Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
これまで北海道の「開拓者」として定義されてきた農村地主たちを、近代になって勃興した名望家として捉え直し、その事績を再検討し、本州以南の名望家との比較を行う。北海道において新興の地主が多く登場したのは、明治政府が従来のアイヌの土地利用権を顧慮せずに入植者を募り、土地を割り渡したためである。このため、アイヌの多くが土地を失った。名望家による地域開発がアイヌ社会にいかなる影響を与えたのかという観点からの検討も行う。また、アイヌと移民との共生が(それは決して対等ではないが)見られた地域もある。アイヌを含む地域がいかなる歩みのもと近代化を遂げたのか、農村地主の史料から明らかにすることにも取り組む。