Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
キラルリン酸触媒は汎用的な有機分子触媒として数多くの研究者に利用されているものの、主に非プロトン性有機溶媒が用いられ、安価で安全な水溶媒の利用は困難とされてきた。本研究では生体内の水中環境で機能するリン脂質の構造・特性に着目し、脂肪酸エステルを導入したキラルリン酸触媒を設計・合成し、水中不斉反応に応用する。本触媒は界面活性剤型触媒として機能するだけでなく、触媒構造の違いで自己組織化構造が変化し、特異的な不斉空間を創出できる。様々な脂肪酸エステル導入リン酸触媒を合成し、その自己組織化構造を明らかにするとともに過酸化水素などの水溶性低分子を用いた水中不斉反応に展開する。