| Project/Area Number |
24K11161
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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| Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
下田 慎治 関西医科大学, 医学部, 教授 (30279319)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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| Keywords | 原発性胆汁性胆管炎 / 疾患模倣培養系 / 治療標的分子 / 単一細胞解析 / 標準治療抵抗 / 新規治療法 / オミックス解析 |
| Outline of Research at the Start |
本研究では今までの研究をさらに発展させて、これら鍵分子相互間での情報に加え病理を含めた詳細な臨床情報を統合すると共に、単一細胞解析で炎症や線維化の鍵分子関連細胞の識別・追跡を行い、末梢血レベルの簡便な胆管炎の活動性や病期に関係したバイオマーカーを創出し、また炎症性腸疾患や膠原病とは異なり免疫抑制剤や生物学的製剤が現時点では標準治療に入らない本疾患の新規治療戦略樹立のための治療標的分子を明らかにする。
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| Outline of Annual Research Achievements |
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は抗ミトコンドリア抗体(AMA)の出現と肝内小型胆管の破壊を特徴とし、主に女性に好発する臓器特異的自己免疫疾患である。我々はこれまでにAMAのCD4陽性T細胞のエピトープがミトコンドリア内膜に存在するpyruvate dehydrogenase E2 complex (PDC-E2)inner lypoil domainに存在すること、自己反応性T細胞の頻度が肝臓や所属リンパ節で増えていること、自己反応性T細胞は様々な外来抗原とも交差反応性を示すこと、外来抗原の中でも大腸菌の解糖系酵素を特異的に認識するT細胞が抗ミトコンドリア抗体の様々な自己抗原を一括して認識することを明らかにしてきた。 また、これまでにPBCでは親水性胆汁酸であるUDCAが第一治療薬であることから病態に疎水性胆汁酸が関与することや門脈を経由して腸管内細菌由来成分(PAMPs)による暴露があることが明らかになっている。我々は生体肝移植時のPBC症例の摘出肝より胆管細胞をイムノビーズで選択、摘出脾臓はホモジネート後に密度勾配法で単核球を採取し、同一症例から胆管細胞と単核球を培養し、そこに疎水性胆汁酸やPAMPsを加えPBC環境を模倣した生体外培養系を構築してきた。ここで疎水性胆汁酸刺激は細胞表面を重炭酸で覆うことでPAMPs刺激から細胞を守る陰イオン交換体(AE2)発現を減弱させること、Toll様受容体(TLR)リガンドの中ではTLR3リガンドであるpolyI:C刺激によって胆管細胞からさまざまなケモカイン・サイトカインが産生されることを明らかにしてきた。 さらに無刺激で胆管細胞と単核球を共培養しても単核球は胆管細胞を傷害しない一方で、上記の疎水性胆汁酸に加えpolyI:C刺激を入れると、自己の系にもかかわらず単核球が胆管細胞を傷害し、これは単核球分画の中でNK細胞が胆管細胞でのMHC classI発現が減弱することでnot kill me signal発現が低下することに起因することを明らかにしてきた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
網羅的アレイ解析の結果、胆管細胞を疏水性胆汁酸+polyI:C刺激を繰り返すと発現が亢進し続ける遺伝子が10個同定され、その多くが1型IFN(IFNA)産生やIFNによって誘導される遺伝子であった。さらに免疫染色が可能な4つの遺伝子がコードするタンパク質について評価した結果、PBC胆管でのみ発現が亢進し、さらに胆管炎の進行に比例することが明らかになった。また、同一症例から単核球を胆管細胞と培養後に再び単核球を回収した検体と、疎水性胆汁酸+polyI:C刺激後の胆管細胞と培養後に再び単核球を回収した検体を用いて網羅的アレイ解析を行い比較した結果、単核球はPBC環境を模倣した胆管細胞との接触で2型IFN(IFNG)を産生することが明らかになった。その一方、基本的に無刺激の胆管細胞と接触後、単核球は一般的には免疫寛容が誘導されgene set enrichment analysis情報によるとMYC TARGETS、GLYCOLYSIS、EMT、HYPOXIAに関連する経路が変動することが明らかになった。さらに単核球の中でこれらの経路変動に関与する細胞集団は、単一細胞解析の結果、単球であることが明らかになった。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、PBC胆管はIFNA刺激を受けていること、PBC環境を模倣した系で胆管細胞と接触した免疫細胞はIFNGを産生し細胞傷害活性を持つことが明らかになった。また、過去に恒常的にIFNG刺激が入るマウスの系では主に雌において抗ミトコンドリア抗体の産生と肝内小型胆管細胞の炎症が惹起され、これにIFNA受容体からの刺激をキャンセルするとこの病態が消失することが報告されている。したがってPBCでは1型IFNと2型IFNが病態形成に重要なサイトカインである。その一方でPBC治療の現状は、UDCAによる治療抵抗性を示す場合、pan-PPAR作動薬であるベザフィブラートが本邦ではoff label使用であるが事実上の二次治療薬として使用され、現在第2相臨床試験として選択的PPARA作動薬であるペマフィブラートが、第3相臨床試験として選択的PPARD作動薬であるセラデルパーや選択的PPARA/D作動薬であるエラフィブラノールの評価がなされている。このようにPPAR作動薬がPBC治療薬として注目されているが詳細な作用機序に基づく治療戦略は今後の課題である。PPARには主にA、G、Dといった3種類のサブタイプが存在するため、どのサブタイプに対する作動薬が最も効果的であるかを検証する。
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