Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
ニッケル合金は水素環境下で延性低下することが知られており、このことが本合金を水素利用機器へ適用する上での障壁となっている。結晶粒界への水素集積を阻害する、もしくは粒界結合力を向上させる元素を添加することにより、ニッケルの耐水素脆化特性を向上できることが期待される一方、添加すべき元素の種類や量が未解明であることから、合金設計指針の確立には至っていない。本研究では、添加元素が耐水素脆化特性を向上させる効果の素過程となる、①結晶粒界への水素集積および②集積した水素により生じる粒界破壊の2つの現象に対する添加元素、とりわけ粒界被覆元素の影響を、そのメカニズムとともに解明することを目的とする。