| Project/Area Number |
24K05311
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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| Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
前川 真行 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 教授 (80295675)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山東 功 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (10326241)
上村 隆広 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 教授 (70244621)
中村 征樹 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (90361667)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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| Keywords | 一九七〇年代 / 市民社会 / マルクス主義 / 自由主義 / 戦後民主主義 / 70年代 / 国土計画 / モビリティ / 人間形成 / 市民運動 |
| Outline of Research at the Start |
現代社会の直接の基盤であり、その条件となった1970年代という時代は、戦後の政治=経済的かつ社会的な構造変動の時代であり、戦後初期に国際的な共通目標として設定されていた福祉国家の再編の時期であったことが今日ますます明らかになってきている。本研究ではこの70年代という時期を「移行期」とみなし、この移行期に固有のズレと矛盾を孕んだ共時的な社会構造の分析と解明を以下の四つの領域に注目する。まずは国土計画をはじめとした分権的空間編成。つぎにその帰結としての移動性(mobility)の発見。さらに階層移動政策であるはずの高等教育改革における量から質への転換。最後に都市を拠点とした対抗的主体形成である。
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度の昨年度はゲストによる報告を中心に五回の研究会を行った。 第一回は代表者である前川が「七〇年代の研究に向けて」と題し、本研究会の趣旨説明、および七〇年代についての国内および国際状況について総論的な報告を行った。第二回は山口二郎を招き「ポスト高度成長期の政治経済体制の構想をめぐって」と題し、主として70年代以降の村上泰亮ら保守派知識人の果たした役割、その政治的意味について、また第三回は木庭顕・稲葉振一郎を招き、稲葉・山東による、木庭顕『ポスト戦後日本の知的状況』についての書評セッションを行い、やはりまた同時期の問題を取扱った。ここではとりわけ市民社会が議論の中心となった。 第四回は吉野太郎(関西学院)を招き、「科学論の展開:武谷三男から廣重徹」について、廣重徹に焦点を当てつた報告と検討を、そして第五回はふたたび前川によって「二つの新自由主義の狭間で」と題し、戦後から七〇年代にかけて、社会の変動と野党の政策転換にあたって、松下圭一の果たした役割についての報告を行った。ここでは思想としてのマルクス主義とその変容が議論の中心となった。 本研究会は当初、福祉国家の編成と変容が平行して進むこの時代を分析し、今日における影響を探るために、1.物的変動(国土開発)、2.移動性の上昇、3.教育改革、4.市民意識の変容の四つの軸に焦点を当てて検討をすすめることを当初、目的として掲げていた。一年目の成果としては、おおむねこうした論点の共有は進んだと思われる。ただし2.3.についての直接的な検討は次年度以降の課題となった。 また当初は個別研究よりは、認識共有のための整理を主とする予定であったが、やはり個別研究がある程度含まれることになった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は七〇年代の共時的な構造を解明することをその最終的な目的としているが、一年目の本年度は、各領域における専門知識の相互共有を主たる目標としていた。概要欄に記述したとおり、本科研の代表者および分担者のみならず、山口二郎、木庭顕、稲葉振一郎、吉野太郎などゲスト研究者による近年の研究動向の紹介などを通じて、その目標はおおむね達成できたと考えている。 また、計画書では、研究を進めるうえで中心的な論点として、四つの焦点をあげたが、そのうち移動性上昇のためのインフラ整備としての国土開発、そして市民意識の変容については直接的な検討の対象とすることができた。ただし、移動性の上昇および教育改革については、間接的に触れるにとどまったが、これらは次年度以降の課題となる。 また五回の研究会を行った結果、新たな課題の存在も当然のことながら確認された。前史としての戦後社会の再検討と、同時代における市民社会概念の今日的な意義の再確認である。この点はしかしむしろ重要な成果として積極的にとらえたい。
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| Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、二年目の25年度は、前年度の各個別領域の認識の共有を継続しつつ、本格的な研究発表も行う予定としている。次年度には個別領域の研究として、すでに市民意識の変容という観点から、ホームセンターの誕生を取りあげ、研究会を行っている。さらにこれに続けて、高等教育改革についての議論を行うことが決定している。 今後も研究会の開催を通じて、知見と課題の共有に努め、研究プログラム後半に予定されている成果発表に備えることにしたい。 また当初の計画ではかならずしも強調されていたわけではないが、昨年度の研究の結果、やはり七〇年代の前史としての「戦後」という時代、そしてその概念についての検討は避けられないものであることが確認された。具体的にはマルクス主義、そして市民社会の概念がこの時代において果たした役割、さらには戦後知識人について、あらためて再検討する必要がある。 この研究課題はひとつには時代を共時的にみるということ、さらにその必然的な帰結として、国際関係のもとでこの時代の日本社会を再検討するということを目標としていた。研究プログラムの進度からして当然のことではあるが、いままでのところこの点についてはかならずしも主題として扱われてはいないために、今年度に関してはこの時代の国際関係の整理を一定程度行い、その成果を共有することを課題として掲げる。 共時的構造の解明は、三年目以降の課題となる。
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