Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
本研究は、19世紀末に西洋から中国へと伝わった探偵小説が、いかなる社会的・文化的な背景のもとに翻訳され、創作されたのかについて、科学小説や科学知識との関わりに注目しつつ、その一端を明らかにしようとするものである。1年目は、日本国内における新聞・雑誌の調査のほか、ビザの取得等の条件が整い実現可能であれば中国の上海図書館に赴き、清末民初期の探偵小説の収集・整理を行い、本計画の遂行以前より着手しているテキストデータベースの構築を継続的に進める。2年目は同データベースを利用しながら、小説中における「指紋」「顕微鏡」「X線」といった西洋由来の事物の、作中における描かれ方について考察する。