| Project/Area Number |
24K09030
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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| Research Institution | Fukuoka Agricultural and Forestry Research Center |
Principal Investigator |
中田 富美 福岡県農林業総合試験場, バイオマス部, 主任技師 (60967529)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 康浩 福岡県農林業総合試験場, バイオマス部, 専門研究員 (20558613)
齋藤 浩之 福岡県工業技術センター, その他部局等, 専門研究員 (60416493)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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| Keywords | エノキタケ / 耐病性 / QTL-seq / 参照ゲノム配列 / SNP / DNAマーカー |
| Outline of Research at the Start |
エノキタケ生産において、トリコデルマ属菌による深刻な病害は世界的な問題となっている。そのため、トリコデルマ耐病性品種が求められているが、従来の耐病性評価法では多大な労力を要するため育種に多大な時間がかかることが問題となっている。育種を省力化できる耐病性DNAマーカー開発を目的として、開発に必要である耐病性遺伝子領域の特定をゲノムワイドに行うことを目的とする。そのため、1)高い精度でエノキタケのゲノム塩基配列(参照ゲノム配列)を決定し、これをもとに、2)ゲノムワイドな量的形質遺伝子座(Quantitative Trait Loci:QTL)の解析を行う。
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| Outline of Annual Research Achievements |
エノキタケ生産においてTrichoderma属菌(以下、トリコデルマ)による深刻な病害は、世界的な問題となっている。そのため、トリコデルマ耐病性品種が求められているが、従来の選抜法では多大な労力を要している。そこで本研究では、育種の労力を大幅に減らせるDNAマーカー開発に必須情報である、耐病性遺伝子領域の特定を目的とする。そのため、1)耐病性既知のエノキタケのゲノム塩基配列(参照ゲノム配列)を高い精度で決定し、これをもとに、2)ゲノムワイドな量的形質遺伝子座(Quantitative Trait Loci:QTL)の解析を行う。具体的には、耐病性遺伝子領域をより高い精度で特定するため、次世代シーケンサーにて、強耐病性および弱耐病性菌株からそれぞれ参照ゲノム配列を新たに取得して、一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism:SNP)を利用したQTL-seqを行う。R6年度の実績は以下項目1,2のとおり。 項目1 QTL-seqに供する材料の作出 R6年度は当試験場が保有するエノキタケ菌株をトリコデルマと対峙培養し、トルコデルマからの侵害面積に応じて最も耐病性の高い強耐病性Pr株と最も耐病性の低い弱耐病性Ps株を選抜した。また、Pr,Ps株をプロトプラスト処理することで得た一核菌糸(半数体)を交配することで、F1株を作出した。その後、F1株の子実体形成を誘導し、F2株作出のための胞子由来一核菌糸(半数体)を得た。 項目2 エノキタケ元親の参照ゲノム配列の決定 R6年度はPs株の長鎖DNAを抽出し、次世代シーケンサーで得られたショートリードおよびロングリード2種類のリードを用いてアセンブリ(ゲノムの組立)を行った。その結果、Ps株全ゲノムは12本の染色体で構成されており、うち10本は両端のテロメアまでほぼ100%、残りの2本は塩基配列を90%程度決定できた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間の1年目であるR6年度は主に2点の研究成果が得られた。上記項目1,2に沿って記述する。 項目1 QTL-seqに供する材料の作出 QTL-seqに供する材料作出のため、強耐病性Pr株および弱耐病性Ps株プロトプラスト処理による一核菌糸(半数体)の作出および、それらを交配することでF1株の作出を行った。F1株の耐病性を確認したところ、強耐病性株・弱耐病性株である両親の耐病性の中程度の耐病性を示し、想定どおり、F1株を作出できたと考えている。さらに耐病性に関する家系構築用にF2株を作出する必要があるため、F1株の子実体を作出し、胞子由来一核菌糸(半数体)を単離した。現在R7年度に計画していた予定を前倒しして、本胞子由来一核菌糸と弱耐病性Psプロトプラスト由来一核菌糸を交配させることでF2株を作出中である。 項目2 エノキタケ元親の参照ゲノム配列の決定 高精度なQTL-seqを行うためには、項目1の元親であるPr,Ps株の参照ゲノム配列が必要である。R6年度は弱耐病性Ps株の長鎖DNAを抽出し、ハンディタイプの次世代シーケンサーMinION(nanopore社)で長鎖DNAの塩基配列を取得し、別途委託により得た短鎖DNA塩基配列で補正することで、弱耐病性Ps株の全ゲノム塩基配列を99%程度決定した。さらに高精度なQTL-seqを行うため、R7年度は強耐病性Pr株についてもR6年度に確立した手法で同様に参照ゲノム配列を決定する予定である。これらゲノムを参照ゲノム配列としてQTL-seqを行うことが可能となる。
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| Strategy for Future Research Activity |
項目1-3についてそれぞれ今後の研究について記載する。 項目1 QTL-seqに供する材料の作出:R7年度は、R6年度から進めているF1株胞子由来一核菌糸(半数体)と弱耐病性株Psのプロトプラスト由来一核菌糸(半数体)との戻し交配により、F2株を100株程度作出する。R8年2月までに、作出したF2株のトリコデルマ耐病性を確認した後、F2株を耐病性レベルに応じてグループ分けを行う。 項目2 エノキタケ元親の参照ゲノム配列の決定:R7年度末までに、弱耐病性Ps株と同様の手法で強耐病性Prの参照ゲノム配列を決定する。 項目3 QTL-seq法を用いた耐病性遺伝子領域の特定:R8年4月に、項目1で耐病性レベル別に分けたグループのうち最も耐病性の強いF2 r株群および最も耐病性の弱いF2s株群の各個体から抽出したDNAをそれぞれバルク(当量混合)する。 その後、R8年6月に、両バルクDNAの塩基配列(リード)を、項目2で決定した強耐病性元親Pr株の参照ゲノム配列上に配置する。このとき、理論上、強耐病性F2r株群の塩基配列は参照ゲノムとよく類似するはずである。そのため、SNP(参照ゲノム配列と1塩基違いで変異している箇所)の頻度(SNP-index)は低くなる。逆に、弱耐病性F2s株群の塩基配列は参照ゲノム配列と比べて変異箇所が多くなると予想され、SNP-indexは高くなる。この理論を利用して、横軸にゲノム上の位置を、縦軸に両グループのSNP-indexの差(ΔSNP-index)をとったグラフを作成し、縦軸が最大となるゲノム上の位置を特定する。R8年8月には弱耐病性元親Ps株の参照ゲノム配列を基準にして、同様の操作を行う。Pr株、Ps株の参照ゲノムを基準としたもの、それぞれで共通するゲノム上のSNP位置を耐病性遺伝子領域としてR9年2月までに特定する。
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