| Project/Area Number |
24K10224
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 49050:Bacteriology-related
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| Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
牧 泰史 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (60401733)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 秀司 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (60288735)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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| Keywords | 大腸菌 / 定常期 / リボソーム |
| Outline of Research at the Start |
バクテリアを特定の飢餓条件に置くと、細胞内の正常なリボソームが積極的に分解されることが、近年明らかとなってきた。リボソーム分解の目的が、分解産物の再利用による延命、と考えると合理的ではあるが、その証拠はない。本研究は、大腸菌をモデル生物として用い、飢餓環境におけるリボソームの分解メカニズムの解明を目指す。さらに、飢餓環境での死滅を回避する上で、この分解が有効に機能しているのかどうかを検証し、バクテリアにおけるリボソーム分解の生存戦略上の意義を明らかにすることを試みる。
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| Outline of Annual Research Achievements |
比較的安定な複合体と考えられていたリボソームであるが、バクテリアを特定の飢餓条件に置くと正常なリボソームが積極的に分解されることが近年明らかとなってきた。リボソームを分解する理由は、その分解産物を生体分子の材料として再配分するためであると一般的には考えられているが、実はその真偽を検証することはこれまでできていなかった。その理由は、リボソームの分解メカニズムが不明なため、人為的にリボソーム分解の阻害とその生存率への影響を調べることができていなかったからだと考えられる。本研究は、リボソーム分解のメカニズムを明らかにし、その生理的意義を解明することを目的としている。 リボソーム分解に関与する遺伝子は過去にいくつか報告されているが、我々のこれまでの実験により、既報のRNaseはリボソームの急速な分解期の主要な要因となっていないことが示唆されてきた。そこで、本研究の前半は、未知の因子も含めた遺伝子産物のスクリーニングを行う計画となっている。 初年度は、このスクリーニングに必須となる多数サンプルからの同時RNA抽出の条件検討を行った。計画申請時の段階で既に独自の方法を獲得していたが、精製方法の改善や抽出・洗浄溶液類の検討などにより、より高効率なRNA抽出方法を検討しているところである。それに加えて、RNA分解に関与する遺伝子類のホスト切替を行った。スクリーニングではKeioライブラリを使用する計画だが、候補となった遺伝子については、二次スクリーニングや機能解析のために野生型大腸菌の欠損株で実験を行う必要がある。このため、初年度はKeioライブラリから一部のRNase欠損株を選び出し、それぞれの遺伝子欠損領域を野生型大腸菌W3110に移行する作業を始めた。Keioライブラリーの網羅的スクリーニングや、遺伝子欠損領域の野生株への移行は、次年度以降も継続して実施していく予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画の前半は、リボソームの急速な分解に関与する遺伝子産物が何であるか、をスクリーニングすることである。具体的には、大腸菌の全遺伝子欠損ライブラリーであるKeioコレクションを用いて、リボソームの急速分解期に分解の遅れが見られるような遺伝子欠損株を網羅的にスクリーニングすることを予定している。候補遺伝子の判定には、栄養環境や生育期を変えた様々な条件での菌体サンプルからRNAを抽出することが必要となる。Keioライブラリだけでも約4000株あることを考えると、それぞれについて複数条件の菌体を用意してRNA抽出することになり、少なくとも2万近くのサンプルからのRNA抽出が必要となる。市販のRNA抽出キットで高品質なRNAを迅速に得られることは我々も経験済みであるが、数万サンプルに対してキットを用いると、その総経費は本研究の予算では全く届かない。我々はキットを使わない安価な独自の方法により96サンプル同時処理が可能となった段階で本研究を申請した。これにより予算の予算範囲内で本研究を実行可能とする考えは変わっていない。しかし、今後のことも考えたスループット向上のため、もう一度、精製手順や抽出・洗浄溶液類の条件検討を重ねている。本格的なスクリーニングはその確立後に回すことにした。 一方で、初年度は研究計画を前倒しして、遺伝子欠損領域のホスト切替を始めた。Keioライブラリのスクリーニングにより候補となった遺伝子については、その二次スクリーニングや機能解析のために、遺伝的バックグラウンドを野生型大腸菌にそろえて実験を行う必要がある。初年度は、いくつかのRNaseについて、Keioライブラリの該当株の遺伝子欠損領域を野生型大腸菌W3110株に移行した。この作業は今後の1次スクリーニングと並行して、次年度も進めていく予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
大腸菌を様々な条件で培養し、リボソームが温存される時期と急速に分解される時期の大腸菌からRNAを抽出し、両者に含まれるRNAを比較する。これを全遺伝子欠損ライブラリであるKeioコレクションを用いて網羅的に実施し、本来であればリボソームが分解される時期にそれが温存される遺伝子変異株をピックアップする。本研究の計画では、初年度から実施する予定であったこの作業だが、RNA抽出の条件検討を実施したため、本格的なスクリーニングの開始が遅れた。次年度は主にこの作業を実施する予定である。具体的な作業は、96 wellプレートを用いたRNA抽出と、抽出したRNAの電気泳動によるRNA分解状況の判定である。計画立案段階でこの作業は成功しており、次年度はこれまでの手順の修正点・改善点も取り入れたのち、本格的に網羅的スクリーニングを実施する。 また、代表者は、大腸菌のRNA-seqによる遺伝子発現情報を別テーマの研究から取得している。本研究の実験計画には無かったが、この情報は、RNA分解期に特異的に発現する遺伝子類をbioinformaticsの観点からピックアップすることを可能にする。そこで、候補として挙げられた遺伝子がRNA分解にどのような影響を及ぼすのかを、上記と同様、Keioコレクションを用いて検証する実験を計画している。 これらRNA抽出実験とは独立しつつ、今後の実験に必要な作業が、野生型大腸菌ゲノムの改変と、それによる遺伝子の機能解析である。上記の一次スクリーニングで得られた候補遺伝子の機能解析をするために、該当するKeio株の遺伝子欠損領域を野生型大腸菌W3110株のゲノムに移行していく。初年度に計画前倒しで始めた実験であるが、スクリーニングの本格始動とともに候補遺伝子も増えていくことが予想されるため、次年度も継続して実施する予定である。
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