| Project/Area Number |
24K07824
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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| Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
山口 健太郎 近畿大学, 建築学部, 教授 (60445046)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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| Keywords | 感染症 / COVID-19 / 特別養護老人ホーム / レジリエンス / 感染症対策 |
| Outline of Research at the Start |
2020年に始まったCOVID-19により高齢者施設は大きな被害を受けた。施設内でのクラスターの発生のみならず長期にわたり家族等に会えない日々が続いた。本研究では、COVID-19の影響を検証し、今後の施設計画に役立てていくために、高齢者施設に対する大規模なアンケート調査を行い、多床室・大規模ケア型と個室・ユニットケア型という物理的環境の違いが感染拡大に与える影響について明らかにする。また、長期化する感染対策の中で、施設を開いていくためには、職員・家族・地域社会との合意形成が必要となる。本研究ではインタビュー調査から各施設がどのように開いていったのかという合意形成プロセスについて明らかにする。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、個室ユニット型および多床室集団ケア型という物理的環境が、高齢者施設における感染症の拡大に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。この目的を達成するために、特別養護老人ホームを対象とした大規模アンケート調査を実施する。調査対象施設は、厚生労働省が公表している介護サービス情報公表システム(2023年6月末時点)に掲載されているすべての特別養護老人ホーム8,333件である。 1年目は、アンケート調査を実施するための準備段階として、既往研究のレビューおよびデータベースの構築を行った。データベースには各施設の運営状況(感染症対策の実施状況)、物理的環境(個室の割合、個室内トイレの有無)が記載されている。初年度はこれらの内容から分析を行った。 以下に、初年度に作成したデータベースから得られた結果を示す。①ユニット型個室がある施設は全体の43.2%(3,584施設)であった。②個室数が0室の施設は11.5%、1室から10室以下の施設は24.68%となり、個室が全くない施設も存在した。③個室内に便所が0室の施設は56.7%となり、個室内で感染者を隔離する体制が整備されていない施設が多かった。④主治医・家族の緊急連絡先が把握されている施設は97.7%、感染症発生事例に関する検討記録がある施設は83.8%、感染症に対するマニュアルがある施設は99.0%、感染症等に関する研修実施記録がある施設は97.0%であった。感染症等に対する研修やマニュアルの整備は、ほぼすべての施設で実施されており、感染症等が発生した場合の検討も行われていることが分かった。感染症拡大を抑制する運営面での取り組みは高い割合で実施されていることが確認できた。 運営面での取り組みが十分に行われていることから、今後、感染症の拡大を抑制していくためには、物理的環境(建物面)での工夫が必要であると考えられる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、概ね当初の計画通りに研究が遂行されている。特別養護老人ホームについては、厚生労働省および独立行政法人福祉医療機構により、運営面(職員数、マニュアル整備の有無)、建物面(個室の割合、個室内トイレの割合など)の情報が公開されている。調査対象施設の負荷を軽減するためにも、オープンデータから得ることができる内容については、事前に把握しておくことが望ましい。そこで、初年度はアンケート調査を行う準備段階として、データベースの構築を行った。これらのデータについては、データ形式での提供が行われていないため、ホームページの情報を閲覧し、データベース上に転記した。なお、独立行政法人福祉医療機構による介護サービス情報公表システムには、本研究に関連する項目として、「利用者ごとの主治医および家族等の緊急連絡先が把握されている」「感染症および食中毒の発生事例等の検討記録がある」「感染症および食中毒の発生の予防等に関するマニュアル等がある」「感染症および食中毒の発生の予防等に関する研修実施記録がある」という4点が公表されており、これらのデータの収集・分析を行った。 また、特別養護老人ホームのハード・ソフトに関するデータベースが構築できたことにより、感染症以外の課題に関する分析も可能となった。津波や洪水といった自然災害に対する対策は、感染症と同様に重要な課題であり、特別養護老人ホームの事業継続性に大きな影響を与える。初年度は、ハザードマップから抽出した災害リスクと、特別養護老人ホームのハード・ソフト面に関する関連分析を行い、これらの施設の災害リスクを明らかにした。これらの結果については、日本建築学会にて発表を行い、社会的にも発信している。 2年目以降は、アンケート調査により感染症の実態を明らかにし、統計的観点から物理的環境が感染症拡大に及ぼす影響について明らかにする。
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| Strategy for Future Research Activity |
2年目は、アンケート調査を実施する。アンケート調査の対象は1年目に作成したデータベースに記載されている8333件とする。アンケートの実施方法は、郵送による配布とし、回収については、郵送とメールを併用する。アンケートの回収率は、25%(約2000件)を見込んでいる。アンケート内容は、2024年度(2024年4月~2025年3月末)におけるCOVID-19、インフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症の発生者数、感染症対策の実施状況、感染症対策の方針の3点である。感染症の発生者数については、入居者、職員を分けて、発生者数を記載してもらう。また、COVID-19については、2020年から2024年度にかけての発生者数を記載してもらう。感染症対策については、隔離の方法、面会者に対する対策に分けて行う。隔離方法については、PPEなど個人レベルの対策から、個室隔離、ゾーニングなどの物理的環境の対策について把握する。物理的対策については、図面の収集を行い図面上にゾーニングエリアを記載してもらう。面会者に対する対策については、制限内容、制限を行った時期などについて記載してもらう。そして、感染症に対する方針としては、感染拡大期における看取りへの対応など、感染症対策と生活の質、看取りの質を確保するための考え方についての聞き取りを行う。アンケート調査については、回収率を考慮しA4用紙4枚(A3用紙裏表1枚)までに抑える。 アンケート調査の実施スケジュールとしては、2025年度前半にアンケート調査の配布・回収を行い、2025年度中盤から後半にかけて入力・分析作業を行う。5月末ごろにアンケート調査を配布し、6月末を回収締め切りとする。7月から8月にかけて入力作業を行い、9月以降に分析を進める。
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