| Project/Area Number |
24K11783
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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| Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三吉 範克 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20528624)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関戸 悠紀 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00781709)
植村 守 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10528483)
林 理絵 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30966536)
荻野 崇之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50597458)
水元 理絵 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50982287)
浜部 敦史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60621034)
波多 豪 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80749747)
竹田 充伸 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (90768962)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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| Keywords | がん細胞 / オルガノイド / 腫瘍間質 / 微小環境 / 初代培養がん細胞 |
| Outline of Research at the Start |
これまでに、生体内の「がん」に近い培養モデルを構築してきた。本研究ではこの培養モデルをさらに発展させ「がんの不均一性・多様性」を探求するべく「多様性を持つがん細胞」を中心とした「がん周囲微小環境」モデル=ex vivo腫瘍モデルを作成し、治療抵抗性に関わるメカニズムの解明をすすめる。がんの再増殖や転移に関わる新しいメカニズムの解明のみならず、化学療法や放射線などの治療法について個々の「がん」における効果的な治療法の選択や新規治療薬の開発など、臨床応用をめざした探索研究につながるものと考える。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、がん治療における最大の課題である再発・転移の根底にある「腫瘍内不均一性」に着目し、その主要因として「がん細胞の変容」と「がん周囲微小環境」の相互作用に着目し、治療抵抗性メカニズムの解明を目指すものである。従来の細胞株を用いたモデルでは捉えきれない、生体内のがん組織の多様性を反映した培養モデルの構築と、それを用いた治療応答性の評価系の確立を目的として研究を進めてきた。 初年度においては、申請時に計画した通り、生体内の「がん」に近い培養モデルの更なる発展に注力した。具体的には、多様な遺伝子変異や薬剤感受性を示す複数の細胞株を用いた三次元培養系を確立し、がん細胞間の相互作用や微小環境因子の影響を評価する基盤を構築した。また、細胞株だけでなく、患者由来の異種移植モデル(PDX)の解析も進め、生体内におけるがん細胞の不均一性の実態を多角的に解析した。これらの初期段階の研究により、がん細胞集団内の多様性が、特定の微小環境因子や治療刺激に応答して動的に変化する可能性が示唆された。 二年目となる本年度においては、より臨床的な意義の高いモデルとして、臨床検体由来のオルガノイドを用いた実験系を本格的に導入する。現在までに複数のがん患者の臨床検体からオルガノイドを樹立し、その形態学的、遺伝子発現的な特性解析を実施した。今後さらに、がん微小環境の重要な構成要素である間質細胞(stromal cell)との相互作用に着目し、オルガノイドとstromal cellを共培養する新たなin vitro実験系を確立していく。この共培養系を用いた予備実験では、stromal cellが存在することで、オルガノイドの増殖能が有意に亢進し、より浸潤性の高い構造を示す傾向がうかがわれた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに確立したex vivo腫瘍モデルを基盤とし、本年度は臨床検体由来のオルガノイドを用いたより生体内に近い病態の再現を目指した。具体的には、複数のがん患者の臨床検体からオルガノイドを樹立し、その特性解析を行った。さらに、がん微小環境における重要な構成要素である**間質細胞(stromal cell)**との相互作用に着目し、オルガノイドとstromal cellを共培養する新たな実験系を構築した。 この共培養系を用いて、がん細胞とstromal cellが互いにどのように影響し合うのかを詳細に検討した結果、stromal cellが存在することで、オルガノイドのin vitroにおける増殖能が有意に亢進することが明らかとなった。形態学的解析においても、stromal cellとの共培養下では、オルガノイドがより浸潤性の高い構造を示す傾向が観察された。 さらに、このin vitroでの知見を検証するため、オルガノイドとstromal cellを同時に免疫不全マウスに移植するin vivo実験を実施した。その結果、stromal cellを同時に移植した群では、オルガノイド単独で移植した群と比較して、腫瘍の成長速度が著しく促進されることが確認された。これらの結果は、stromal cellががん細胞の増殖を直接的、間接的にサポートする重要な役割を担っている可能性を示唆するものである。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究は、がんの不均一性と微小環境が治療抵抗性に与える影響の解明を目指し、二年目となる本年度において、臨床検体由来オルガノイドを用いたstromal cell共培養系を確立し、その腫瘍増殖促進効果をin vitroおよびin vivoで確認するという重要な成果を得た。今後の研究推進にあたっては、これらの基盤的成果をさらに発展させ、治療応用への道筋を探るべく、以下の具体的な方策を重点的に実施していく。 第一に、昨年度に確立した臨床検体由来オルガノイドとstromal cellの共培養系をさらに多様な患者検体へと拡大し、より普遍的な現象であるか検証を進める。腫瘍内不均一性と微小環境の相互作用が、治療応答性に多様な影響を与える可能性を包括的に解析する。 第二に、stromal cellがオルガノイド(=がん細胞)の増殖を促進する分子メカニズムの解明を深掘りする。共培養条件下におけるがん細胞とstromal cell双方の遺伝子発現変動、分泌されるサイトカインや増殖因子などの液性因子、細胞表面分子の相互作用などを網羅的に解析する。 第三に、薬剤感受性試験への応用展開を図る。確立したcancer-stroma共培養系を用いて、既存の抗がん剤や開発中の新規薬剤に対する感受性を評価する。単独培養のオルガノイドと比較することで、微小環境の存在が薬剤効果に与える影響を明らかにする。こまた、stromal cellの機能を制御する薬剤との併用効果についても検討し、新たな治療戦略の可能性を探る。 これらの結果については積極的に学術論文や学会発表を通じて発信する。また、国内外の研究者との積極的な情報交換や共同研究の機会を模索し、研究の質と加速を図る。
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