| Project/Area Number |
24K16517
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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| Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
林 徳仁 南山大学, 国際教養学部, 講師 (80914275)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2028: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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| Keywords | 高学歴移民女性 / キャリア再構築 / 韓国人ニューカマー / 東アジア地域比較 / 社会経済的統合 / 移民起業家 / 帰還移民 / キャリア再編 / 東アジア |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、日本で就労した経験を持つ韓国・台湾出身の高学歴女性の帰還移民を対象に、帰還後のキャリアの再編と出身国(地域)においての社会・経済的影響について考察することを目的とする。本研究は、管理的・専門的・技術的職業を経験している韓国・台湾出身の高学歴移民女性を対象に、フィールドワークに基づく検討をおこなう。本研究は、東アジア女性の帰還移動とキャリア再編を、人的資本、社会関係資本、エスニシティー、ジェンダー規範から検討する意義があり、国際社会学および移民研究の分野においても学術的貢献をもたらすと考えられる。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題「東アジアにおける高学歴移民女性の帰還とキャリア再編に関する社会学的研究」では、今年度はとりわけ日本における韓国人ニューカマー女性に焦点を当て、彼女たちのキャリア形成と社会経済的統合の過程を明らかにすることに注力した。
高度人材として日本に渡航した彼女たちが、異なる制度的・文化的環境の中でどのように専門性を活かし、人的資本やネットワークを構築・再編してきたのかを丹念に調査した結果、東アジアにおける高学歴女性移民のキャリア再編に関する比較社会学的視座を確立するための基盤的知見を得ることができた。その成果は、学術誌『在外韓人研究』(第67号、2024年11月)に掲載された「日本における韓国人ニューカマー女性起業家:1980年代以降の展開」および、英文学術誌『Studies in Humanities and Social Sciences』(Vol.66 No.1)に収められた"Reconstructing Career Paths: Highly Educated Korean Women Migrants in Japan and Their Socioeconomic Integration"として結実した。
さらに、当該研究内容については、東アジア社会学会および移民研究国際会議という二つの国際学会において口頭発表を行い、理論的・実証的成果を国際的な場で積極的に共有することができた。今年度の集中的な調査と理論的考察を通じて、来年度以降に台湾との比較研究を含むより広域的かつ横断的な研究へと発展させるための明確な研究規範を構築することができたと考えている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、東アジアにおける高学歴女性移民のキャリア形成およびその後の帰還・再統合のプロセスを社会学的に明らかにすることを目的としており、とりわけ人的資本の再構築、ネットワークの活用、そして移動の連続性に焦点を当てている。今年度はその第一段階として、比較分析の基礎となる日本での事例蓄積を目的に、韓国人の高学歴女性移民を主な対象とした質的調査を集中的に実施した。具体的には、専門職・管理職・技術職に従事した経験をもつ女性へのインタビューを通じて、彼女たちが異文化的・制度的環境の中で直面した課題や、キャリアを維持・再構築するための個人的戦略について、貴重なデータを得ることができた。
こうした実証的成果をもとに、韓国人ニューカマー女性起業家の展開を時系列的に分析した研究成果を韓国国内の学術誌『在外韓人研究』に発表し、移民女性の起業活動がキャリア再構築の手段となる過程を明らかにした。また、より理論的な視点から、移住社会における人的資本の再評価、そして社会経済的統合のメカニズムを論じた英文論文 "Reconstructing Career Paths: Highly Educated Korean Women Migrants in Japan and Their Socioeconomic Integration" を『Studies in Humanities and Social Sciences』に公刊し、国際的な学術的発信も実現した。
これらの研究成果は、東アジア社会学会および国際移民研究会議という二つの国際学会において口頭発表され、多国間・多分野の研究者との活発な議論を通じて理論枠組みの妥当性や比較可能性に関する貴重なフィードバックを得る機会となった。これにより、次年度以降に予定している台湾事例との比較研究に向けた理論的・方法的な研究規範の形成にも大きく寄与している。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は、日本における韓国人高学歴女性移民を対象に、就労経験の蓄積と人的資本・ネットワークの構築過程、さらには起業や再就職を通じたキャリア再構築に焦点をあてて、質的調査と理論的整理を進めてきた。これにより、移民女性が直面する制度的制約と、それに対する主体的な適応・転換戦略を明らかにする基礎的成果を得ることができた。今後は、研究課題の本来の目的である「帰還後のキャリア再編と再統合プロセスの比較社会学的分析」に向けて、調査対象を韓国および台湾に拡大し、複数事例に基づく比較分析を本格化させていく予定である。
具体的には、次年度は台湾出身の高学歴女性で、日本での就労経験を有し、帰国済みまたは帰国を検討している人物を中心にインタビュー調査を行う。韓国との比較を通じて、儒教的規範、少子高齢化、女性の社会進出といった東アジアに共通する文化的・社会的背景のもとで、どのようなキャリアの連続・断絶・再編が生じているのか、またそのプロセスにおける個人の戦略と制度的条件の交差点を解明していく。また、人的資本やネットワークの移転・再構築といった点についても、国家間の制度の違いが女性たちのキャリア選択にどのように影響を与えるかを比較検討する予定である。
さらに今後は、帰還後の移民女性が直面する地域社会との関係性や、再統合を支援・制約する制度や文化規範についても焦点を拡張していく。これにより、移民の「帰還」を一時的な現象としてではなく、継続的かつ流動的なキャリアの一部として捉える視点を社会学的に深め、東アジア地域における越境的キャリアと移動の連続性を理論化していく。最終的には、日本・韓国・台湾を軸とする三国間の比較を通じて、国際的な人的資源循環と女性の専門的キャリアの展開に関する政策的含意を含めた包括的な研究成果を提示することを目指す。
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