| Project/Area Number |
24K15627
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 90010:Design-related
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| Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
池側 隆之 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (30452212)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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| Keywords | 映像デザイン / 情報デザイン / 視聴覚ライブラリー / 公的セクターとデザイン / 公共圏 / 公的セクター / 政策 |
| Outline of Research at the Start |
「多元的公共圏」創出の機会を行政と民間の接点、すなわち両者の協力関係から課題解決と価値創造を見出す政策デザインや民間行政等の現場をケーススタディの枠組みとして設定し、そこで共創に重きを置いた「プロセス志向」とメッセージ伝達に重きを置いた「コンテンツ志向」の相互作用がもたらす映像デザインを考察し、短期的には新しいサービスの創出を、また中期的には行政による政策立案等に寄与する映像の役割を考察対象に据える。
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| Outline of Annual Research Achievements |
2024年度は公的セクターによる映像利用実践を歴史的に考察する糸口を見出すために,「公的視聴覚ライブラリー」に着目して主には東北と北陸,また北関東を中心に調査を実施した。1970年代前後に全国に設置された視聴覚ライブラリーは市民・住民の視聴覚メディアの利用を促進することを目的に設置された経緯があり,概ね自治体の教育委員会の組織として運営が成されている。今回特に注目したのは「郷土学習教材」もしくは「自作視聴覚教材」と呼ばれる映像コンテンツである。視聴覚ライブラリーでは通常,市販されている映像教材が定期購入され,その利用が行われる。テーマ的には社会課題や最新の社会動向を伝える物が多い。そこで描かれる社会像とは,地域の固有性をそぎ落とした「標準的な社会」,もしくは,被災するなどの「希有な社会」である。映像視聴を通じて,前者は世間一般の認識を促すものであり,後者は当事者性を涵養するものと言える。それに対して「郷土学習教材」もしくは「自作視聴覚教材」は,各地域の視聴覚ライブラリーが独自に制作するものであり,内容的には当地の実状を如実に反映している。映像を受容する視点から言えば,知識の伝達や啓蒙,また啓発的なコミュニケーション手段として市販の映像教材と同様の利用が想定されるが,「郷土学習教材」等の場合は地域コミュニティを起点としつつも,テーマの設定,取材,制作,公開,受容のプロセスが必ずしも1方向的な流れでは無く,そこに関わるステークホルダー間の複雑なコミュニケーションの存在を調査によって抽出することができた。2025年度はさらに視聴覚ライブラリーの調査を進め,この仮説を詳細化しつつ検証を行い,どのようなプロセスと地域内コミュニケーションが映像を介して発生してきたのかをカテゴリー化し,次なる研究の準拠点を見出す予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内の調査はほぼ計画通りであるが,校務に時間をとられ,海外での調査が実施できなかったこと,また2025年度前半期に成果の発表を学会等で行うための準備ができなかったこと,これら2点がやや遅れていると評価せざるを得ない部分である。2025年度の後半期に前年度の調査対象となった公的セクターを再訪し,仮説の妥当性を質的インタビューを通じて確認し,学会誌への投稿に備えると共に,海外調査を2025年度に実施する予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
2024年度の歴史調査で得られた仮説を基に,2025年度前半には公的視聴覚ライブラリーが歴史的に果たしてきた役割をデザイン学の視点から整理し,住民と行政協働のプラットフォームとして映像制作が地域自治体等の政策立案や意思決定,また社会課題解決にどのように貢献してきたのかを明らかにする。そして後半では,公的視聴覚ライブラリーの調査に加えて,ソーシャルデザイン的な要素を持つ自治体が主導する取り組みを深掘りし,現在,どのような新しい視点を見出しながら映像制作や映像利用が成されているのかを詳細に調査する。これら2つの観点により研究をさらに推進させる。具体的には前半期に西日本地域の視聴覚ライブラリーをピックアップし,引き続き「郷土学習教材」の制作実態とそれの制作プロセスにおいて生じるステークホルダー間のコミュニケーション構造を整理する。それらの成果を2024年度の成果と比較し,住民や行政の間において映像が担う多層的なコミュニケーションをいくつかのパターン,すなわち映像デザインの類型として抽出する予定である。後半期では,それらの類型の妥当性を検討するために,主要な公的視聴覚ライブラリーを再訪し,制作等に関わった当事者インタビューを質的に実施し,理論化のための材料を得る。また前半期で得られた類型を基に,現在進行形で展開されている社会課題解決型の取り組みをソーシャルデザイン実践として位置付け,公的視聴覚ライブラリー以外の実践の中で映像がどのように利用されているのかを調査する。これからの成果は学会誌に投稿する計画である。後半期の最後には特定の視聴覚ライブラリーと協働し,新しい時代の公的セクターにおける映像利用を実証研究できる準備を行い,2026年度の研究の土台を確保する。以上,段階的な成果の積み上げを意識することで研究のさらなる推進を目指す。
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