| Project/Area Number |
24K04801
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
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| Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
若山 琢磨 龍谷大学, 経済学部, 教授 (80448654)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 裕二 (藤中裕二) 関西大学, 経済学部, 准教授 (20552277)
舛田 武仁 信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (80725060)
三上 亮 信州大学, 学術研究院社会科学系, 講師 (40961636)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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| Keywords | マーケットデザイン / メカニズムデザイン / ゲーム理論 / 経済理論 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、理論分析に基づいて、偽装結婚や偽装養子縁組などによるドナーの融通を防ぐ望ましいドナー交換メカニズムの考案を試みる。その際、移植希望者の選好やドナーの交換規模などについて、腎移植問題固有の制約を考慮する。また、そうした制約を設けた枠組みにおいて、これまで提案されてきたドナー交換メカニズムの比較実験を行う。このように、本研究では、理論分析と経済実験の手法を使って、実用可能なドナー交換メカニズムを明らかにし、実社会への応用や政策提言につながる知見を獲得することを目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
2024年度は、以下の二つの研究課題を重点的に推進した。 (1) 偽装結婚・養子縁組などの共謀行為によるドナーの融通を防ぐメカニズムに関する研究:既発表論文(Fujinaka and Wakayama, 2018, GEB)では、同時移植数に上限を設けておらず、「複数のドナーを持つ移植希望者」や「善意ドナー」の参加も想定していなかった。この既発表論文が考慮していなかったこれらの点は、メカニズムを実装・運用する上で看過できない制約・要素であると考えられる。そこで2024年度は、同時移植数に上限がある状況下での理論分析に注力しつつ、複数のドナーを持つ移植希望者や善意ドナーの参加を組み込んだ枠組みでの考察も行った。 (2) 戦略的不参加行動を抑止するメカニズムに関する研究:従来のドナー交換メカニズムの研究では、次の二種類の戦略的な不参加行動は、分析の俎上に載せられていなかった。 (a) 二人の移植希望者AとBが、メカニズムへの参加前にドナーを交換し合う状況を考える。その交換後に得たドナーが、Aにとって、参加したときに割り当てられる予定のドナーよりも望ましいものであるとしよう。そうすると、Aには参加を控えてもらい、Bだけが参加するように取り計らうことで、Bは(両者がともに参加したときよりも)好条件のドナーを得る可能性がある。 (b) 参加を見送った移植希望者が、メカニズムでの割り当て終了後に参加者と結託してドナーを交換することで、双方が得をする可能性がある。 (a)は偽装結婚・養子縁組といった手段を通じて、(b)は同一の医療機関内に所属する移植希望者の参加・不参加の調整を通じて、現実に起こり得ると考えられる。こうした不参加行動が横行すれば、メカニズムが機能不全に陥る恐れがある。そこで、これらの戦略的な不参加行動を抑止するメカニズムの設計可能性を明らかにすべく、理論分析を開始した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) Fujinaka and Wakayama (2018)は、共謀行為を防ぐメカニズムの構築が可能であることを示していた。ところが、2024年度に実施した分析の結果、同時移植数に上限があると、そのような共謀防止メカニズムの構築は一転して不可能になることが判明した。しかも、この否定的な結果は、「移植希望者とドナーの年齢が近いほど望ましい」との医学的見解に照らして自然と考えられる選好を仮定しても、変わらず成立する。なお、複数のドナーを持つ移植希望者や善意ドナーの存在を想定した拡張枠組みでの分析に関しては、2024年度は同時移植数に上限がない状況に焦点を絞り、先行研究と同様の肯定的な結論が得られた。これらの成果を2本の論文にまとめ、ワーキングペーパーとして公開した後、学術誌へ投稿した。 (2) (a) の行動については、それを抑止するメカニズムを特定した後、関連する不参加行動についても検討を加えた。一方、(b) の行動を抑止するメカニズムは構築できないことを示した。これらの結果は、移植希望者の選好に何の制約も課さない場合だけでなく、上述の医学的見解を踏まえた自然な選好を持つ場合でも成立する。2024年度は、論文の投稿には至らなかったものの、初稿は完成している。 以上のことから、本研究課題は「おおむね順調に進展している」と判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
課題(2)については、初稿が完成しており、現在最終確認中であるため、2025年度中に投稿を完了したい。また、実験研究については、前研究課題から継続して進めている実験論文のとりまとめと学術誌への投稿を目指すとともに、申請書に記載した新規プロジェクトに関する実験にも着手したい。
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