| Project/Area Number |
24K06389
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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| Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 慎也 北里大学, 看護学部, 講師 (30736707)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 あや 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 特任教授 (00347212)
岡部 聡子 郡山女子大学, 家政学部, 教授 (10551129)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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| Keywords | Health education / AI chatbot / Readability / understandability / 患者教育資料 / 行動変容 |
| Outline of Research at the Start |
本研究では、高品質な健康医療情報の提供が、どのようなメカニズムを通じて健康促進や予防行動を助長するのかを明らかにすることを目指す。具体的には、①mHealth領域の介入研究の文献をレビューし、健康医療情報の効果評価基準を整理・開発し、②開発した基準を用いて介入効果を評価するランダム化比較試験を実施する。これにより、健康づくりや予防行動の機序に関する理解を深め、将来の健康政策や情報提供戦略に貢献することを目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、健康医療情報の提供が、個人の健康づくりや予防行動をどのように促進するか、そのメカニズムを明らかにすることを目的としている。mHealthの普及に伴い、健康情報は多様なメディアを通じて提供されているが、その多くは一般成人の平均的な識字能力を上回り、理解や行動への移行が困難な実態がある。初年度は、研究計画における第1段階「既存の健康医療情報の質評価による課題の明確化」に焦点を当てた。対象資料は、1)ウェブ上で公開されている放射線防災パンフレット、2)生成AIが作成した放射線防災資料、3)ウェブ情報と生成AIを用いた子ども向け放射線防災資料、4)ウェブ公開されている貧血予防・治療資料、5)Mpox(サル痘)に関する公的資料である。これらは非医療従事者を主な対象とした情報として選定し、①日本語文章の理解のしやすさ、②読後の行動への移しやすさ、③文章としての日本語の難易度の3観点から評価を行った。評価には、①②にPatient Education Materials Assessment Tool(PEMAT)日本語版、③にjReadabilityを用いたほか、文章構成や視覚要素の有無についても内容分析を行った。分析の結果、多くの既存資料は図表や要約が不足し、行動喚起の記述も不明瞭で、文章表現の難しさも課題であることが判明した。特に生成AIによる資料と比較すると、既存資料は伝達性や行動促進性において劣る傾向が顕著であった。これらの知見は、今後の介入研究における高品質な健康医療情報および効果評価指標の開発にとって、理論的かつ実践的に極めて重要な基盤であり、今後の情報提供戦略や健康政策への応用が期待される。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の1年目は、研究計画に沿って「既存の健康医療情報の質評価による課題の明確化」に着実に取り組んだ。具体的には、健康行動の促進に関わるテーマとして、放射線防災、貧血予防、Mpoxに関する情報を対象に、ウェブ公開資料および生成AIによる資料を収集し、それぞれの情報が持つ教育的効果および言語的特徴について評価を行った。分析手法としては、米国開発のPEMAT(Patient Education Materials Assessment Tool)を用いて、「理解のしやすさ」と「行動への移しやすさ」を評価し、さらに日本語の文章難易度に関してはjReadability尺度を導入した。これらの多面的な評価により、既存の資料には要約の欠如、図表の活用不足、行動指針の不明瞭さなどの構造的課題があることが判明した。また、AI生成資料との比較から、従来資料の表現が難解である一方、AI資料は簡潔かつ実践的な記述がなされていることが確認され、資料の質の差異が明確になった。現在までの進捗は、当初の計画に基づいたステップをほぼ予定通りに実施しており、評価指標の妥当性も確認できている。今後の介入研究や評価尺度の開発に向けた重要な基盤を構築する段階として、順調に推移していると自己評価している。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、1年目の成果を基盤として、健康医療情報の効果評価指標の整理および開発、質の高い健康医療情報の作成、並びにそれらを用いた介入研究へと研究を発展させる。まず、mHealth領域における介入研究の文献レビューを通じて、使用されている評価指標を整理し、健康づくりや予防行動の促進を測定可能とする効果評価指標を開発する。同時に、初年度に明らかとなった既存情報の課題を踏まえ、PEMAT、CCI、jReadability等の評価指標を用いて、「理解しやすく」「行動に移しやすく」「読みやすい」ことを満たす質の高い健康医療情報を、専門家と市民によるパネルディスカッションを通じて設計する予定である。その後、作成した資料を用いて、一般市民を対象としたランダム化比較試験を実施し、開発した効果評価指標を用いて行動変容、自己効力感、理解度等を測定する。加えて、介入後の情報アクセス行動やパンフレットの持ち帰りなど、実験社会心理学的手法を用いた行動変容の客観的評価も併用する。課題としては、介入対象者のリクルート、倫理的配慮、評価指標の信頼性・妥当性確保が挙げられるが、研究分担者・協力機関と連携し、段階的導入や専門家の助言のもとで着実に実施する。開発した健康医療情報は、一般市民への還元を目的としてオンライン上に公開し、健康づくりや予防行動を支援する社会実装を見据えた展開を行う。
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