| Project/Area Number |
24K07976
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 25020:Safety engineering-related
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| Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
花井 宏尚 群馬工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (30312664)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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| Keywords | 粉塵爆発 / 爆発限界 / 着火エネルギー / 粉じん / 爆発 |
| Outline of Research at the Start |
粉じん爆発は発生すれば大きな被害を及ぼす.しかし一般には発生し難い現象である.この理由は,地上では重力のため粉じんが沈降するため適当な濃度の粉じん雲が形成され難いこと,もう一つは着火に多くの時間とエネルギー投入が必要であることに起因する.本研究では,粉じん爆発に至るまでの着火過程に焦点を絞り実験を行う.着火エネルギーだけではなく,粉じんの着火を考慮した着火時間やエネルギーの空間分布と粉じんの爆発確率の関係を整理する.また,自己消火性および難燃性粉体が爆発可能となる着火を含めた初期条件を明らかにする.また,偶然見つけた自己消火性を持つ粉体でも十分な着火環境を与えれば爆発に至る現象の解明を試みる.
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,着火形態や供給エネルギー量,エネルギー供給時間や供給範囲と粉じん爆発の可燃限界がどのように関係するのか調査した。今年度,標準試料として,酸素指数が17と小さく着火が良好なポリメタクリル酸樹脂(PMMA樹脂)の粉体を用いた。用いた大きさは,5.0 マイクロメートルから80.0 マイクロメートルとした。粉体の大きさや形状が爆発限界測定に影響を及ぼさないように,粒度分布の小さい真球状の粒子を用いた。本実験で用いた着火の手法は,気体の爆発限界調査で一般的に用いられる火花点火,粉体の燃焼実験でよく用いられる熱面点火,爆発実験で使用される火薬点火および炭鉱での粉じん爆発事故ではしばしば見られる小規模ガス爆発点火の四種類である。爆発容器は,容器壁の影響を受けないように直径200mm,長さ250mmの大きさの円筒形状のものを用いた。粉体の分散方法はこれまで実績のある高速空気流と分散カップを用いた手法を用いた。 爆発限界の測定は,一つの条件に対し5回ずつ行った。これは,粉じんの爆発実験では気体のそれに対し再現性が乏しく,着火の可否ではなく着火の確率として爆発限界が得られるためである。 まずは火花点火を用いて供給エネルギーを変化させ実験を実施した。火花点火は供給エネルギーの変更が容易で供給量の爆発限界への影響が出やすい。結果として,供給エネルギーの増加に対してわずかに爆発確率が上昇することがわかった。次にニクロム線を用いて熱面点火での実験を実施した。熱面点火では,供給温度を一定とするためニクロム線の融点まで温度を上昇させた。ニクロム点火では,火花点火よりも供給エネルギーと着火確率に,より緩やかな変化を見せた。熱面点火では,供給エネルギー量,さらには供給時間および供給範囲が着火確率に影響を及ぼしているものとみられる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験はおおよそ計画通りに進んでいる。従来粉じん爆発の限界測定では,やや過剰な着火エネルギーを与え,粉じんが確実に着火する条件で限界を測定するのが一般的である.安全性の観点からそれに大きな問題はない。しかし,粉じんの爆発過程は,気体と比較してより複雑で様々な影響を受ける。投入エネルギーを変更することのできる火花点火を用いて実験を行ったところ,投入エネルギー量により着火確率が変化することがわかった。小さなエネルギー量では,より濃度の低い粉体濃度に対して低い着火確率を示した。これは,粉じんの着火過程では,その予段階として粉じんの気化が必要であるが,爆発に至るためには十分な気化とその後の加熱が必要となる。火花点火は,エネルギー投入時間が短いため,投入エネルギー不十分であると着火がその影響を受けてしまう。 ニクロム線の実験でも同様に投入熱量と着火確率の関連は見られた。また,火花点火と比較して,熱面点火の方が,より濃度の低い粉じんに対しても高い着火確率を見せた。この理由として,火花点火は着火源温度は高いが,熱量投入時間が数msと短く,一方,熱面点火では,着火温度は低いが数百msの熱源投入時間があるためである。この傾向は,大きな粉じんにおいてより顕著に見られた。また,火花点火では50マイクロメートルの粉じんでは,どのような粉体濃度でも着火不可であった。これは,ある大きさ以上の粉じんではより長いエネルギー投入時間が必要であるが,50マイクロメートルでは十分な粉じん気化時間が確保できなかったためである。 酸素指数が25と大きく燃焼持続が困難であるポリエチレンテレフタラート樹脂(PET樹脂)の実験も実施した。ニクロム線の着火を用いた場合,どのような投入熱量に対してもPET樹脂は着火に至ることはなかった。これは,従来のPET樹脂ので得られている実験結果と矛盾しない。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は,爆発実験でしばしば用いられている火花点火と熱面点火を用いた.投入エネルギーと爆発確率について明らかにした。次は,粉体サイズの変更,粉体種類の変更を予定している。特に,粉体のサイズから導かれる必要な気化エネルギーを熱伝導方程式からモデル化し,必要な温度と加熱時間から粉じん爆発モデルの構築を図る。また,着火初期における熱源核が小さい場合,熱の散逸が早く粉じんに十分な熱を供給できないことが知られている。熱源核の大きさと粉じんの気化速度の関係から,粉じんサイズに対する必要熱源核の大きさを見積もるモデルを構築する。 次年度の着火手法に火薬マッチ点火を用いる。火花点火や熱面点火では達成し得ない高い温度と大きな熱源核を供給可能である。熱面点火では,しばしば着火装置周りの粉じんにわずかな点火が見られその後消炎するケースがしばしば見られた。これは,熱源核が小さいため,火炎の広がりに対し熱の散逸が大きくなり燃焼が維持できなくなるためである。マッチ点火ではある空間に高い熱量を供給することが可能であるため,これまで消炎に至っていた粉じん濃度条件でも爆発に至る可能性があると考えている。 微小なガス爆発を用いて粉じん爆発に着火を行う。実際の炭鉱における爆発事故では,大気中のメタンガスによる小さな爆発を起因として,粉じんを巻き上げられ大きな粉じん爆発となるケースもあることが知られている。ガスの燃焼により,大きな着火熱が粉じんに投入されることよりこれまで着火不可だった粉じん雲でも爆発する可能性がある。予備実験において,微小ガス爆発を利用することにより,熱面点火では絶対に爆発することのなかったPET粉じんの爆発に成功している。酸素指数の大きな粉体に対して必要な着火条件はどのようになるのかこの実験を通して明らかにしていく。
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