| Project/Area Number |
24K12461
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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| Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北風 宏明 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50981958)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 慎一郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい准教授 (20609870)
上田 倫央 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40759528)
竹澤 健太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90648015)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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| Keywords | 無精子症 / AZF / ノックアウトマウス / D1pas1 / 無精子症因子 / Y染色体微小欠失 / AZF欠失 / 遺伝子改変マウス |
| Outline of Research at the Start |
非閉塞性無精子症は顕微授精など最新の生殖技術でも挙児を得られないケースが大部分で 有り、世界的にも重要な男性不妊症分野の課題である。特にY染色体上にあるAZFa領域の 欠失患者ではSertoli cell only症候群による無精子症に至り治療法が全くない状態であるが、その病態の大部分は未解明であり、無精子症に至る分子メカニズムや責任遺伝子の同定が 強く望まれている。本研究はAZFa領域とD1pas1のダブルKOマウスを作製し機能を解析することにより、これまで未解明であったAZFa領域の機能を明らかにしSertoli cell only症候群の病態解明に迫る。
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| Outline of Annual Research Achievements |
2024年度は、Y染色体上に存在するAZFa領域の機能、ならびに常染色体上に位置するD1pas1遺伝子との関係性を明らかにすることを目的として、これらの遺伝子を同時に欠損させたダブルノックアウト(KO)マウスの作製および解析を行った。AZFa領域の欠失はヒトにおいてはSertoli cell only症候群により非閉塞性無精子症を引き起こすことが知られている一方で、これまでの先行研究において、AZFa領域を単独で欠損させたマウスでは妊孕性が正常に維持されることが確認されており、この差異の背景にD1pas1遺伝子の存在が関与している可能性が指摘されていた。実際、AZFa KOマウスではD1pas1の発現が上昇しており、AZFa領域の機能をD1pas1が部分的に補完している可能性が強く示唆されていた。
本年度は、この仮説を実証的に検証することを目的として、CRISPR/Cas9技術を用いた遺伝子改変によりAZFaおよびD1pas1のダブルKOマウスの作製に成功した。作製した雄マウスに対し、野生型雌マウスとの交配試験を実施した結果、仔が一切得られなかったこと、加えて精巣組織を組織学的に解析したところ、精子形成が著しく障害されていることが判明し、明らかな無精子症表現型を呈していることを確認した。これにより、マウスにおいてもAZFaとD1pas1の両者が協調的に精子形成に関与し、両者の欠失によりヒトAZFa欠失と類似した表現型が誘導されることを初めて示すことができた。
この成果は、AZFa欠失による男性不妊の病態モデルをマウスで再現できたという点で学術的に大きな意義を持ち、今後の研究においては、本モデルを用いたRNA-seq解析により、発現変動を示す遺伝子群の網羅的把握と、それらを介した補完的分子機構の解明を目指す。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、Y染色体AZFa領域と1番染色体上のD1pas1遺伝子の機能を明らかにすることを目的とし、これまでにAZFaおよびD1pas1のノックアウト(KO)マウスを順調に作製した。特に、AZFa/D1pas1のダブルKO雄マウスでは、精巣における精子形成の著明な欠如と妊孕性の完全な喪失が確認され、Sertoli cell only症候群に類似する表現型を示すことが明らかとなった。これはヒトにおけるAZFa欠失型無精子症を模倣する動物モデルとして、きわめて有用であると考えられる。
現在は、各遺伝子型マウスの精巣組織に対し、PAS染色および免疫染色による組織学的解析を進めており、さらにRNA-seqを用いた遺伝子発現解析の準備も整っている。これらにより、AZFaおよびD1pas1の欠損が引き起こす分子病態の解明と新規治療標的の同定を目指す。
以上より、現時点までの研究は概ね順調に進展しており、今後も計画に沿って着実に研究を進めていく予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究では、AZFaおよびD1pas1遺伝子のダブルノックアウト(KO)マウスにおいて、無精子症を示す表現型が得られたことから、今後はこのモデルを活用してAZFa欠失に伴う分子病態の詳細な解析を進める予定である。特に、週齢別の妊孕性評価は今後の重要な課題であり、性成熟後早期、若年期、中年期、老年期の各時点における交配試験を継続し、加齢に伴う生殖機能の変化を明らかにする。これにより、加齢とAZF関連異常との相互作用が明らかになれば、臨床的にも治療時期の最適化などに貢献できると期待される。
また、各遺伝子型における精巣組織の詳細な組織学的解析(PAS染色、免疫染色)を通じて、精子形成の各段階における障害の程度と病態の類型化を図る。さらに、RNA-seq解析によりAZFaおよびD1pas1欠損により発現変動を示す遺伝子群を網羅的に抽出し、候補分子についてはRT-PCRやウェスタンブロッティング、局在解析により機能の検討を行う。
今後は、Ddx3yとD1pas1のダブルKOマウスの解析も行い、AZFa機能の中核を担う遺伝子の絞り込みを進める予定である。加えて、得られた知見をもとに、臨床検体を用いた遺伝子・タンパク質レベルでの検証も進め、研究成果を将来的な診断や治療応用に結びつける体制を構築する。
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