| Project/Area Number |
24K16936
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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| Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
須田 颯 東京科学大学, 理学院, JSPS特別研究員 (80912386)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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| Keywords | 箱玉系 / ソリトン / 長時間挙動 / 揺らぎ / 流体力学極限 / 大規模相互作用系 / 普遍性 / 可積分系 |
| Outline of Research at the Start |
「流体力学極限」とは, 膨大な数の粒子が相互作用しながら時間発展する微視的系から, 対応する巨視的系の流体力学を厳密導出することを目的とした, 統計力学に由来する確率論の問題である. この分野における特に重要な問題として, 微視的系の細かな差異に依らない, 巨視的系における「普遍性」を見出すことがある. 本研究では, 近年発展の目覚ましい, 「可積分系」に対する「流体力学極限」に取り組み, 特に「揺らぎ」に関する普遍性の導出を目的とする.
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| Outline of Annual Research Achievements |
箱玉系とは、高橋-薩摩によって導入された、一次元セル・オートマトンである。箱玉系は無限種類のソリトンから構成される離散ソリトン系であることが知られており、各ソリトンは自然数kでラベリングされている。 令和6年度は、箱玉系のk-ソリトンに対する極限定理を研究した。初期分布が定常状態であるような箱玉系において、ある一つのk-ソリトンに着目し、時刻0からnまでの位置増分をYk(n) とおくと、Yk(n)/n はほとんど確実に定数へ収束すること、すなわち大数の法則が知られている[Ferrari-Nguyen-Rolla-Wang, Forum of Math. Sigma, 21]。我々は、この大数の法則に対応した中心極限定理と大偏差原理を、初期分布に関する適当な仮定のもとで導出した。さらに、ソリトン間の巨視的な強相関を示し、系全体の拡散的スケールのもとでの揺らぎは時空間ホワイトノイズではなく、ブラウン運動によって駆動されていることを指摘した。 我々が箱玉系において導出した現象は、可積分多体系において広く見られるものであることが期待されている[Ferrari-Olla, AAP,25]。可積分多体系の弾道的スケールにおける巨視的振る舞いについては物理的な理論予想があり、数学的に厳密な結果も増えつつあるが、拡散的スケールでの振る舞いに対する明確な予想はまだない。我々の結果はそれ自身数学的に興味深いものであり、さらには依然発展途上である拡散的スケールのもとでの理論構築に貢献するものでもある。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の第一目標は、定常状態における箱玉系の揺らぎの導出である。令和6年度は特に一つのソリトンへ着目した場合の揺らぎに関する結果を厳密に導出した。単一のソリトンの揺らぎは、系全体の揺らぎよりも詳細な解析が必要となるより難しい問題と考えられていたが、位置増分に関する明示的な公式を得たことにより、先にこちらが解決されることとなった。明示的な公式が得られたことから、箱玉系の揺らぎ、特にk-ソリトンの経験分布の揺らぎに関しても進展があった。 以上のことから、研究は当初の計画以上に進展していると判断する。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和7年度は、前年度に得られた成果を活用し、k-ソリトンの経験分布の揺らぎを解析する。特に、異なるラベルを持つソリトン間の相関を厳密に導出することを目的とする。
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