Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
単分子磁石1分子を1ビットとするメモリデバイスの開発には、基板上での1分子の磁性を調べる必要があるが、バルクで80 Kで動作する単分子磁石を含むランタノイド(Ln)錯体は熱的不安定性のために真空蒸着できない。本研究では、基板表面上で類似の構造を持つLn錯体を合成するための基礎を築くことを目指す。過去に単離された0価、2価のLnサンドイッチ錯体をモデルとして、副生成物を出さない合成法と走査トンネル顕微鏡を用いた非弾性トンネル分光によるLn錯体の酸化数の解析手法を開発することで、基板上での精密なLn錯体の合成が可能になり、液体窒素の沸点以上で動作する単分子磁石の実現につながることが期待できる。