| Project/Area Number |
24K04288
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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| Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
私市 正年 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (80177807)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 えり奈 上智大学, 外国語学部, 教授 (20436744)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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| Keywords | アルジェリア / チュニジア / 家族ワクフ / ハブース / ザーウィヤ / 民族運動 / ワクフ |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、従来のアルジェリアの民族運動(ナショナリズム運動)の研究において保守的な組織と考えられていた民衆イスラーム組織(ザーウィヤ)に光をあて、この組織においてアラブ・イスラーム教育を受けていた農村の青年たちが民族意識をいだくようになった経済的、社会的背景を明らかにしようとする研究である。具体的にはザーウィヤが保有していた家族ワクフ(宗教的寄進財)に関する文書の分析により、家族ワクフがザーウィヤのアラブ・イスラーム教育の経済的基盤であったこと、そこで醸成された宗教イデオロギーが農村の大衆を民族運動へと動員する力となったことを実証することを目的とする。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、先ずal-Hamil、Mostaganem、およびチュニジア南部のザーウィヤが所有していた家族ワクフ(家族ハブース)文書を分析することによって、ザーウィヤの経済状況を明らかにし、次にワクフ財がザーウィヤの宗教と教育活動、生徒や教団員たちの生活を支える財源になっていた実態を明らかにすることである。そのためal-Hamilについては、ワクフ財として届けられた財産目録(その一部はすでに入手ずみ)の一覧の読解作業を行った。またMostaganemのザーウィヤの資料状況については、2024年12月にアルジェの国立文書館にて調査を行った。しかしこの調査ではほとんどめぼしい資料が得られなかった。関連して12月にAdrar郊外のKusamのkhizanaで写本資料の調査を実施した。このような調査と分析によって、第1に家族ワクフ財の資料は、国立文書館にはほとんど保管されず、地方のマフカマ(法廷)の資料館に保管され、そのコピーがザーウィヤの文書館やシャイフの家に保管されていること、第2に巨額の資産がおそらく無税の形でザーウィヤのシャイフ(長)の所有となり、それは教育、宗教活動を支える経済的基盤になったのではないか、という暫定的な見通しを得ることができた。比較の視点から岩﨑(研究分担者)は、Bussonの研究を整理することで、チュニジアにおいては私的ワクフ(ハブース)を管理する組織が設置され、アルジェリアよりもより自由に家族ワクフが認められていることを明らかにした。なおMostaganemのザーウィヤの文書館とは連絡がとれ、資料調査が可能である、との情報を得た。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的に沿って①従来の研究の整理、②資料状況の把握、③分析の方法と研究の方向性の確認を中心に行った。①については、Ahmed NADIRの研究論文(La fortune d'un ordre religieux algerien)を読み、19世紀末のザーウィヤのシャイフの家の財産所有の実態とそれがシャイフの家の家族ワクフ(ハブース)とされた過程を考察した。Mostaganemのザーウィヤに関しては、M. Chabryによる新しい研究(Le Pole)が出版されたのでより実証的な研究が可能になった。②については、実際に調査を始める前にはほとんどわからなかったことである。アルジェの国立文書館で調査したが、家族ワクフに関する文書はほとんど見つからず、ザーウィヤとザーウィヤのシャイフの家に文書のコピーが残されていることが明らかになった。資料状況が明らかになったことは、今後の研究を進める上で大きな前進であった。③については、まだ模索中である。というのもザーウィヤが所有する家族ワクフがアラブ・イスラーム教育を行う上での経済的基盤になったであろうことは容易に推測できるが、その活動が民族的、宗教的イデオロギーを育成し、農村大衆を民族運動へと動員する力となったことを実証する方法論が組み立てられていないからである。従って2年目以降、ザーウィヤでの具体的な宗教、教育活動の分析をしつつ、それが民族運動の大衆動員力になったことを説明する理論化の作業にとりくむ必要がある。チュニジアについては、岩﨑(研究協力者)がBussonの研究書を整理し、家族ワクフの存在がより自由に認められていたことを指摘し、アルジェリアとのより鮮明な違いを明らかにした。以上、③をのぞき研究目的に沿って研究はほぼ順調に進められている。
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| Strategy for Future Research Activity |
1年目の研究を踏まえて次のような研究を推進する。 第1に、モスクが、国家の管轄下に置かれ、ワクフ財を破壊され独自の経済的基盤も失ったので宗教、教育活動が活力を欠いたのに対し、農村のザーウィヤは、豊富な家族ワクフを所有し独自の経済的基盤を有したので、植民地政府から自立してアラブ・イスラーム教育を行うことができた実態を具体的に明らかにする。すでにal-Hamilのザーウィヤの家族ワクフ(ハブース)については、いくつかの文書を入手しており、それを読み進めるとともに、Mostaganemのザーウィヤについては文書の調査を実施し、それらを分析してal-Hamilのザーウィヤとの比較考察を行う。またウラマー協会ができる前のモスクにおける教育活動や宗教活動と、ザーウィヤにおけるそれとの比較も行う。第2に、第1の研究と分析によって得られた成果をもとに、ザーウィヤでの宗教活動や教育が農村大衆を民族運動へと動員する力となったことを実証できる理論化の作業を行う。この作業は、史料の具体的な分析だけでは難しいので社会学や経済学の専門家も加わっている、東大の渡邊祥子教授の研究プロジェクト「アルジェリアの社会と経済」で報告を行い、理論化に向けた枠組みを構築したい。またアルジェリアでの調査の際には、Afaf教授(Chlef大学教授)やFoued Kacimi氏(al-Hamilのザーウィヤ)らと意見交換を行う。さらにチュニジアのワクフの実態をより詳細に分析するため、Bouslama Abdelmajidの研究(La reforme du regime de habous en Tunisie)なども参照する。
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