュメントの事例についても、大熊氏廣を起点に調査中である。(3)については主に文献調査を進めた。
全体として、人種・階級・身体/心という近代の生政治的フレームを、彫刻実践がいかに支え、さらに賦活してきたかを明らかにするオリジナルな研究の基盤を形成しつつある。
研究公開として、彫刻の色彩と人種の問題に関連する論文(「彫刻を見る困難について──カノーヴァをめぐって」『美術フォーラム21』第49号)と、近代のトルソ・断片受容に関わる論文を上梓した(「ジョルジョ・デ・キリコと彫刻」『デ・キリコ展』東京都美術館)。また、近代彫刻における階級の表象やモニュメントの社会性に関連する発表(「大熊氏廣とイタリア人彫刻家たち」川口市立文化財センター郷土資料館、2月22日)、近代彫刻に関する発表(「彫刻写真史のなかのブランクーシ -アトリエ・光・再創造-」アーティゾン美術館、5月18日)を実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(1)彫刻における色彩と人種概念について、本年度はアメリカ合衆国における実地調査を軸に、E・ルイスとM・ホフマンの資料収集を予定通り進めることができた。(2)労働者・兵士等の表象に関して、主にワシントンD. C.の公共彫刻を実地調査し、設置状況(現状)や設置の史的背景などをより具体的に把握することができた。また、次年度以後の欧州調査の予備調査として、V・ヴェーラ、C・ムーニエらの資料収集を開始している。モンテヴェルデに関する文献調査、大熊氏廣の史料調査も継続。(3)近代彫刻におけるトルソ・断片モチーフの展開については、A・ロダン、J・アルプ、C・ブランクーシ、さらにイタリア近代彫刻におけるトルソ・断片作品とその公開状況、関連する批評言説に関して調査中。写真との関係については、「BUTSUDORI ブツドリ:モノをめぐる写真表現」シンポジウム参加(滋賀県立美術館、3月9日)などを通して、情報を更新している。医療、文学、メディア等、他領域における身体の局所化・断片化に関する調査は、対象領域が広く、なお予備調査的な段階につき、今後の課題であるが、全体として順調である。

Strategy for Future Research Activity

概ね計画通りに進める。次年度は欧州(イタリア、ベルギー)での調査を実施。とくに近代彫刻における労働の表象について、V・ヴェーラ、C・ムーニエの個人美術館を起点に調査を実施する。また、彼らの作品の日本における受容も調査対象とし、関連する国内作品の調査・分析を試みる。あわせて日本国内のモニュメント調査も網羅的に実施し、比較分析対象を確保する。
さらに今後の国外調査(主にフランス)のための資料調査と関係者との情報交換を進める。
研究公開としては、本年度の調査研究実績、とくにルイス、ホフマンに関する知見を活かした論考を執筆・公開する。また、本研究の主題(生-権力の装置としての彫刻)をめぐるワークショップ/研究会を、彫刻の研究者・実践者を迎え、開催する。

Report

(1 results)
  • 2024 Research-status Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2024

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 彫刻を見る困難について──カノーヴァをめぐって2024

    • Author(s)
      金井直
    • Journal Title

      美術フォーラム21

      Volume: 49 Pages: 72-78

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      2024 Research-status Report
  • [Presentation] 彫刻写真史のなかのブランクーシ ーアトリエ・光・再創造ー2024

    • Author(s)
      金井直
    • Organizer
      「ブランクーシ 本質を象る」土曜講座、アーティゾン美術館
    • Related Report
      2024 Research-status Report
    • Invited
  • [Book] デ・キリコ展2024

    • Author(s)
      展覧会図録
    • Total Pages
      248
    • Publisher
      朝日新聞社
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      2024 Research-status Report

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Published: 2024-04-05   Modified: 2025-12-26  

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