| Project/Area Number |
24K15960
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Review Section |
Basic Section 01080:Sociology of science, history of science and technology-related
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| Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福本 江利子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 講師 (40835948)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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| Keywords | 学術 / 社会契約 / 学者 / 政府 / 市民 / 社会 / 価値 |
| Outline of Research at the Start |
本研究の主題は、学術の社会契約(国内の学術の振興、規制、ガバナンスに関して構造・文化面で存在する、パトロンからの資源提供、説明責任、市民の関与などの様態に現れるある種の契約)である。本研究の目的は、日本における社会そして価値や国家観を含む広義の学術体制とその社会契約の構造・文化について、国際比較による相対的理解と市民の学術観の理解によって新たな視座を提示することである。本研究ではまず、資料調査とインタビュー調査に基づき日米におけるモデルを比較検討したうえで、学術についての市民の価値観に関するサーベイ調査を予定する。本研究は、学術のあり方の根本的検討という日本の課題に取り組む社会的意義も持つ。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、科学に限らず人文学や社会科学も含む学術の社会契約(国内の学術の振興、規制、ガバナンスに関して構造・文化面で存在する、パトロンからの資源提供、説明責任、市民の関与などの様態に現れるある種の契約)を扱っている。本研究の目的は、日本における社会そして価値や国家観を含む広義の学術体制とその社会契約の構造・文化について、国際比較による相対的理解と市民の学術観の理解によって新たな視座を提示することである。本研究では、① 広義の学術体制と学術の社会契約の日米比較と、②一般市民の価値観という2つの観点について調査・分析に取組む予定であり、本年度は①を中心に実施した。①では資料調査とそれに基づく分析とインタビュー調査を予定しているが、本年度は前者を行った。 初年度であるため、複数の分野そして国に目を向けつつ、まずはどの分野にどのような学術振興機関が存在し、どのような機能を果たしているのか、市民とどのような関係性にあるか、など多様な観点から、インターネット上の政策文書や該当機関のウェブサイト、書籍等の資料調査を実施した。これをふまえて、人文学振興に特化して、政府による学術振興の実例とそこでの振興体制を理解するために可能なモデルを検討した。この過程では、学会での発表と論文執筆を行い、論文は既に掲載許可された。また、次年度以降に実施するインタビュー調査および学術についての市民の価値観に関する調査は、2024年度には資料調査と理論的検討も含む論文執筆を通して準備を行った段階である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本および米国で、どのような学術(主に科学と人文学、社会科学)振興組織があるのか、これらの歴史や機能、社会との関係性等の事項について資料調査を実施した。このような事実の調査の一方で、理論的な分析枠組みとして、プリンシパル-エージェント関係で捉えるDavid Gustonらを中心に提示されてきた科学の社会契約の概念を適用することを検討した。これは政府による科学振興をプリンシパル(政府)とエージェント(科学界)として捉える枠組みで、科学以外の分野への応用の試行として人文学分野を選定した。米国では人文学と芸術振興のための法整備もなされているため、連邦政府による人文学振興を担う組織であるNational Endowment for the Humanitiesに着目して、文献・政策文書・新聞紙の調査を行った.その過程で,米国における人文学振興のしくみ、さらには社会科学振興のしくみの歴史的展開についての知見を得た。 成果の一部を、まず9月の科学社会学会の学会大会で「学術の振興組織の機能とそこにある価値:National Endowment for the Humanities の事例」として発表した。また、科学技術社会論学会の2024年12月の年会では人文学という個別分野ではなく学術全体の危機にという観点から、「学術の社会契約:概念の検討と反学術の事例に基づく社会契約の分析」として発表した。これらのうち、とくに前者の内容を発展させて調査と分析を進め、論文を執筆して投稿し、『年報 科学・技術・社会』への論文掲載が許諾された。論文執筆と査読結果への対応を優先する期間があったため、インタビュー調査や市民の学術観の調査設計の進捗に少々遅れは出たが,全体として順調な進捗であると認識している。
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| Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査については、2024年度の関連資料調査を経つつ計画の作成と推敲を継続している。米国の人文学支援について詳細に調査を行って論文を執筆したことで、理論および具体例を見る視点ともに推敲することができた。米国での学術振興の状況についても知見を深め、よりよいインタビュー調査計画を作成するために役立った。これらをふまえて、2025年度の前半にはインタビュー調査計画を学内の倫理審査委員会に提出し、そこでの承認をふまえて2025年度にインタビュー調査を実施する予定である。 また、一般市民の価値観についても、人文学の事例での調査・論文で関連する事項についての考察をすることができたため、これをふまえて2025年度には改めて実際の調査設計を行う。本研究は、実際の振興機関の状況と理論的枠組みの検討を行き来しながら進めており、2024年度の取り組みを経て両者が検討上結びつきつつある段階にある。引き続き学会発表等の機会を活用しながら研究を推進する。
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