Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
本研究では,げっ歯類を用いて苦痛状態の他個体に寄り添う行動を評価する新たな実験系を確立し,他個体の苦痛に寄り添う際に重要な共感的能力を評価するとともに,その根底にある神経機構の解明を目指す。共感性は,我々が社会集団を構築・維持し,他者との関係性を円滑にするための重要な能力である。一方で,共感性の欠如は差別や争いを生むことから,共感を促す取り組みは喫緊の課題である。本研究では,ラットを対象として,苦痛状態の相手に対する様々な共感的行動の観察と脳活動の観察・操作から他者の苦痛に能動的に寄り添うための脳のしくみを解明し,共感場面や他者との関わりの中で生じる問題を予防・解消するための洞察を提供する。