| Project/Area Number |
24K05315
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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| Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
黒嶋 智美 玉川大学, ELFセンター, 准教授 (50714002)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早野 薫 日本女子大学, 文学部, 教授 (20647143)
小宮 友根 東北学院大学, 地域総合学部, 准教授 (40714001)
岩田 夏穂 武蔵野大学, グローバル学部, 教授 (70536656)
須永 将史 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (90783457)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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| Keywords | 会話分析 / 内部被ばく検査 / 原発避難 / 時間 / 生活史 / 感情 / 実践の論理 / 経時的変化 |
| Outline of Research at the Start |
本研究では、会話分析の手法を用いて、福島第一原発事故後、福島県住民らが抱いている内部被ばくのリスクや健康被害に対する不安、心配などの感情、また、原発避難からの帰還と復興に対する視座にもとづく日常的な実践の方法について、じっさいの相互行為を分析し、記述する。事故発災から10年以上の月日を経た現在までにみられる、社会・歴史・文化的編成における様々な変化を、住民自身の実践のなかから読み取る試みである。
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| Outline of Annual Research Achievements |
2024年度は、当初予定していた調査対象である放射能内部被曝検査の結果を通知する医療面談場面において、データ収集を実施することができなかった。これは、先方および研究チームの都合が学期中には合わず、さらに長期休暇中には受検者が不在となるという状況に直面したためである。一方で、以前より研究協力を得ていた福島県阿武隈山系の山間部に暮らす住民グループの活動において、調査を実施することができた。本グループには、別課題(課題番号20K02131、研究代表者:西阪仰)から継続するかたちで、引き続き調査への協力に同意いただいた。新型コロナウイルス感染拡大の影響により一時活動を中断していたものの、今年度より本格的な活動再開をされており、研究チームから2名が毎回参加し、座談会形式の会議場面における参与観察および録音・録画による調査を7回実施することができた。そのうち1回は、同グループ主催の子ども向けイベント(ツリークライミング)における調査である。 座談会では、活動の中断を経て新たなメンバーが加わり、初期から参加していた子どもたちが成長したこともあり、就学を迎えた新たな小学生に対して何ができるのか、したいのかといった点が主な議題となっていた。特に、阿武隈山系の山を150年かけて再生しようとするNPO法人の植林イベントに参加するにあたり、子どもたちに放射能汚染以前の豊かな自然環境をどのように取り戻していくか、教えていくかという住民自身の課題設定を通して、原発事故による避難・帰還といった生活史上の出来事が、住民によってどのような経験として把握され、語られているのかという、新たな研究視座を得ることができた。 本年度は、一定の調査成果を得ることができたものの、データの共有が年度末にずれ込んだため、具体的な分析に着手するには至っていない。次年度においては、上記の視点に基づいた分析を進めていく予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、当初予定していた内部被曝検査結果に基づく医療面談に関する調査を実施することができなかった。一方で、住民グループの活動に関する調査は定期的に実施することができ、約20時間に及ぶ相互行為のデータを収集した。アメリカ社会学会では、他者からの援助を動員する実践について報告を行い、内職作業に従事する参与者が、自己による要請よりも他者の任意的な援助を優先する構造が、いかに相互行為の中で観察されるかを示した。この発表に対しては、多くの示唆に富むコメントをいただいた。他者との関係性において組織される優先構造に関する知見は、本研究にとっても重要な分析上の示唆をもたらすものである。さらに、研究発表および調査と並行して、プロジェクトメンバーによる月1回の研究進捗報告を兼ねた分析検討会をオンラインで継続的に開催した。特定の関心に縛られない形で現象を特定していくデータセッションを行ない、分析力の維持・向上に努めた。また、各自の研究を持ち寄ることで、調査の進捗状況や情報の共有を図るとともに、各分析内容の整合性を検討する機会を定期的に設けることができた。この他にも前年度から取り組んでいた分析の知見を国際学会で発表し、論文集に寄稿することが出来た。
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| Strategy for Future Research Activity |
2025年度においては、これまでに引き続き、住民グループの活動を対象とした調査を継続的に実施する予定である。また、毎月開催している研究進捗報告会についても、引き続き定期的に実施し、相互に分析を検討・支援し合う体制を維持する。さらに、夏期休業期間中には、今後の調査方針に関する検討を対面で行う機会を設け、研究体制の一層の強化と方向性の明確化を図る。あわせて、研究メンバー各自が得た知見をいかなる形で学術的に発信していくかについて、相互に確認と調整を行う予定である。 医療面談を対象とした調査に関しては、調査協力者との緊密な連絡体制を構築し、長期休暇期間中のデータ収集に向けた準備を着実に進めていきたい。 併せて、これまでに収集した住民グループによる座談会データについては、本格的な分析作業に着手し、研究実績の概要にて示した視座に基づいて知見の体系的整理を試みる予定である。得られた成果については、国際学会での口頭発表に向けた発表申請を行うとともに、査読付き学術誌への論文投稿を積極的に進めていく。 さらに、新たなデータ収集に備える取り組みとして、前課題(課題番号19K02112)において収集した未分析・未着手の医療面談データについても分析を行い、研究成果として論文化し国際的な学術誌への投稿を行う予定である。
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