| Project/Area Number |
24K04471
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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| Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 大治 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 名誉教授 (40242573)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 美保 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (10868459)
花村 俊吉 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特任研究員 (30727178)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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| Keywords | 「野生」概念 / トカラ列島口之島 / 再野生化家畜 / マルチスピーシーズ人類学 / 生態的野生性 / 資源的野生性 / 学術的野生性 / 生態誌 / 野生化家畜 / トカラ列島・口之島 / 野生性 / 家畜化 / 生態史 |
| Outline of Research at the Start |
トカラ列島口之島では,過去に逸出した家畜(ウシ,ヤギ)が山林中で自然繁殖している。これらの野生化家畜は30年前まで島民によって捕獲・利用されてきたが,近年,在来家畜の遺伝子を持つ遺伝資源,そして「野生」を売り物とした観光資源としての価値を有するに至っている。また島民や野生化家畜自身の山林での活動は,島の生態系を改変してきた。本研究は,このように多様かつ生成的な逸出家畜の「野生性」に着目することによって,マルチスピーシーズ人類学の「あらかじめ異なる種同士の交流を記述する」という視点を越えて,人間と生物の相互作用を「生態史」として描き出すことをめざす。
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| Outline of Annual Research Achievements |
計画の初年度である2024年度は,以下の調査研究をおこなった。 (1)調査地である鹿児島県口之島で,2024年6月,8月,2025年3月と3回の現地調査をおこなった。(ただしこのうち8月の調査は,折から来襲した迷走台風の影響で鹿児島から口之島に渡航することができず,鹿児島での研究連絡,資料収集のみに終わった。)口之島での調査では,野生化牛がどの程度「野生」であるのかを明らかにするため,牛が生息する島の南部を踏査して個体識別を進めるとともに,DNA分析のための糞サンプルを採集した。糞サンプルは一部分析を終わっており,野生化牛の父子判定に成功している。踏査中には炭焼き窯の跡など,過去の環境利用に関する貴重な発見もあった。また15台のカメラトラップを9ヵ月間設置して個体の行動を撮影し,76000枚の画像を撮影した。集落において島の人たちを集め,過去に放映された野生化牛のテレビ番組の上映会をおこない,野生化牛の歴史,過去における島の環境利用,牛に対する意識などについてのアンケート調査および聞き取りをおこなった。 (2)鹿児島県立図書館および鹿児島大学において野生化牛に関連する文献を収集した。収集された約60点の文献はスキャンしてクラウドストレージにアップロードし,研究分担者・協力者が自由に閲覧できる体制を整えた。 (3)過去の野生化牛に関するテレビ番組の動画ファイルを収集し,マスコミにおいて野生化牛がどのように取り上げられてきたのかについての分析の資料とした。また,過去にテレビ番組を制作したディレクターに制作意図などに関するインタビューをおこなった。 (4)口之島の属する十島村役場を訪問し,村長をはじめ関係者の方々と野生化牛の保存について意見を交わした。 (5)2024年5月,7月,2025年1月の3回にわたって研究会をおこない,情報の共有,収集されたデータに関する討論をおこなった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したように,2024年度は現地調査,文献の収集,研究会の開催などほぼ当初の計画どおりの研究を遂行することができた。 ただし,8月には研究代表者および研究協力者2名でのインテンシブな現地調査を予定していたが,台風の影響で船が欠航し,口之島に渡ることがかなわなかった。この点は本土から遠い離島という調査地の性格上致し方ないところである。
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| Strategy for Future Research Activity |
研究は順調におこなわれており,今後も野生化牛の生態・血縁関係の調査,口之島島民の野生化牛に対する意識の調査,資料収集,マスコミ等に取り上げられた「野生性」に関する資料収集など,計画どおりに進めていく予定である。 また,口之島島民や十島村役場の職員との話し合いの中で,野生化牛の天然記念物化という課題が浮かび上がってきた。この点については「野生とは何か」という本研究のテーマとも絡めて今後メンバー間で討論し推進していきたい。
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