| Project/Area Number |
24K11185
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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| Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大瀧 陽一郎 山形大学, 医学部, 助教 (80732693)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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| Keywords | Semaphorin 6C / GDF15 / 病的心肥大 / Sema6c |
| Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、高血圧性心疾患発症におけるSema6Cの機能を解明し、新たな治療標的となりうるか検討することである。実験は、ヒト心筋生検サンプルにおけるSema6Cの発現解析、心筋特異的Sema6C過剰発現マウスやSema6Cノックアウトマウスに対して大動脈縮窄術により圧負荷を誘導する動物実験、新生仔ラット心筋細胞やH9C2細胞を用いた機能解析を計画している。RNA-seqデータ解析により、Sema6CはTGFβスーパーファミリーに属するGDF15との関連が示唆されている。Sema6CとGDF15の関連について、検討を行っていく。
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| Outline of Annual Research Achievements |
心不全は増加傾向にある日本人の重要な死因である。病的心肥大を伴う高血圧性心疾患の増加は著しく、新たな治療法の開発がのぞまれる。セマフォリンファミリーは、臓器毎に異なる発現パターンを示し、さまざまな疾患の病態生理に関与する。しかし、心疾患におけるセマフォリンファミリーの報告はほとんどない。我々は、予備実験として大動脈縮窄術により病的心肥大を誘導したマウス心臓の遺伝子スクリーニングを行い、Semaphorin 6C (Sema6C)を発現変動遺伝子として同定した。Sema6Cは、骨格筋や心筋細胞に存在する膜貫通型セマフォリンであり、細胞内シグナル伝達において重要な役割を担うことが示唆される。癌領域では病的心肥大と関連するβcateninやHippo経路の調節因子であると報告された。本研究では、病的心肥大におけるSema6Cの機能を、大動脈縮窄術による圧負荷モデルを用いて検討を行う。Sema6Cは共発現遺伝子ネットワーク解析で、心不全の予後指標であるGrowth Differentiation Factor 15(GDF15)と関連を示した。Sema6Cを標的とした薬物・遺伝子介入により、新しい病的心肥大抑制治療薬およびGDF15を指標とした治療法の開発を目指す。2024年は、主に大動脈弁狭窄症における血漿GDF15濃度を測定した。心臓超音波検査値とGDF15濃度の比較を行い、大動脈弁狭窄症において血漿GDF15濃度と左室肥大に有意な関連がある知見を得た。動物実験においては、心臓特異的Sema6C過剰発現マウスの作成を行っているが、コンストラクトの作成に難渋している。細胞実験において、H9C2細胞に対してSema6Cを過剰発現し、心肥大シグナルの検討を行っている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Sema6CとGDF15の関連を検討する前に、心不全患者におけるGDF15と左室肥大の関係を検討した。当院に急性心不全で入院した心不全患者のうち、病的心肥大を来す大動脈弁狭窄症と高血圧性心疾患患者を対象にELISA法で、血漿GDF15値を測定した。左室肥大の評価として経胸壁心臓超音波検査で、左室重量係数を算出した。血漿GDF15値と左室重量係数は有意に関連していた。特に大動脈弁狭窄症患者において、その傾向は顕著であった。病的心肥大を来した症例は、多くが心筋生検を実施しておらず、心組織におけるSema6Cと血漿GDF15濃度の関連の検討が不十分である。 病的心肥大のモデルとして、横行大動脈縮窄術(TAC)をマウスに行った。マウス心組織において、RNA sequence解析をおこなったところ、Sema6Cの発現は、TAC14日と28日に有意に低下していた。mRNA発現と蛋白質発現の検討をそれぞれPCRとWestern blottingで行ったが、mRNAの発現は有意に低下していたが、蛋白質発現に関しては低下傾向にあるものの統計学的な有意差が得られなかった。現在追加でマウスにTACを施行し、蛋白質発現の変動を検討中である。同時並行で、心筋特異的Sema6C過剰発現マウスを作成中である。しかし、αMHCプロモーター下にSema6Cを発現するコンストラクトの作成に難渋している。アデノ随伴ウィルスベクターによるin vivoの実験系も検討中である。 細胞実験において、Sema6Cが、Wnt/β catenin経路やp53経路を調節するか検証するために、Sema6cの過剰発現を行った。しかし、Sema6Cを導入効率が低く、シグナルへの影響を検討できていない。発現高率をあげるために、再度コンストラクトを作成中である。
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| Strategy for Future Research Activity |
心筋細胞特異的Sema6C過剰発現マウスを作成中だが、うまくできない場合は心筋特異的Sema6CノックアウトマウスまたはSema6Cノックアウトマウスの作成に変更する。Sema6Cのfloxマウスを作成する。αMHC-Creマウスと掛け合わせることで心筋特異的Sema6Cノックアウトマウスを作成する。同マウスに対してTACを施行し、野生型マウスと心肥大の程度や生存率を比較検討する。心機能は心臓超音波検査と心臓カテーテル検査で解析する。心肥大シグナルや細胞死シグナルに関してはRNAシークエンス解析を行い、発現変動遺伝子やGene set enrichment analysisで評価する。特にGDF15の血中濃度を測定し、心組織におけるSema6Cの発現変動と関係するか検証する。 培養心筋細胞に対してWnt3a刺激、アンギオテンシンII刺激およびドキソルビシン刺激を行った。既報通り、Wna3a刺激では古典的Wnt/β catenin経路に関連するDvl1-3, GSK3β,active β cateninの発現が亢進した。また、ドキソルビシン刺激でp53の蛋白質発現は有意に増加した。Sema6Cを導入効率が低く、シグナルへの影響を検討できていないが、発現高率の高いコンストラクトを作成し、再度実験を行う予定である。遺伝子導入やsiRNAによりSema6Cを過剰発現またはノックダウンした心筋細胞に心肥大刺激を加え、心筋細胞肥大に対する影響を検証する。またGDF15分泌への影響も検討する。Sema6Cが、Wnt/β catenin経路、p53経路およびHippo経路(YAP)を調節するか検証する。特にβ catenin、p53およびYAPに関してはSema6Cの発現量を変動させた際に、mRNAや蛋白質発現および細胞質内局在が変化するか検討する。
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